【これまでの流れをぎゅぎゅっと要約してみた】
長らくおやすみしていて申し訳ありません。そして唐突に再開してしまい申し訳ありません(土下座)
今後はせめて週1の更新はできるよう、自分で自分にムチ打ち頑張る所存です。
まずはこれを読めば、二章はあらかたついていけるよ!的な要約をご査収ください。
どうも、アンジェリカ・コーンウィル・ダスティンです。こんなに長いお話におつきあいくださりどうもありがとうございます。いきなりですが、これまでの流れをぎゅぎゅっとまとめてみたよ。ではレッツゴー!
アラサー日本人で、アフリカに駐在するNGO組織に勤めていた私。武装勢力に襲われて銃撃されたかと思えば、気がつけば何やらお葬式の場面。状況を整理してみれば、私の父ことダスティン男爵と金銭的な契約を結んで私を産んだものの、精神的に不安定になり私に暴力をふるっていた母の死をきっかけに、子どものいないダスティン男爵夫妻の跡取りとして男爵家に迎えられる5歳児という状態だった。
そこで聞かされた「アンジェリカ・コーンウィル・ダスティン」という名前にはっと気づく。そう、ここが前世の妹が大好きだった乙女ゲームの世界で、私はそのヒロインだということに。
いや、ゲームにハマってたのは妹で、私は妹のマシンガントークに「はいはい」と超適当に相槌打ってただけなんですけど!
という訴えは、鄙びたダスティン領の空へと消えていくばかり。
とはいえ義理の母となったカトレア夫人も実父もそれはそれはいい人で、父と継母の愛情を受けてすくすく育つ……予定がちょっと待って。男爵領が貧乏すぎて領民たちが冬を越すのも精一杯いという窮状に、前世で途上国支援をしてきた血が騒ぎ、食糧事情や農業事情改善に力を入れることに。
この世界では家畜の餌としてしか流通していなかったじゃがいもとサツマイモの食用化に成功してみれば、あれよあれよという間に話が大きくなり、お隣さんのアッシュバーン辺境伯領で騎士たちの食事として採用されたのちは、王立騎士団や果ては隣国トゥキルスにまでポテト料理が広がって、かつての敵国とも仲良しこよしな状態に。その渦中に乙女ゲーム必須要素の攻略対象や悪役令嬢とやらにも次々に出会うものの、正直アラサーの中身からすれば全員お子様で。仲良くはなったものの恋愛対象とは思えず、でもちょっとだけ王子様にだけはときめいてしまうという、中身すでにミドサー現年齢10歳のイマココです。ここまでが一章。
現在第二章に突入してますが、じゃがいもを使ったポテト料理のフランチャイズ店を全国展開したり、王国の食糧事情を救ったお手柄としてうちの領地に王立の農業研究所を作ってもらったり。お金や人の流入がわっと増えたおかげで、ダスティン領はちょっとした小金持ち状態。
だったらもっと広く長く領にお金が落ちる仕組みを作ろうじゃないかと、新たな産業を起こすことにした。その軸となるのがTHE温泉。そう、うちの領、温泉が出るのよ。今まで手付かずだったそれらに手を入れて、観光地・湯治場としてのダスティン領を売り出すべく、現在街づくりの真っ最中。その資金を捻出すべく、次々と新たな産業や生産物を世に送り出している真っ最中なんです。
【温泉を使った自然派レストランづくり】
うちが展開しているポテト料理フランチャイズ店の高級バージョンを領内にオープン予定。オーナーは、我が家のメイド長・クレバー夫人の長女リンダ。事故が原因でうまく歩けないリンダは、我が家で修行するうちにメンタル面が回復し、今では複数のポテト料理店店舗を運営する実業家になってます。
【温泉を使った化粧品づくり】
王都でも有数の商家・ハムレット商会の跡取り息子&娘である、双子のライトネルとキャロルの紹介で雇ったのが、化粧品技術者のマリウム(見た目ゴージャス美女・中身オネエ)。彼女(彼?)が作った温泉成分を取り入れた化粧水が見事に大ヒットしたおかげで、街並み開発も順調。
ちなみに街づくりはリー&マーティン建築事務所ってところにお願いしている。王都でも新進気鋭の建築家夫婦として有名だった2人。お子さんが病気がちで、自然豊かなダスティン領に一家で移住してきてくれたよ。
【温泉スパ&エステ構想】
せっかくの温泉地。頭の先からつま先まで綺麗になれるスパ施設をマリウムプロデュースで建設中。さらにここで使う自然派化粧品を開発するために、隣国トゥキルスに自生するサボテンエキスを入手すべく隣国にまで行くことになりました。挙句、女王陛下にまで謁見してしまいましたよ(遠い目)。
【サボテンの乾燥花を使った新ビジネスの振興】
隣国にまで足を運ぶことになったきっかけは、歩く迷惑装置・マリウムが、王立農業研究所(我が国セレスティア王国と隣国トゥキルスの共同運営で、今や両国の架け橋的施設)の視察に来ていたリカルドさんとうっかり仲良くなったことが原因でしてね……いや、仲良くなるのはいいことだよ? いいことなんだけど、まさか身分を隠したリカルドさんが女王陛下の甥っ子だったなんてね……(遠い目2回目)。
そんなわけで保湿成分たっぷりのサボテンエキスを求めて隣国に行った我々にとって、思わぬ副産物となったのが「サボテンの乾燥花」。生花では香らないのに、乾燥させると複雑な香りを放つこの花を使って、香りの新ビジネスをリカルドさんと共同で立ち上げることになったのだけど、ビジネス相手は王族。失敗は許されない上に半年で何らかの成果を出すという期限付き。締切まであと3ヶ月。……うぅ、胃が痛い。
マリウムに頼んでいた保湿クリームは無事完成。ダスティン印の温泉化粧水とセットで売り捌くよ!
