一話・期待と不安
起きて鋼我!朝ごはんを食べて早く学校に行きなさい!今日は入学式でしょ!
「あっそうか。今日は入学式か」
俺は、琴葉 鋼我今日から高校生だ。
この世界では、3歳~5歳の間で特殊変化が起きる。それを、Type【タイプ】と言う。だが一部の子供にしか与えられない。タイプは、それぞれ職業の事を表します。剣術が得意とする【剣士】槍を得意とする【ランサー】魔法を得意とする【魔術師】など色々なタイプがある。ただごくまれに特殊なTypeを持つ子もいる。Typeは学校や専門の施設で知ることができる。
「は~い!新入生の皆様!体育館はこちらで~す!」
活気あふれる声で上級生が指示してくれる。
「えっと俺の席は、あっこれか!」
「よ!お前俺の隣かよろしくな!」
隣を見ると、少しチャラそうな男子が俺に喋りかけてきた。
「お、おう!よろしくな!」
「俺の名前は、西影 弦!弦って呼んでくれ!お前は?」
「俺は、琴葉 鋼我 同じく鋼我って呼んでくれ!」
弦は、チャラそうに見えて意外と几帳面で優しかった。俺は最初にこうゆう友達が出来て嬉しかった。
なぜって?俺は小学校も中学校も最初から俺と真逆のキャラの子が凄く多かったからだ。
「お!始まるぜ!」
そうして体育館の照明が消え、ステージに照明が付いた。そこには、一人の女子生徒がいた。
「皆様!ご入学おめでとうございます!私はこの、ジングレット国立育成学校の生徒会長をやってる
富永 紗江です!今後ともよろしくお願いします!まずこのジングレット国立育成学校はあなた達に秘められた力、Typeを引き延ばし強化させる為の学校です。」
そのまま、生徒会長の話を黙々と聞き色々な事が分かった。元々この学校はTypeを持っている人であれば誰でも入学することが出来る。逆にTypeを持っていても別にこの学校に入学しろと言う事ではない。だが大半が自分の実力を測るためや、将来のために入学する人が多い。
「とゆうことで体育館の表掲示板にクラス発表が行われます。そこで自分のクラスを確認し指定のクラスに行ってください。」
表掲示板にたくさんの人だかりが出来た。
「いやぁ!タイミングミスったな。な!鋼我!俺頑張って見てくる!!先教室行ってるぞ!」
そこに、同じ見るタイミングを間違えた弦が来た。
「分かった!」
まぁ後で見に行けばいいか。でも弦と同じクラスだったらいいんだけどなぁ。そう思いながら少し人が減った掲示板を見に行く事にした。
「えっと俺の教室は、1-Cか。行ってみるか!」
そして俺は、初めて小学校に行くみたいな子供に気持ちで教室に向かった。
目立たずにして行こ。そして教室のドアを開けた。
「お~い!鋼我~!こっちこっち!」
教室には、弦がいた。俺は安心して教室に溶け込む事が出来た。
「良かった!弦も同じクラスだったんだ安心したよ!」
ガラガラガラ~!
教室のみんなはいっせいにドアの方向を向いた。ドアの先にはとても可愛いロングのポニーテールの女の子が立っていた。綺麗な歩き方で教室に入ってくる。
「なにあれ!?なにあれ!?モデルの人?」
教室の男女がそわそわしながら彼女の話をしていた。
「え?こうちゃん?こうちゃんだよね!!」
彼女が走りながら俺の前の席に座った。
「ごめん。誰だっけ?」
「えぇぇぇ!?覚えてないの?私!私だよ!紫苑!古峰 紫苑」
「え!?お前紫苑か?」
驚きが隠せず教室中に響く声で叫んでしまった。
「覚えててくれたんだ!こうちゃん!嬉しい!!」
そう言うと俺の事を嬉しそうに抱きしめた!満足気な顔で手を腰に巻き付ける。
「おい!鋼我お前知り合いか?こんな美人さんと」
「いやただの幼馴染だよ!」
そう。こいつは昔俺の隣の家の子でよく遊んでいた女の子だ。俺が小学3年生の秋に引っ越しって行った。俺と紫苑の両親がとても仲が良かったので、いつも一緒だった。
「ちょっと!ただの幼馴染ってなによ!未来の奥さんに向かって!」
【未来の奥さん!?!?!?】
教室のみんながビックリした顔でこちらを向き揃って声をあげた。
「えぇ?なんだよ未来の奥さんって!?」
「え?忘れたの昔私の家で遊んでた時に、約束したじゃない!」
--------------------小学生の春頃--------------------
「ねぇ!こうちゃん!」
「なぁに?」
「私を未来のお嫁さんにしてくれる?」
「うん!いいよ!!」
「やったぁ!約束だよ!」
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俺の記憶の中であるワンシーンが思い出した。
「いや!あの時は子供だったし!え~っとその。。。」
「酷いよ!こうちゃん!」
紫苑は涙目になりながらこちらを見つめる。
「まぁ。いいや!まさかこうちゃんとこんな学校で会えると思ってなかったから。やっぱり運命の糸はまだ繋がってたんだね!そういえばこうちゃんってTypeに目覚めてたんだね!」
「うん。俺は小学4年生で突然目覚めたんだ。みんなより遅くね」
「そうなんだ。」
俺は昔の用に紫苑と喋れるのが嬉しかった。突然引っ越しが決まってその日から落ち込んだ日々が続いたから、心の中では当然嬉しかったし、それと昔と断然違ってとても可愛くなっていたから少し自分とは違う世界の存在だと改めて分かった。
「これからもよろしくね!こうちゃん!」