表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.201~No.300】

百鬼夜行 【月夜譚No.231】

作者: 夏月七葉

 簪の飾りが、シャラリと軽やかな音を奏でる。それを合図に、煌びやかな着物を纏った女性の周囲に、一つずつ灯りが灯るように異形のモノ達が姿を現した。

 小豆洗いに河童、ぬらりひょん、豆腐小僧、猫又、鈴彦姫……絵本で見た妖怪の数々が列を成して夜闇を漫ろ歩く。

 よくよく見てみれば、最初の女性には毛むくじゃらの尻尾が九本も生えていて、九尾の狐だったのだと知る。

 男は腰を抜かしかけてすんでのところで堪えたが、親指の先ほどしかない小さな猪口暮露の影が足許を駆け抜けて、到頭尻餅をついた。

 怪しく、不気味で恐ろしい。けれど、惹きつけられる美しさを持った不思議な行列だ。

 男は呆けてその奇異な行列に見惚れ、はたと気がついた時にはもう、真っ暗な住宅街の道端に佇んでいた。

 夢でも見ていたのだろうかと首を傾げた男は、背後でクスクスと笑われていることも知らずに帰路に就いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