魔王様の妻、キレる。
タイトル通りのお話予定。お待たせしました。
①『魔王様、勇者に選ばれる。』、②『魔王様、お城に拉致られる。』、③『魔王様、剣の修行をする。』を読んでいないとよくわからないかもしれません。
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①勇者に選ばれる。
https://ncode.syosetu.com/n4551dw/
②お城に拉致られる。
https://ncode.syosetu.com/n2842ek/
③剣の修行をする。
https://ncode.syosetu.com/n4173fs/
街に行く、そう言っていつものように出掛けた夫がまだ戻ってこない。クラウディアは大層心配していた。「何か事件にでも巻き込まれたかしら?うぅん。ディオがそこらのモノに負ける筈無いわ……」と、只管悶々と悩んでいた。しかし、彼女の否定した予想は正解であった。クラウディオはしっかり厄介事に巻き込まれていた。それをクラウディアが知る術もなく、クラウディアは悶々と悩み続けていた。
最初の一週間、クラウディアはクラウディオが心配で夜も眠れなかった。毎晩涙を堪えながら独りベッドでクラウディオのシャツを抱き締めていた。しかしクラウディオは帰ってこない。
一月が経ち、二月が経った。心配はやがて怒りへと姿をかえ、クラウディアは泣かなくなった。可愛さ余って憎さ百倍、その言葉は今のクラウディアにぴったりかもしれない。いつまで経っても帰って来ないクラウディオに、ある日クラウディアは爆発した。
「いつまで帰って来ないつもりですか!もう良いです!!ディオなんて知りません!!!」
クラウディアはそう叫ぶと、猛然と部屋を片付け始めた。生活感の欠片もなくなってしまった家の中を見て、ふんっと一つ鼻をならしそのまま家を出て行ったのであった。
そしてある日、禍々しい魔王城が瘴気溢れる荒野に現れたと言う噂が世界中に駆け巡った。
クラウディアとクラウディオが再び共に暮らせる日はまだ来ない。