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ペット霊園で町おこし  作者: らんた
序章 墓守という生き方があったのか!?
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第四話

 宿坊事業で過当競争が起きた。当然休む暇もなく、元ニート・元フリーターが割に合わないと言って辞めていくものが現れた。そこで加藤は定休日を週二日設け、すなわち週休二日制度を導入させたのである。そんなことすればライバルに取られるという心配もあったが各宿坊が平日の定休日をずらすことで解決した。もとより平日はそれほど客は来ない。むしろランニングコストの削減につながった。また互いが互いを潰しあう低価格競争を回避すると同時に人間らしい生活を確保する事が可能になった。


 「人はパンのみに生きるに非ず」


 この聖書の言葉をどれだけのクリスチャンが実行したのであろうか。ペット霊園も宿坊事業も新しいブラック産業育成の為に行ったのではない。この定休週二日制度の導入で仏教は特に恩恵を受けた。というのも山岳地帯の無人仏閣を宿坊に転用できるほど需要が拡大したからである。

それでは収入面で厳しいという人に対してはペット墓参り代行業も行うことになった。遠方でペットの霊園に行けない方や多忙の方に替わってペットの墓参りを行うというサービスである。墓参りの証拠に写真と神父、または牧師仏教ならば僧侶の墓参り証書を印鑑付でもらう。もちろん交通費や宿泊費は実費でもらう。そして宿泊先は宿坊とするのである。こうすることで相互扶助システムがより完成していった。この墓参り代行システムはすでに民間事業者が行っていたがお経を唱えることができる仏教僧侶や祈祷を行えるカトリック神父にかなうわけがなく、やがて民間の墓参り代行業者は消えて行った。


 「休むんじゃない、それでも客商売か!」


 と言う声がたまに出る。きまって答えは……。


 「宿坊事業は客商売のために行っているのではありません。信仰者のために特別に宿泊施設を用意する宗教事業です」


 であった。そもそもお客様は神様じゃない。日本人は勘違いしている人が多すぎるのであった。


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