表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/215

ひとつの祝福と呪い (LINK:primeira desejo 序1)

 私は生まれたときに背負ったひとつの宿命がある。

 それは祝福であり、呪いだ。


 選べない両親、そのルーツ。

 家柄によっては代を重ねるごとに重くなったそれを、生まれながらに背負わされる子はどれくらいいるのだろうか。

 私の家系は幸いそれほどのものではなかったが、選べないもののひとつである母がそこに拘った。


 母が拘る、家系というものを重んじた家で、同じく選べなかった長子という立場を得て生まれた私は、母の過剰な想いと、父のそれなりの期待を一身に受けて育った。


 母からは家柄に見合う人間に育つよう躾けられたが、言うほどたいした家柄ではないのだ。

 それほど折り目正しく育つ必要は無かったのかもしれないが、私は、凡そ母が納得できる程度の品格は身に着けたのだろう。母は私に対して満足そうな様子でいることが多かった。



 三年後、妹ができた。



 当時三歳であった私に今に残る記憶など殆どないが、とにかく妹が可愛かったし、妹を可愛がったという、具体的な事柄ではなく、当時抱えた感覚に関しての記憶が残っていた。

 当時の写真や、同時を知る大人たちの話からも、その記憶に間違いはないと思われた。


 妹の面倒をよく見ていた私を、母も父も喜んだ。

 私も好きでやっていたことだから、負荷など感じず、それが当たり前のように過ごし、時を重ね、成長してきた。


 そうして出来上がったのが、今の私である。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