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初詣は明けてすぐに行くに決まってる!

あれから穂希と泉2人とは会っていない。

そしてもう一年が終わろうとしている。

大晦日だ。


「はぁー。あと一時間で今年も終わるなぁ〜。最近、ジミーちゃんもイズミンも来ないしつまんなーい!あんたなんかしたの?」


「別に。まぁしてないっつったら嘘になるけど。」


「なになに??もしかして手出したの!?サイッテー!いくらお盛んな男子高校生って言ってもそりゃないわ!」


「手なんか出してねーよ。それ以前の問題だ。」


「言いなさいよ!そこまで言っておいて教えないとか許さないんだからね!」



俺は全て包み隠さず教えた。

若干引きながらもミカンを食べながら桐ちゃんは聞いていた。


「あれよね。弟の恋愛トークほどキモいものは無いわね!あははは!

で、それから2人に会ってないんだ。


まぁイズミンはちょっと会い辛いだろうね。今はソッとしとくのが良いかもね。あんたの事大好きだったもんあの子。


ジミーちゃんはどうすんのよ絶対誤解してるのは間違いないと思うわ。

いや、てか、そもそもジミーちゃんはあんたに告ろうとしたわけ??


あんたの勘違いパティーンもあるんじゃない?それはそれで逆にオモロイ!!」




確かに!俺の勘違いのパターンも無くは無い!

うわ、そうだとしたらめっちゃハズい!

中島と古谷に絶対バカにされるぞ!!


「あんたはジミーちゃん好きなの?」

「……好き……で…す…。」


「オェー!ゲロゲロー!好き…です。じゃねーわ!」


「じゃあ聞いてくんな!!!」


ゴーン ゴーン


「あ、明けた。よっしゃ!行くぞ弟!」


「は?どこに?」


「初詣に決まってんじゃない!神様に勘違いじゃありませんよーにって拝みなさいよ!」



「うっさいわ!!」



近くの神社へ初詣をしに行くといつもは何も無い神社なのに祭りとこの日だけは明るい。

出店も出ていて人も沢山だ。


「あー寒っ!どんだけ並んでんのよ!」

「自分が行こうって言うからだろ。」


「初詣は明けてすぐに行くって決まってるの!」


「あーそうですか。」



外はやはり寒い。

若干、雪もチラつき早く帰りたかった。


「動画の再生数がもっと増えますよーに!あと、テレビや雑誌にもっと出れますよーに!あとあと、素敵な王子様が現れますよーに!!」


そんな欲張るんじゃねーよ。

どれか一つにしろよ。

俺はそう思いながら横目で桐ちゃんを見ていた。


「それとそれと、イズミンにちょーイカした彼氏が出来ますよーに!

あ〜あと、ついでに光とジミーちゃんが上手くいきますよーに。」


「なんで俺の所だけ棒読みなんだよ。」

「お姉ちゃんが弟の為に拝んだだけありがたいと思いなさい!」



「どーも。」

俺も来たからにはちゃんと拝んでおく。

俺は桐ちゃんのように口に出したりはしない。

心の中でちゃんとお願いをするのだ。



神様!!どうか…どーか!俺の勘違いじゃありませんように!!

勘違いだったら俺はめちゃくちゃ恥ずかしいです!友達に絶対バカにされます!

出来れば穂希も俺の事を好きで居て下さい!!

お願いします!お願いします!お願いします!




「よし。」

「なんてお願いしたの?」


「家族や友達が今年も一年元気で病気や怪我をせずに居れますようにって。」

「普通〜。」



寒さに耐えきれ無くなった俺たちはすぐに帰宅しコタツに入りテレビを見ていた。


「このプロデューサーのおっさんっていっつも芸人に構われてるよな。

カメラの前に出なければ良いのに。」


「バカねあんた。この人が居るからこのつまらない芸人達がおもしろく見えるのよ。

この人は本当にすごいの。

テレビに一生懸命で人に気配り出来て全然偉そうにしない。そして優しいの!」


「なんかすげー知ってる風だね。」


「うっさい!ボケ!」


なぜか桐ちゃんは顔を真っ赤にしていた。

なんだこの人。




寝ようと部屋へ戻ったらメールが1通届いていた。

古谷からだ


【あけましておめでとう!今年もよろしくね!

冬休み中にみんなで集まろうって話になっているんだけど佐久間くんもどうかな?

泉ちゃんは親戚が来るから来れないみたいだけど、穂希さんは来れるみたいだよ!

また教えて下さい。】




どうしよー…。

ちょっと気まずいなぁ〜

でもなー。

あの事もいつかは話さないといけないしなぁ〜



「行きなさいよ」


「うわぁ!居たのかよ!!ノックくらいしろよ!」



「したわよ。全然反応しないからイタズラしてから寝ようかと思っただけよ。」



油断も隙もねーなこいつ。




俺は参加するとメールを返しておいた。




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