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ミーチューバーのキリ子ちゃんですっ!

翌朝、早速地味子さんにお礼を言いに行った。


「湿川さん、昨日生徒手帳届けてくれたみたいでありがとう!」


「え、はい。でもなんで私って分かりましたか?名乗る事忘れていて…」


ぬ!?す、鋭い!!

「あー姉さんがなんかおさげの大きめな眼鏡掛けた子が届けてくれたって教えてくれて。

湿川さんかなって…」


「そうですか。部活の帰りでしたので。」

「ごめんね!助かったよ!」



なんとか切り抜けたー。

俺と地味子さんが喋っている所を見かけた杏が寄ってきた。

「光ー。あんたって地味子さんと仲良いの?」

「別に。昨日生徒手帳届けてくれてお礼言ってただけだよ!」


「なーんだ。てっきりあんたオカルトチックな子が好みなのかと思った!」


杏とは小中も学校が一緒だったので馴れ馴れしい。

そして、性格はあまり良くない。

皆こいつの見た目に騙されては駄目だぞ。



「おーい、皆席に着けー。」


先生が来てHRが始まった。


「今日はなー文化祭の話だ!」

クラスのテンションは一気に上昇した。

「先生何するんですか?」


「毎年、俺が担任になったクラスはファッションショーをするのが恒例になっている!」


「まぢ楽しそー!」

「テンション上がるね!」


女子は更にテンションが右肩上がりだ。

杏を見るとやけに気合いが入っているようだ。


私が全てかっさらってあげるわ。と言わんばかりに。



「日数も少ないし女子は衣装作り、男子は衣装手伝いつつのセット作りだぞー!明日から取り掛かるように。

ちなみに女子は全員モデルしてもらうからな!

休んだりしたら内申点めちゃくちゃにするからなー」


先生あんたがめちゃくちゃだよ。


明日から準備に取り掛かるという事なので俺は真っ直ぐ帰宅する事にした。



「光ーアイス買ってきてー。あんたのも買って良いから。」

「桐ちゃん自分で行けよ!」

「行け」


姉という立場を最大限にフル活用する性格はどうにかならんものか。


コンビニでアイスを買い俺は近道をして帰ることに。

「この神社通って帰ると近いんだよなぁ」


すると何やら物音が聞こえてくる。


ネコか!?ネコなのかーい?

俺は無類の猫好きなのである。


「どこだーここか!」


「きゃっ!」


「う、うわぁーー!!!え、地味…湿川さん??」


そこには猫ではなく地味子さんが居た。

しかも泣いている。


「どっどうしたのこんな所で?」

「ごめんなさい…。」


地味子さんは泣き止んでから話てくれた。

俺が帰った後、女子は全員が残り衣装のデザインを考える事になったらしい。



美術部の地味子さんは絵が上手いからデザインを描いてみてと言われ数枚描いてみたら思いのほか評判が良く内心ホッとしていた。



だがある女子に地味子さんみたいなのが出たら良い物も良くなくなると言われ。

結局、デザインと衣装作りだけになったと。



「出たくなかったから別に良かったんですけど…なんか悔しくて…後、内申点にも響くし…」


あー絶対杏だわ。そんな事言えるのあいつくらいしか思い浮かばね。


「でも私なんかが出てしまえば雰囲気壊れてしまうのはホントで…」


「いや、ダメだ。出よう!そんな事言った奴見返してやろうぜ!悔しいんだろ!?」



「でも…」


「こういう事にはすげー長けてる奴知ってっから任せて!」


そして地味子さんを連れて家へ帰った。

少し部屋で待ってもらっている間に桐ちゃんに説明した。

早々にやる気MAXまで高ぶった。


クックック単純な奴だぜ!

早速桐ちゃんは俺の部屋へ入った。

「うわっ暗っ!!」


「ごめんなさい!お邪魔してます…。」

「あなた本気で地味ね〜」


「は、はい…あの違ってたら申し訳ないのですがMeTubeの…」


「あ!気づいた?そうです私がミーチューバーのキリ子ちゃんですっ!!」


「俺の姉ちゃんなんだ。」


「えー!?」


驚くのも仕方がないだろう。日本中いや世界にまで配信され超のつく有名人なのだから。


「ジミーちゃん。今日から私を師匠と呼びなさいね。そして、あなたはパリコレを目指すの!!」


「そんな大規模な事じゃねーよ」


「まずは姿勢、歩き方ね。後は自信を付けてもらう!明日から特訓よ!」


「はい!し、師匠!」


「よろしっ!」


これは逃げられないと悟ったか地味子さん。

地味子さんの厳しい特訓は明日から始まる。

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