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《番外編》キリ子ラブストーリー

私は佐久間桐子。

またの名をミーチューバーキリ子ちゃん。


MeTubeでメイクの動画を配信している。

今やその動画が話題となり雑誌やテレビやラジオメディアにも多々出演させて貰えている


自分で言うのもあれなんだけど、超売れっ子です!

お陰様で稼がせて貰ってます!



今回は私の話である。

あいつらばかり目立って最近私の存在が薄い!


光とジミーちゃんとイズミンはなんか恋愛事で色々あるっぽいし。

私だって色恋の一つや二つある。

私も王子様に会いたい!




「今回は私の恋の物語だ!」



2回目のファッションショーの少し前の話になる。


私はその日、雑誌の取材にテレビの収録があった。


雑誌の取材なんかはちょこちょこっと写真撮ったりよくあるインタビューをまぁ適当に答えるだけだ。


テレビはやっぱり映像という事もあり、なかなか難しい。

リアクションやらなんやら、私は芸人じゃねーし。


少し収録中にミスをしてしまった。

落ち込んでいた私にプロデューサーらしき人が優しく声を掛けてくれた。


「キリ子ちゃん落ち込んでる?大丈夫だよ失敗の一つや二つ誰でもあるよ!

キリ子ちゃんも動画沢山配信しているけど最初からあんなに上手だった訳じゃないでしょ?

テレビも慣れな所はあるからね!大丈夫!」


「はい…ありがとうございます!」



この人は高田さんと言う人だ。

顔は無精ヒゲで丸い眼鏡を掛けている子デブな優しい顔をしているオジサン。でも少し渋くって少しダンディな高田さん。




たまに相談とか色々話をさせてもらったりと気にかけてもらってた。


私はそんな優しい高田さんに段々と惹かれていった



「高田さん。良かったら食事でも行きませんか?いつもお世話になっているので私今日は奢ります!」


「キリ子ちゃん、良いのー?おじさんはキリ子ちゃんみたいに給料多くないからなーお言葉に甘えちゃおーかな!」


「私もそんな貰ってないですよー!いつものお礼って事で!」




そして、焼肉を食べに行く事に。

割と有名なお店で値段もそこそこ張る所だ。


「おいしー!やっぱりこう言う所に来る機会って多いんですか??」


「まぁ仕事でね〜。付き合いが大半なんだけどね!

キリ子ちゃん仕事頑張ってるよね!若い子が頑張ってる姿って良いよね。」



「今出来る事をやっておかないと先が恐いですからね!」




私はその日高田さんと一緒に居れてつい飲み過ぎてしまった。

そこまでお酒は強くないのだけれどやっぱり相手は大人だし、対等で居たいと思っていた。


しかも高田さんは会計まで済ませてくれていた

女の子に奢ってもらうほど困ってないよと言ってくれた

もう、かっこいい…


「飲み過ぎだよ!キリ子ちゃん。」


「高田さん…あの…今日は帰りたくありません。もっと一緒に居たいです!」


私は酔ってる事もあり少し大胆になっている。



「ダメダメ!女の子に恥をかかせるんですか?とか言ってもダメだよ?

まだ若いんだから、もっと若い子と楽しまなくちゃ!」


軽くお断りされているのは分かった。


そして家の近くまでタクシーでわざわざ送ってくれた。


「ありがとうございました!」

「うん!また飲み行こうね!」

「是非!」





それからと言うもの、私は高田さんの事が頭から離れないでいた。

時にはジミーちゃんの顔を高田さん風に仕上げて叫ばれたり。


もう重症だ。



高田さん今頃何をしているんだろう


ちゃんとご飯食べてるかな


またお付き合いで飲みに行ってるのかな


仕事終わったかな疲れてないかな


高田さんに会いたいな…




私は無意識に電話をかけていた。



「キリ子ちゃん?どうしたの?」


「会いたいです…」


少し沈黙があった


「わかった、じゃあドライブでもしようか!」



高田さんは家まで迎えに来てくれた。

高級そうな車で夜道を走り、おススメの夜景スポットまで運転してくれていた。


「ここ久しぶりだけどやっぱり綺麗だなー!」


「本当に綺麗です!」


「キリ子ちゃん何か悩みでもあるのか?」


私は正直もう自分の気持ちを抑えられないでいた

今日ここを逃したらもう会えないようなそんな気がしていた…



「高田さん…私…高田さんの事が好きなんです!大好きです…。」


「え?キリ子ちゃん?」


「ごめんなさい…急に困らせるような事…」


「ありがとう!でも、そういう関係にはなれないかな。

僕があと20歳若ければ喜んでキリ子ちゃんを彼女にしたかもしれない。

この業界も色々とあるしね。

それに僕はもう結婚しているから妻や子供達を裏切れない。ごめんね?でも嬉しかったよこんなおじさんに!」



「良いんです。分かってましたから…私の気持ちが伝えられただけでも…」


私は柄にも無く大泣きをしてしまった。

高田さんは優しく頭を撫でてくれ私の短い恋は終わった。



「高田さん、今後も御指導御鞭撻のほどよろしくおねがいします!」


「うん!ビシビシ行くからね!じゃあ帰ろっか。」




もう夜は明け空ば少しずつ明るくなり始めていた。

私は家から少し離れた場所で降ろしてもらった。


「キリ子ちゃん気を付けてね。また仕事で会ったら頼むよ!」

「こちらこそよろしくおねがいします!ドライブ楽しかったです!」


固い握手を交わし、高田さんは行ってしまった。






「はぁーぁ。フラれちゃった。桐ちゃん超ツラたん。

指輪嵌めとけよなー結婚してるの知らなかったし

!バーカ…。

ありがとうございました…」


私は割とスッキリしていた。


「今日、光達がなんか楽しそーな事するっぽかったよね?私も行こーっと!!」





この恋は叶わなかったけれど

きっといつか私にも素敵な王子様が現れてくれる





「これは私のちょっと切なかった恋の物語だ」





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