【調香師の育成】
ハムレット商会の協力の元、新ビジネスの店舗の改装はさくっと完了したんだけど、問題は人員の確保。複雑怪奇なサボテン花を使いこなす調香師を探しに探していたら……灯台下暗し的にようやく見つかった! 懇意にしている王立孤児院に!! ラファエロいう13歳の少年は独特なこだわりや特性を持っていて、抜群の鼻の持ち主である反面、その特性から就ける仕事がなかなか見つからず、仕事を探していた。
というわけで渡りに船とのことで即スカウトしましたよ。これで王都の社交シーズン(12月から3月)中にはお店をオープンできる算段がついてひとまず安堵。
ちなみに他の子どもたちもどんどんスカウトしています。接客を学ぶための職業訓練校も領地に建設中で次の春にはオープンです。
【女性だけの歌劇団設立】
タ○ラヅカ的な歌劇団を作って人気観光地を目指す我が領の目玉にしたい! 湯治場として長期滞在してもらうには娯楽も大切ダヨネ!ということで、孤児院出身で劇団で働くアニエスに設立を依頼中。今仲間を集めてくれている最中のはず。しばらく会ってないので、様子を見に行かなきゃと思っているところ。
【求めてないけど作曲家スカウト】
アニエスの同窓で孤児のピアニストであるシリウス。私の継母の実父である、王立芸術院の元ピアノ講師・ウォーレス教授の指導や、孤児支援に熱心なアッシュバーン辺境伯家のシンシア様の金銭的援助で、難関の王立芸術院に合格した。そのまますくすく育って王国一のピアニストになってほしいと願っていたら……なぜかひどく(ほの暗く)懐かれて、歌劇団の専属作曲家になりたいとの申し出が。いや、彼の才能は小さな我が領に埋もれさせるには惜しいんだよ。断ろうと、断ろうとしたんだけど……! なぜかなし崩し的に許可を出してスカウトしたことになってしまった。いや、シリウスはすっごく素直でいい子なんだけど。来てくれるのは嬉しいんだけど。……断ったらなんか良くないことが起きそうな気がしたんだ、うん。ともあれ芸術院は卒業してねとお願いしておいた。その間に意思が変わるかもだしね。
【大人気流行作家のまさかの裏の顔】
王都を席巻する大流行小説「恋月夜」と「永遠の祈り」。作者はシャティ・クロウという覆面作家。その裏の顔は……執筆活動を家族に反対されている20代のガイ・オコーナーという青年だった!
出版業界の秘中の秘であるこの事実を私が知ったのは、新ビジネスで作る香りに素敵ネーミングをしてくれるコピーライターを探していたことがきっかけ。若手の芸術家支援に熱心な、ハムレット商会の双子の叔父にあたるサウルさんの伝で紹介してもらえることになったガイさん。まだ面会はしてないけど、サウルさんの話では、コピーライターの仕事を引き受けてもらうために、家業の跡取り息子であるガイさんに執筆の自由を与えてもらえるよう、家族の仲を取り持ってほしいという依頼。香りの新ビジネス成功の鍵は彼が握っているとも過言じゃないから、頑張る所存。
【悩める新人医師シュミット先生】
我が領の診療所で働くシュミット先生は、20代の青年医師。温泉を利用した健康増進や治癒に関する研究もしてくれている。
今年は王都の学会で研究成果の中途発表をする予定なんだけど、来た早々涙目で落ち込んでいる。理由を聞けば、結婚の約束をしている王都の貸し馬車屋の娘エリザベス・リンドさんにお見合いの話が浮上しているとのこと。リンド馬車は王都でも有名な商家。そこの箱入り娘であるエリザベスさんの父は、そもそも無名の貧乏医師であるシュミット先生との交際に反対していたのだけど、エリザベスさんの再三の説得により条件付きで2人の仲を了承してくれた。
その条件というのが、シュミット先生が医学の分野で名声をあげること。名声を得て、娘婿として自慢できる存在になり、稼げる医師となって、エリザベスさんに苦労をさせるなとのことだった。それを実現すべく、まだ誰も手をつけていない温泉治療の分野で名をあげようと、しがないうちの領に来てくれたわけだけど……ここに来て、その約束が反故にされそうでひどく落ち込んでいる。シュミット先生の学会での成功は、今後のダスティン領の観光地化を左右する大事な条件のひとつ。ここもひと肌脱ぎましょうとも!
