プチ旅行2日目!中島物語。
クラスのみんなが雨の中探しに来てくれていた。
安堵から俺は急に足が痛みはじめた。
「佐久間ー!なんでそんな所に!」
「滑って落ちたんだ。湿川さん熱が出てて大変なんだ!」
中島は別荘へ登れる物を探しに戻った。
「光あんたは大丈夫なわけ?」
「少し足を怪我したけど大丈夫だ!桐ちゃん何か着れる服無いか?」
「私のこの上着で良ければあるけどあんたには小さいでしょ!」
「いや、俺じゃなくて!服が濡れたから湿川さん熱もあるし脱いでんだよ!」
「はぁ!?2人して裸な訳!?ケダモノ!私のジミーちゃんにイタズラしたんでしょあんた!!」
「違うわ!バカ!」
桐ちゃんはとりあえず上着を投げてくれた。
地味子さんに上着を着せたが地味子さんはグッタリとし、とても辛そうだ。
間も無くして、中島がハシゴを持ってきてくれ別荘へ無事に戻る事が出来た。
杏と桐ちゃんは地味子さんを風呂に入れすぐに寝かせていた
俺は中島に消毒を塗って貰っている。
「大した事無くて良かったよマジで!」
「いった!…ホント悪い。」
「地味子ちゃんも1日寝れば楽になるよ!」
「この数ヶ月色々な事がいっぺんに起きたからなー疲れが溜まってたのかもな。」
「佐久間って地味子ちゃんの事好きでしょ?」
「は??」
俺は特に何も言い返せなかった。
好きか嫌いかで言えば好きなんだろう
意識する事はあるが、それがそうなのか分からない。
「まぁ明日の夜が旅行の最後だし!最後はみんなで花火するからな!」
「おう。」
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俺は中島健人。
中島コーポレーションの社長の息子。
おぼっちゃまだ。
今はクラスの仲間達とうちの別荘へ旅行に来ている真っ最中です。
酔っ払ったり
肝試ししたり
行方不明者を探したり
なにかと充実してる。
ホントに佐久間と地味子ちゃんには困ったもんだ!
なんかあったら楽しい旅行が台無しになるじゃんよ!
最終日の今日は昼間からみんなでBBQをしているよ。
「はい、杏ちゃん!」
「ありがと健人!おいしー!」
杏ちゃんの喜ぶ顔は癒される。
そう、俺は杏ちゃんの事が好きだ!
入学式で見てから俺の一目惚れだった。
佐久間とは高校で仲良くなり杏ちゃんは佐久間と中学が一緒だっただけに喋る機会も沢山増えた。
佐久間との出会いはラッキーだった!
今日、俺は杏ちゃんに告白しようと決めている。
あーでも緊張するなー!
王様ゲームも心臓バクバクだったし!
なんて言えば良いのだろう
もしフラれたらもう遊べないのかなぁ。
考えても仕方ないか!なるようになるよね!
時間はすぐに経つ。
楽しいと尚更時間が早く感じる。
花火の準備はオッケーだ!
「みんなー花火始めるよー!」
みんな走ったり打ち上げたり楽しそうだ。
おや?地味子ちゃんもう大丈夫なのか?
佐久間と線香花火とか雰囲気良いじゃん!何話してんだろ?
絶対あの2人好き同士だと思うんだけどなー。
お似合いだし。
よーし!俺も頑張ろう!
「杏ちゃん!」
「健人!花火ちょー綺麗だよ!」
「そうだねー!みんなも楽しそうだしこの旅行は大成功だな!」
「ありがとね健人。」
「杏ちゃん、ちょっとイイかな?」
俺は杏ちゃんを連れて海の近くの大きな岩がある所へ連れて行った。
「まだ目開けたらダメだよ!」
「何何ー??」
「イイよ!」
「わぁーすごい!」
俺だけが知っている穴場だ。
一面の星空が独り占め出来る贅沢な場所。
「ここの別荘来た時は絶対にここに来るんだ!」
「うん、すごい綺麗!なんか心が洗われる感じがする!」
「でしょ?…………あのさ杏ちゃん話があるんだよね。」
「なーに?」
俺は深く深呼吸を繰り返した。
「俺…ずっと杏ちゃんの事が好きでした!」
「え…!?」
「杏ちゃんキツイときもあるけど笑顔可愛いし優しいときはとことん優しいし、俺は入学式の時に君を見てからずっと恋してました。」
「健人…あの…あのね…?」
あーこれはフラれるパティーンだ。
終わった。
俺の2年間の恋もここで終了です…。
「私はあの誕生日パーティーの時、穂希に凄く酷い事をしてしまったの。
あの時、健人は私を誘ってくれなくて悲しくて健人は振り向いてくれないんだって。
それで穂希に八つ当たりしちゃったの…
そんな嫌な奴なんだよ私は!そんなのでも良いの!?」
これって…
「良いに決まってるじゃん!それは俺を思ってくれてたって事でしょ?
八つ当たりした事は良くないけど、そんなに思ってくれてる人嫌な訳ないじゃん!」
「私、ワガママだよ…?口悪いよ…?すぐ怒るよ…?自己中だよ…?」
「ずっと見てきたんだから知ってるよ。全部引っくるめて大好きだよ。」
「ありがとう…私もずっと大好きだったよ…」
「俺の彼女になってください!」
「うん…!」
この時の杏ちゃんの笑顔は今までで1番の笑顔だった。
俺は緊張感が解けその場に座り込んだ。
「やったー!本当緊張した。良かったー!」
「健人、キスして…。」
俺は杏ちゃんにキスをして強く抱きしめた。
ラストの特大花火が空高く昇り花が咲いた。