中島のセレブパーティー!
月曜日、なぜこんなにも学校へ行くのが憂鬱なのだろう。
歴史的長寿アニメ、アワビさんなんか見てしまったら尚更もう最悪だ。
社会人の方は本当にすごいと思う。いや、もうホントまじで。今日から1週間頑張りましょう!
と、思いつつ学校へ登校した。
俺は眠たくて若干席うたた寝をしていた。
ガラガラ
誰かが教室へ入ってきたようだ。
すると、クラスの雰囲気が一瞬変わったように感じ目を開ける。
あーなんだ地味子さんか…
おや、髪型が違うぞ?
クラスの皆は地味子さんに注目していたがすぐにいつものように戻った。
「湿川さん、髪!」
「はい…昨日切っちゃったんで、そのまま来ました。少しだけ頑張ってみましたけど…どう…ですか?変ですよね…」
「全然そっちの方が良いよ!」
地味子さんは昨日髪をカットしてボブにゆるいパーマがかかっており、おさげの頃より少し垢抜けて見えた。
後はいつも通りでクラスの皆も全く興味を示さなかった。
「よかったです。」
そう言い笑顔でこっちを向いた。
全然笑わなかったのに最近は結構笑顔出すようになったなー
「光。最近、地味子さんとよく喋ってるわよね?なんで?怪しいんだけど。もしかして付き合ってんの?」
俺が席を離れた際に杏は疑いの目でこちらへ寄ってきた。
「は?!付き合ってるわけねーよ!席が隣だから喋る機会があるってだけだ。」
「へぇー。まぁどうでも良いけど!」
なら、聞いてくんなよ。
「でも、あんな髪型変えたくらいで地味さは変わらないなんてかわいそ!ウケるわ!」
こいつは本当に性格が悪魔のようだ。
さすがの俺も少しイラっとするぞ。
「佐久間!杏ちゃん!」
「どうした中島?」
「あのさ!今度の土曜日さ俺の誕生日パーティーするから是非来てよ!!旨いもんいっぱいあるから!」
実はこの中島健人という男
この辺りでは1.2を争う程の大企業中島コーポレーションの社長の息子なのだ。
お坊っちゃまだ。
「招待状はもう皆には渡しておいたから!はい、招待状!ドレスコードでお願いねー!」
これは、また面倒だな。
でも中島の誕生日だから行かないわけには行かない。
クラスのほぼ大半が参加するようだ。
そりゃこんな大金持ちのパーティーに行ける機会など滅多にある訳が無い。
「私も参加して健人に見て貰わなきゃ!」
杏は多分健人の事を好きである。
いや、むしろ玉の輿に乗りたいのか?
席に着くと地味子さんも招待状を貰っていたらしく招待状を見ながら溜息をついていた。
「湿川さんも行くの?」
「え…うん〜…どうしよう…絶対浮くし…」
「まぁそんな深く考え込まなくても大丈夫だよ!」
俺は家へ帰った後スーツを探していた。
「スーツなんて滅多に着る事ないからどこにしまったっけ。」
「何してんのあんた。」
「ちょっと中島の誕生日パーティー行かないといけなくてスーツ探してんだけど無くて…」
「中島?中島コーポレーション?それ私も行くよ。ゲストで!」
「まじ?」
桐ちゃんは中島コーポレーションから直々にオファーが来たらしい。
なにもやらかさなければ良いが…
「地味子さんも行こうか迷ってたよ。」
「マジ?知らない人ばっかだから連れて行こーっと!」
「無理矢理は辞めなよ!」
「へーへー。」
本当に分かってるのかこの人は。
スーツは無事見つかってクリーニングへと出した。
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誕生日パーティー当日。
「家デカっ!!城かよ!?」
「佐久間ー!よく来た!もうみんな集まってるよ!」
「お、おぉ!誕生日おめでと!」
中島はあいも変わらず元気だ。
こんな所は初めてだから少し緊張するな。
「えー。本日は健人坊っちゃまの誕生日パーティーへお越し頂いた皆様、誠にありがとうございます。カンパイ!」
「おめでとー!」
パーティーは時間通り行われた。
そこには見た事もないような料理が山ほどあった。セレブが来るようなパーティーだろこれ!
「すげー。めっちゃ旨い!」
「光!どう?このドレス!」
「似合ってる似合ってる。」
「あなたに聞いた私が馬鹿だったわ!」
「杏ちゃんそのドレス超綺麗だね!」
「健人ー誕生日おめでと!似合ってるでしょ?」
「似合い過ぎて鼻血出そう!」
「もー!やめてよー!」
なんだこいつら。もうデキてんのか?
「では、ここでスペシャルゲストの登場です!」
「何それ!俺聞いてないよー!」
桐ちゃんが登場し、パーティー会場には歓声があがった。
「はーい。どもども!ごほん。
中島のお坊っちゃま今日は誕生日おめでとうございます!そして、今日は楽しもうー!!」
「ありがとうーキリ子ちゃーん!」
中島は相当に楽しげだ。
ん?よく見ると後ろの方にオドオドしている地味子さんが居るぞ!?
いや、今日は派手子さんにがなっている!
「私の友達を紹介しまーす!ジミーちゃんです!」
「え!?ちょっと師匠!」
桐ちゃんに無理矢理ステージに立たされる派手子さん。ちゃんと髪もセットしてあり綺麗なドレスを着こなしていた。
「なんか言って!」
「え…えっと…健人さん誕生日おめでとうごごごございます!」
ファッションショーの謎の美女の再登場で場内はまた歓声が上がりかわいー綺麗ーなどの声が飛び交った。
「あの時の人!ありがとーう!」
もう中島は大喜びである。
「あの女!また現れやがったな!」
杏は般若の面みたいな顔になっている。
こわっ
それからパーティーは何事もなく進み
ビンゴ大会などで大盛り上がりだ。
「では、パーティーも終盤に差し掛かってきた所でここからは皆様お好みの方とダンスでもどうでしょうか。」
会場には音楽が流れ始め
主役の中島が動く。
「あの、ジミーさん。良かったら僕と踊って頂けますか?」
「え!?私?ダンスとかした事ない…」
そう言い俺に助けを求める顔をしてきた。
えー?!どうすんの!?
「な、中島?キリ子ちゃんがお前と踊りたいって言ってるぞ!」
「は!?あんた何を…」
「嘘!?マジ!?キリ子ちゃん踊ろう!」
中島が単純な奴で良かった…
中島と、桐ちゃんはフロアの真ん中へ移動し踊り始めた。
それはそれで少し面白い。
「佐久間くんごめんなさい…」
「あぁ良いよ良いよ!いつも桐ちゃんが迷惑掛けてんだし!」
「あんたジミーさんだっけ?ちょっと顔貸しなさい。」
おっとー。これはなんか雲行きが怪しいんだけど!?