俺を女にしてくれ！！
翌日、穂希は学校を休んだ。
調子悪いのか？
それとも俺のせい？
「穂希が休みとか珍しいわね。光何か聞いてないの？」
「うん、分からん。なんか昨日から様子おかしかったしなー。」
「どういう事？」
「なんか俺めちゃくちゃ避けられてんだよ〜。」
「なんか気に触る事したんじゃない？謝っときなさいよ！」
それが分かってたら苦労しないぞ。
一応メールは入れておこう。
「穂希さん休みみたいだね佐久間くん。」
「みたいだな。」
「僕がお見舞いに行ってこようかな？」
「やめろやめろ！風邪だったら移るかもしれないし転校早々病気になったらシャレにならん！」
「そっか、ありがとう！でも心配だなぁ。」
「俺が行ってくるから。」
「じゃあ任せたよ！」
お前に任せられたくねーよ！
言われなくても行くつもりだったんだ！
俺は帰ってから桐ちゃんに頼みごとをした。
「桐ちゃん。俺を女にしてくれ！」
「はぁ！？キモっ！キモキモ！！何あんた目覚めたわけ？気色悪っ。
男にしてくれ！っていうならまだ分からなくもないけど、女にしてくれ！ってよくもまぁー堂々と言えたものね！」
「穂希の所行ってくるから。前に女装した俺は喋りやすいって言ってたから…」
「まぁいいけど、ちゃんと解決してきなさいよ。なんか昨日すごい悲しそうな顔してたし。」
「よし！完成ー！今日は石原さとえちゃん風でーす！」
「サンキュー！」
「もっとちゃんと見なさいよね。」
俺は完璧に女装し穂希の家へ向かった。
ピンポーン
「はい。」
「穂希さんの友達でお見舞いに来たのですが…」
「あら、ありがとね〜穂希に友達とか珍しいわぁー。どーぞどーぞ。部屋は二階に上がってすぐだから。ごゆっくり〜」
部屋をノックした。
「はい」
「入るよ。」
穂希の部屋は意外と女の子っぽい部屋だった
「え！？光…くんだよね！？」
「そうだよ。」
「なんで来たの？」
「今日仮病だろ？お見舞いに来た。」
「女装して？」
「前に言ってただろ。女装してると喋りやすいって。」
「ぷっ」
「な、なにがおかしい！」
「あははは。やっぱり光くんは優しい。」
「恥ずかしいんだから笑うな。
それとなんか昨日から様子変だったし、俺なにしたか全然分からなくて…」
「ごめんなさい…全部自分のせい。」
穂希は泣きだしてしまった。
昨日の事は泉との関係を知って、なぜか腹が立ったとか無視してたら話すタイミング無くして桐ちゃんと居れば話せれるかと思ってたらまた泉が来てどうして良いか分からなくなってたみたいだ。
「なんでかな…光くんに女の子居ても不思議じゃないのに、凄く嫌で…」
「まぁ確かに泉は前に付き合っていた。けど、今は何もないぞ。」
「元カノなんだよね…凄くお似合いだったし、凄いくっついてたから、やっぱりまだ好きだよね。」
「正直、あっちはまだ好きって言ってくれている。でも…俺は分からなくて。」
「キス…とかってしたんですか…？してますよね…」
「穂希、悪いんだが俺のファーストキスを奪ったのはお前だ。」
「え！？」
「やっぱ覚えてねーか。旅行のとき王様ゲームで…」
「ごめんなさい…覚えています…。」
そう言い思い出したのか顔を真っ赤にしていた。
「俺と泉は付き合ってはいたんだがそういうカップルっぽい事ってしたことないんだわ。」
「率直に聞くが穂希、俺の事好きなのか…？」
「え………その。」
「ごめん、変な事聞いた。とりあえず俺と泉は今は何も無いから気にしないでくれ！その…無視とかやめてくれよ…。」
「ごめんなさい。子供みたいですよね。私馬鹿みたい！光くん仲直りしましょう。」
そして握手をして俺は家を出た。
少し歩いた頃
後ろから穂希がやってきて後ろから抱きつかれた。
「光くん、私頑張りますから…！自信がもてたら…」
「うん。」
きっと穂希も俺の事を好きでいてくれている。
こういう事も初めての事なのかもしれない
人を好きになるって難しい。いや、人を好きになるのは簡単なのかもしれない。
それをどうしたいかが難しいのかもしれない。
答えは俺ももう本当は出ているんだ。
