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意気地なしな光。

フィーリングパーティーは開始された。


まずは、男子からの自己紹介だ。

次々と自己紹介をしていく男子達。

中には笑いも取り俺は面白いんだぞアピールする者も居る。


「えー2年の佐久間光です。よろしくおねがいします。」

こういうのは苦手だ。

なぜ、公衆の面前で自分の事を言わないといけないのだ。

そういう企画なのだから仕方がないが



「佐久間ー面白い事言えー!」


やはりガヤは入る。


女子達の自己紹介も終わり司会が場を盛り上げていく

「好きな男性のタイプでも聞いていきましょうか!」


そんな事を聞いた所で大体みんな同じような事を言うだろう。

「私は佐久間くんみたいな人がタイプです!!」


泉の奴!!


「おっとー名指しで出ましたねー!これはポイント高いんじゃないでしょうか!?では、隣の方!」



「え、えっと…私は優しい人ですかね…?あと、女装の上手い人…。」


みんなは不思議そうな顔をした。

めっちゃ俺ですやん!いや古谷かもしれないな。




「そんな奴居るわけねーじゃん!地味子ちゃん!」

「そっか。中島くんは知らないのか」

「なにが??」

「いや、何でもない!」


男子達のアピールタイムになった。

それそれ特技やウケを狙い色々と披露していっている。


だが、俺には特技とかそういう類いのものは無い。

本当に無い。

「すみません。特に無いです。」


やっぱりガヤが入る

「なんかしろー!ノリわりーぞ!」

「女子もガッカリだぞー!」


あったらやってるっつーの!

うるせーやつらだ!



事は進み、少し休憩という名のフリータイムが始まった。


「ちょっとなんでひーくん居るの?」

「これはだな、無理矢理出されたんだ!出るはずの人間が来なかったんだよ。泉と穂希こそなんで出たんだ?」


「私は無理矢理友達が。」


「私は…なんか凄く頼み込まれて…仕方なく…」

「みんな似たり寄ったりの理由だな。」


「出たからにはちゃんと選んでよね!」

「いや〜…」

「待ってるからね!」

「は、はい。」



「…。」



ついに告白タイムの時間だ。

男子は気に入った女子の前へ行き告白をする。

オッケーが出れば手を繋いで退場



「君を一目見た時から僕は恋に落ちました!よろしくお願いします!」


「ごめんなさい。」


「ガビーン」

断られれば1人寂しく退場する事になる。


泉や穂希に向かう男子もチラホラ居るがあっさりと撃沈している。


俺の番が来た。


どうする。泉か穂希か…

俺はすぐに答えは出なかった。

「俺は棄権します。気に入った人はまだ見つかりませんでした。」





「バカ…。」

「…。」



クリスマスパーティーは無事閉幕した。



委員会は片付けで残る事になり俺はせっせと働いていた。

すると泉が寄ってきて「バカ、意気地なし…先帰るね。」と言い軽くパンチをされた。


確かに意気地なしかもしれない、あの場で選択は出来なかった。誰かを傷つけてしまいそうで…




片付けも割と早く済み疲れたのですぐに帰宅した。

家に着くなり

「あんたやらかしたみたいね?」


「は?」


「さっきイズミンから電話があって聞いた。あんたはバカだね〜!そんなんチャチャっと決めてしまえばイイのよ!場の空気も読めないなんてあんた本当に私の弟!?」


「ちょっとあそこでは選べなかった…」


「どうせ誰かを傷つける〜とか思ったんじゃないの?あんたは優し過ぎるのよ。

どれだけ頑張っても誰も傷つかない訳ないじゃない。

ジミーちゃんとイズミン2人で迷ってんでしょ?

まぁ精一杯の答えを出してあげるのがあんたの使命よ。

高校生なんだからがむしゃらで良いのよ。あんま大人ぶるんじゃないよ!」




何も言い返せなかった。

その時の桐ちゃんは妙に説得感があり珍しく優しい顔をしていた。


直ぐすぐには難しいがちゃんと考えて行動しよう。




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