家畜には人権はない
まず始めに書いておきたいのは、この国の未来には何の希望もないということだ。実際どうでもいい。漂う閉塞感については語り尽くされているから、もういいだろう。その元凶についてこれから書こうと思う。
私は十代の読者を対象にしている。そしてこの文章は、「週刊アカシックレコード」というサイトが有料化してしまったから書かれることになった。「週刊アカシックレコード」は素晴らしいサイトなのだが、有料化に加えて、非常に重要な初期のリンク先がなくなってしまっている。サイトの運営者にも収入は必要だろうから、有料化するのはやむを得ない。しかし、かつて2ちゃんねるの国際情勢板にあった、アカシックレコードのスレッドもなくなり、十代の読者が無料で有益な情報を得る方法はなくなってしまった。
ショック・ドクトリンという言葉がある。国際政治上ほとんど常識といえるキーワードである。世界のトップエリートたちが、今考えていることは、次のショック・ドクトリン発動はいつかということだ。あるいは、いつ次のショック・ドクトリンを「起こすか」ということだ。手法自体は使い古されたもので、ある勢力の百年以上前からの常套手段なのだが、数年前に刊行された書籍によって一般にも知られるようになった。セオリー通りなら、次はオリンピック・イヤーのオクトーバー・サプライズなのだが、前回の発動であるリーマン・ショックは九月であり、多少の前後がある。いつも決まったタイミングならサプライズでも何でもないので、新しい手法が「開発」されるはずだ。世界中の天才たちが計画を練っているのだから。
上記の書籍とはナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」だが、読むまで待てない、という読者もいるだろう。YouTubeからNaomi Kleinで検索すれば、多くの動画がヒットする。「ショック・ドクトリン」のドキュメンタリーや、著者本人のインタビューも見ることができる。今すぐ知りたい、という方は検索してみるといいだろう。
ショック・ドクトリンという例を挙げたが、こうしたキーワードから世界情勢を読み解くことは、実生活と直結している。次の不況がいつかをだいたい予測できれば人生設計もやりやすい。だが、こうした分析が可能になるには、新聞やニュースを何年も収集・分析しなければならない。今の高校生にそんな時間はないだろう。そして大学四年間で学ぶことは多すぎて、(あるいはバーンアウトして遊ぶのに忙しくて)やはり無理だ。結局こうした知識は「誰か」から教えてもらうしかなく、旧帝大出身者のごく一部が知っているだけ、ということになる。これがかつて世界一の経済大国といわれた日本の実態だ。先進国の中でも豊かだといわれている日本ですら、アメリカでは常識となっていることをほとんどの国民が知らされていない。これでは這い上がるチャンスなど限りなくゼロだ。経済的に恵まれた一部の家庭の、さらに一部が享受できる豊かさなど何の意味もない。これが今の学生たちが強いられているゲームだ。無理ゲーとしか言いようがない。
「週刊アカシックレコード」はこうした知識の基礎を与えてくれる貴重な情報源だったが、今では入手不可能だ。検索すればわずか数クリックでたどり着けるというのに、その手段がない。
だから書くことにした。私は旧帝大出身者ではないし、経済的エスタブリッシュメントでもない。始めに書いたようにどうでもよかったのだが、あまりに不憫なので僭越ではあるが書くことにする。自分の作品中で「知識は力であり、全てのメンバーで共有されるべき」と書いてしまった手前、書かざるを得なくなったのも理由の一つだ。思い切り上から目線になるが許して欲しい。多少の不快感を我慢するだけの価値がある情報を提供する。
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ブレイディ法という法律をご存じだろうか。1981年、ジェイムズ・ブレイディホワイトハウス報道官は、ロナルド・レーガン大統領暗殺未遂事件で頭部に銃弾を受けた。左半身不随となり、車椅子生活を余儀なくされた。ブレイディ法は彼の活動がきっかけで制定された銃規制法案である。注目したいのは、レーガン大統領自身も銃弾摘出手術を受けていて、ブレイディ報道官に至っては死んでいても全く不思議はなかったという点だ。
「テカムセの呪い」という言葉がある。二十年ごとに大統領に災難が訪れるという都市伝説だ。検索してみてほしい。実際アメリカの大統領は四人が暗殺され、暗殺の疑いのある病死を含めると七人が死亡している。この呪いについては、ネイティブ・アメリカンに触れるのに遠慮してかあまり報道されない。確かに呪いについては一定の効力があるようにも思える。それにしても死にすぎではないか? アメリカ大統領といえば、アメリカ軍を指揮する世界最高の権力者というということになっている。狙われても仕方ないのかもしれない。しかし彼らのほとんどは、いわゆるWASPのエスタブリッシュメントである。資産があり、暗殺のリスクにさらされる立場にないはずの、守られた人種であるはずだ。だがテロリズムという言葉が生まれる遙か以前から、大統領は常に命を狙われている。なぜだろうか?