【悩める従兄弟の社会科見学】
継母カトレアの実兄であるケビン伯父。その長男であるスノウは私と同い年。妹から聞いたうろおぼえの乙女ゲーム情報では、13歳になったら入学する学院に一緒に通うことになり、ヒロインを陰に日向に支える存在になるものの、ヒロインを庇って学院を退学になるモブ的存在。
つんつん生意気ながらもかわいい従兄弟をそんな目に合わすわけにはいかない!と、今から意気込む私だけど、なぜかケビン伯父から、この冬王都で私が手がける様々な仕事場に彼も同行させてほしいというお願いが。どうやらスノウは自分の将来の方向性について悩んでいる模様。前世でいうところの小学生の社会科見学ですね!お任せあれ!と二つ返事で了承。いつも生意気な彼だけど、今のところ文句のひとつも言わず私についてまわっているのでちょっと調子が狂うなと思う今日この頃。
【悪役令嬢ははたして悪役令嬢化しているのか】
妹に「エヴァ婆」と呼ばれていた悪役令嬢こと、エヴァンジェリン・ハイネル公爵令嬢。はじめて出会った数年前は悪役令嬢とはなんぞや?と思えるほどいい子だった。私が立ち上げた、毎年王都で開かれる精霊祭の発表会イベントは、孤児院の子どもたちの才能発掘オーディションの役割があったのだけど、その運営をより広範にツテを持っている彼女に託したいと思うほどには、信頼のおける少女だった。
けれど権威主義の彼女の母親の妨害もあって数年前から音信不通となり、発表会の手助けも断られ、挙句に今年は孤児院の子どもたちの参加は認められず、貴族の子どもたちのための発表の場に様変わりしてしまったとのこと。
凛とした佇まいながら庶民の生活にも目を向け、幼馴染である宰相の息子すら時には叱責するほどのまっすぐな少女は、もういなくなってしまったのだろうか。会って話をしてみたいけれど、男爵令嬢がおいそれと声をかけるわけにはいかないほど、彼女は遠い立場の人なのだ。
【一足先に王立学院に入学した人たちと、しばらく会えない人】
ビジネスのあらゆる面でお世話になっているハムレット商会の双子たちと、我が領が頼りにしているアッシュバーン辺境伯の長男・ミシェルはすでに学院に入学済み。
ひとつ年上の宰相の息子エリオット・マクスウェルは、父である宰相閣下の勧めで王国内を遊学中。
エリオットと同い年の、未来の王太子であるカイルハート殿下。その昔殿下の側付きをしていたミシェルのツテで何度か面識がある。見た目お子様なのに、なぜかアラサーの私が心をかき乱される不思議な存在。本来のヒロインであるアンジェリカが一目惚れしたのかとも分析していたのだけど、真相はわからずで。エヴァンジェリン同様、簡単にお会いできる人ではない。きっと学院に入学しても、遠くから眺めるだけになるだろうな。
同い年のアッシュバーン辺境伯次男・ギルフォードは、変わらず脳筋食欲魔人です。ぶれない。
【攻略対象?】*アンジェリカは10歳
カイルハート殿下:みんなの憧れきらきら王子(今のところ)。11歳
ギルフォード:辺境伯家の脳筋騎士。10歳
エリオット:宰相の息子の生真面目冷酷メガネ(になる?)。11歳
スノウ:ツンデレいとこ。10歳
シリウス:孤児のヤンデレ属性音楽家。12歳
ライトネル:庶民枠のワイルド紳士(になる?)。12歳
ミシェル:乙女ゲーム本編ではモブ的に死んだはずの、脳筋騎士ギルフォードの兄兼優しいお兄さん枠。13歳
【悪役令嬢?】
エヴァンジェリン:研究馬鹿の父(王立農業研究所の名誉所長)と権力主義の野心家母を持つ、悪役令嬢枠。カイルハート殿下の婚約者候補筆頭。10歳




