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夏。旅行計画始まる。

暑い。

暑い過ぎる。


季節はもう夏だ。

照りつける太陽が俺は憎い!!


あの事件以来、杏と地味子さんはよく喋ってる事が多くなった。

喧嘩すると仲良くなるって言うが本当なんだな。


地味子さんは結局化粧はそれっきりして来ない。

いつもの地味な子に戻った

やっぱり落ちつかないらしい


その方が良い。派手子さん状態だと授業中でもクラスの男子はほぼ全員が地味子さんを見ているからだ。俺は隣の席だけあって相当にやりづらい。




「佐久間ー地味子さん!あのねーもうすぐ夏休みじゃん!良かったら皆も来るから君達もうちの別荘に行かない?」


さすがお金持ち。

一般市民には決して出てこないワードだ。

海行かない?程度だ。



「みんなって?」

「クラス全員だけど?」


規模がデカい!

みんなって言っても普通は5.6人程度だぞ!


「地味子さん来る?」


「え…私行ったら雰囲気悪くなりませんか…?」

「化粧してきなよ!花が増えてこちらは大喜びだよー!」


こいつはサラッと酷い事言う。

でも許せてしまうんだよな。


「じゃあ…佐久間くん行くなら…」

「地味子さんって佐久間の事好きなの?」


は!?お前は急に何言ってんですか!?

「いいい、いや!そそそう言う意味では無くてですね!あのそのあのそのー」


「地味子さんきゃわいいー!顔真っ赤にしちゃって!まぁいいやじゃあどうせ佐久間は来るから皆参加ね!!プチ修学旅行だー!」


勝手に決めんなよ。まぁどうせ俺には行かないと言う選択肢は用意されていないのだけど

それに修学しねーだろ。ただのプチ旅行だ。






家へ帰ると地味子さんが来ていた。

「また練習台にされてんの?」

「はい。私師匠に必要とされているんです…!」


地味子さん騙されているよ。

利用されているよ。

そう、最近の練習台は地味子さんだ。そのおかげで俺は平和な日常を過ごせている。


桐ちゃんは1回無理矢理地味子さんを動画でゲスト出演させた際に再生回数がいつもの倍以上に膨れ上がりその味を占めてまた地味子さんを出そうと企んでいるのだ。




「あんた帰ってたの?ジミーちゃんもうすぐ完成だからねー!」

「はーい…!」




「よし!今日はアレノガレ明美ちゃん風ー!」


「うお!似ている!と言うか本人を超えている!」


「そーなのよねー。ジミーちゃんでソックリメイクすると半数以上リアルを超えちゃうのよね。やっぱり光が1番やりやすいか…」


「私必要じゃないですか…?」


その顔でしょぼくれないでくれ派手子さん。抱きしめてあげたくなっちゃうよ!




「ジミーちゃんはジミーちゃんで楽しいから良いの!あ、旅行行くんだってね光。私も行くから!」


「は?なんで?」

「ジミーちゃんの保護者としてねっ!こんな可愛い子をそんなケダモノばかりが居るとこなんかに1人で行かせられないわ!!

だからもう中島コーポレーションには私からアポ取っておいたから。

未成年だけでそんな事させてはいけないから保護者として参道させてもらうって言ったらあっさりOKだったわ!むしろ感謝された感じよ。」



この人絶対暇だったからだよー

この桐子という人間は一応二十歳は過ぎている。職業がミーチューバーなだけあって時間は取ろうと思えばいくらでも取れる。


「師匠居てくれたら心強いです…!」

あー、もう信者だわ。絶対この人信者。洗脳されている


「そうでしょー?別荘か…楽しみだったら楽しみだー!」

本音言ってますやん。





夏休みも始まり旅行の日を迎える。

この旅行で大事件が起ころうとは今はまだ誰も知らない。


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