エマ・ゴンザレスというアメリカの女子高生がいる。ニュースで有名になった、あの感動的なスピーチを見た方もいるだろう。今もYouTubeで見ることができる。なぜアメリカでは、これほど銃撃事件が多いのだろうか? しかも悲惨な事件は、高校や大学で起こると決まっている。彼女については、いろいろとフェイク・ニュースが流れている。いわゆる陰謀論である。検索すれば日本では流れない、驚くような記事が書かれている。銃規制についてはアメリカを二分する激しい議論が交わされている。
これらの事実を合理的に解釈し、説明するためには次のように考えるしかない。
「アメリカ国内には、銃規制を巡って対立する勢力があり、それは高校生が何人死のうとも、和解することのない対立である」という結論だ。
全米ライフル協会(NRA)についても触れておこう。あまりに有名な銃規制反対の圧力団体である。NRA幹部の動画がYouTubeにある。是非見てみてほしい。スピーチは平易な英語で話しているので、和訳はほとんど必要ない。そして、なぜアメリカ合衆国憲法修正二条(武装権)を死守しようとする勢力と、何としても破壊したい勢力がいるのか、考えてみてほしい。「死んだ高校生がかわいそうだから銃はなくすべき」などという、小学生のような幼稚な議論をするつもりはない。アメリカ建国の歴史を無視した、あまりに素朴な議論は不毛でしかない。
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これから書くのは陰謀論と呼ばれる分野である。ハードSFを書く者として、論拠に乏しい都市伝説まがいのことを書くのは避けたいところだ。しかし、アカデミズムは一切無視という態度であり、他に頼るべき情報源がないので仕方ない。
まず第一に挙げなければならない本は、広瀬隆氏の「赤い楯」である。今のところ日本で読める一番権威のある書物ということになる。是非手に取ることをお薦めする。ネットにあふれている、ソースの不明な情報とは一線を画する内容に圧倒されるだろう。できれば系図のソースとなる人名録を全て列記してほしいところだが、それでも十分すぎる情報量だ。
「赤い楯」が入り口である。しかし、次に続く本がない。当然といえば当然で、そんな根拠がある事実なら陰謀論にならない。根拠がないから都市伝説といわれるのだ。
次に挙げるとしたらユースタス・マリンズの「世界権力構造の秘密(上・下)」あたりか。ここから一気に情報の確度が落ちる。巻末には、出典は書かれていない。原書にはあるのかもしれないが確認していない。これでは読者が内容に疑問を持っても確認のしようがない。しかし重要なのは、著者が外国人だということだ。つまり欧米には、こういうことを考えている人間が一定数存在する、という事実が重要である。
本を読めばある程度のキーワードを知ることができるだろう。調べてみてほしい。
守られたぬるま湯の中で生きたい気持ちもわかる。しかしそれは、家畜のような生き方だ。家畜には人権などない。何かが起こったとき、優先されるのは人間で、家畜は当然後回しだ。優しく扱われているのは、平和で余力があるときだけだ。余裕がなくなったとき、人間扱いされる保証などない。所詮、家畜は人間ではなく動物なのだから。
動物は考えない。人間なら考えることができるはずだ。だから全てを書くことはしない。この文章を読んだ今この瞬間から、あなたは選択を迫られる。つまり、自分がどの種として生きるかだ。人間として生きるか、動物として生きるか。よく考えてみてほしい。
ある程度の知識が得られたときのために、さらに進んだ段階の本を挙げておこう。アーサー・ケストラーの「ユダヤ人とは誰か――第十三支族・カザール王国の謎」だ。警告しておくが、いきなりこの本を読んでも理解するのはかなりハードルが高い。世界史の知識と、キリスト教の知識が土台としてないと、いきなりは無理だろう。学術書のようなレベルである。よくある陰謀論の本だと考えないほうがよい。
このレベルにまで知識が増えればもう十分だろう。後は必要な知識は全てネット上にある。もちろん英語の情報だ。しかし、何をキーワードに検索すればよいかは分かっているはずだ。断っておくが、今まで書いてきたことは、アメリカ人なら子供でも知っている知識である。知り合いに外国人がいるなら、聞いてみるといい。ただし答えてくれるかどうかは分からない。アフリカ系アメリカ人に聞くのはやめたほうがいい。おそらく、二度と口をきいてくれなくなる。もしアメリカ国内で聞いたとしたら、命の保証はできない。センシティブな話題だから。
日本人の留学生は、アメリカ人なら子供でも知っている知識すら知らずに留学する。海を渡れば、英語と授業のハードな勉強をしなくてはならない。しかし、生活の土台となる部分が欠けた上に知識をくっつけたところで、ガタガタの不安定な建物しかできない。
そんな状態で、海外で活躍できる人材たれとは、何の冗談だろう。
結局、いつか地雷を踏む羽目になるのだ。
もう一冊、重要な本を挙げておこう。宋鴻兵の「ロスチャイルド、通貨強奪の歴史とそのシナリオ―影の支配者たちがアジアを狙う」である。著者は中国人だが、なぜか英語版が出ていない。日中韓とフランス語版しかない。その理由も考えてみてほしい。
もう一度書いておく。必要な情報は全てネット上にある。あるいは既刊の書物にある。欠けたピースを補っていくだけだ。
さらに書き加えると、私は書物の内容が全て正しいとは書いていない。「赤い楯」の内容はかなりの部分が正しくない。系図が間違っているといっているのではない。状況は常に変化している。三十年もたてば、情報が古くなるのは当然だ。自分で確かめるしかない。
日本の状況についても書いておく。
2017年8月、北朝鮮はミサイルを発射した。安倍総理は北のミサイル発射を事前に知っていたのに、国民には知らせなかったという事実がある。
実際日経新聞で「首相の公邸宿泊、発射前日だけ」という記事も書かれている。
さらに8月30日に開かれた衆議院安全保障委員会において、民進党の後藤祐一議員は「安倍総理は北朝鮮がミサイルを打つ前から分かっていた、バレバレじゃないですか」と発言している。はっきり言えばこれは陰謀論そのもので、北朝鮮と安倍総理に何らかのつながりがあるなど、何の根拠もない。発射情報を知っていたのは事実だろうが、公表しなかったのはおそらく米軍情報だったからで、公表できない理由があったからだ。しかし、そうであるにもかかわらず、北朝鮮のミサイル発射は結果的に安倍政権に加勢する効果があり、後の衆院選での勝利につながったのもまた事実なのだ。最近の北朝鮮は実にタイミングよく安倍政権を助けている。(金正日は日本人であるという説がある。もし真実なら全てが符号する。ただしこの説は佐藤守氏の著作しか資料がない。それでは全く根拠がないかというと、そうでもない。ベトコンには北朝鮮軍と残留日本兵が参加していた事実があるからだ。この説が正しいとすれば、近現代史の教科書は全て書き換ることになる。)
ちなみにオバマ大統領とトランプ大統領では、安倍総理との接し方に明らかな差異がある。興味があれば、オバマ大統領が広島訪問したときの新聞記事を調べればいろいろ見えてくるだろう。
先に書いた対立構造は日本にも当てはまる。しかし勢力図はかなり流動的なので各自分析してもらいたい。有馬哲夫著『日本テレビとCIA 発掘された「正力ファイル」』や百田尚樹著「海賊とよばれた男」などが参考になるだろう。
自分で確かめるしかないと書いたが、もう少しヒントを出してもいいのかもしれない。最後まで読んでくれた読者のために、一つキーワードを挙げておこう。それは「アラブ・ボイコット・リスト」である。
書きたいことはだいたい書いたので筆を置くことにする。次に書く内容は、「Windows10をやめてLinuxを使おう」に決めている。Windows10のアップデートでひどい目にあった方は読んでみてほしい。