コミカライズ配信記念後日談:偉大なるエルル村村長は、ガイア王国で暴れたい!1
お久しぶりです!突然の後日談の配信。理由は分かりますね……?
なんと!魔王軍四天王の最弱令嬢は自由に生きたい!が、COMICスピア(Renta!)さんにて配信開始いたしました!漫画は、acca先生が可愛く面白く描いてくださってます!もう最高です!
あの可愛良すぎるエルルちゃまが、キュートな漫画になって大暴れいたします!涙
もう本当に感慨深くて深くて…私、この話大好きなんですよ。だってエルル可愛いのだもの…。
可愛すぎるエルルちゃまを見て欲しい…。そして超久しぶりの後日談です。
四話か五話ぐらいで終わります!
エルルちゃまの大暴れ(再)、をお楽しみくださいませ!
先ほど床に落ちて割れたティーカップが、宙を浮き元の形に戻り、先ほど溢れたはずの紅茶も吸い寄せられるようにカップの中へ。
そしてコトンと音を立てて紅茶入りのティーカップはテーブルに戻った。
何事もなかったかのように湯気を立てて紅茶のかぐわしい匂いが広がる。
ローランさすがね。これ、時戻しの魔法だ。
私が素直にかなりの上級魔法に驚いていると、その魔法の奇跡を見ていたユリウスが首を横に振った。
「それではだめだ。よく見ろ、描いた魔法陣に穴がある」
そう言ってユリウスは、ローランが空中に描いた魔法陣の歪な部分を指差した。
確かにちょっと変なところがある、かな?
ローランはうーんと唸って渋い顔を見せる。
「でも、結果としては、同じですし、これでも間違いではないと思うんですけど」
「ローラン、君は魔素を見る目が良すぎる。だから魔法陣に歪があっても、無意識に魔素を自分で操って魔法を行使している。しかし、それは複数の複雑な魔法陣を使う場合には通用しない」
「それは、俺は魔法陣のみの力で魔法を使っているつもりが、できてないということですか?」
「そう言うことだ。君には才能がある。だからこそ普通はできないことができてしまう。しかし、それに頼り切るのは最良とは言えない。特にこれから私たちがやろうとしている魔法を使うためにはなおさらだ」
ユリウスの厳しいお言葉にローランは首を深くうな垂れた。
「魔法陣の構成はどうも苦手で……」
「そう気落ちするな。苦手とは言っても、すでに相当なレベルで使いこなせている。もう少し陣の作成に集中すれば、問題ない」
ユリウスが師匠っぽくそう言って優しげな笑みを浮かべると、ローランが恨めしそうにユリウスと私を見た。
「集中しろと言われても……」
「どうした?」
と渋い顔をするローランにユリウスが首をひねった。
「この状況で集中できるわけないじゃないですか……!」
ローランが我慢ならぬという感じでとうとう吠えた。
やだ、一体どうしたというの!?
「どうしたの、ローラン?お茶でも飲んで落ち着く?」
ユリウスの膝の上に乗っていた私はそう言ってティーポットを掲げて見せた。
「エルル様もエルル様です! 目の前で二人がイチャイチャしてるところを見せられてる俺の気持ち考えてください!」
ちょっと涙目でローランが訴えかけてきた。
どうやら私がユリウスのお膝の上で優雅に紅茶を飲んでることが気にくわないらしい。
「そろそろ休憩にしようか。君の淹れた極上の紅茶を飲もう」
私のすぐ上の方からユリウスの甘やかな声が響いてきて、上を見ると、ユリウスが先ほどの声と同じくらい甘い顔で微笑んでいた。
え、もう! ユリウスったら私のこと見過ぎよ! 照れちゃうじゃない! でもいいの。だって私たち夫婦だもの。
「だから、二人ともくっつきすぎなんですよ! こんなの見せつけられて集中できる男はいませんから!」
また、ローランの荒ぶる声。
やだ、この子ったら反抗期かしら。
「エルル様、その『この子ったら反抗期かしら』みたいな目で俺を見るのはやめてください!」
「ええ!? とうとうローランは読心の魔法まで使えるようになったの!?」
「魔法なんか使わなくても見ればわかりますよ! エルル様は特に顔に出やすいんですから! ……う、もう疲れた」
「エルル、そっとしておいてあげよう。彼もお年頃なんだ」
「そう、お年頃って大変ね」
「いや、そういう問題じゃなくてですね! というかエルル様は俺と年齢ほとんど変わりませんからね!」
と言ってローランが泣きそうな顔をしたので、私は仕方ないとユリウスの膝の上からピョコンと飛び降りた。
「冗談よ、ローラン。目の前で夫婦のイチャイチャを見せつけて、ローランの集中力を削ごうってユリウスに言われてたの。精神的な修行っていうやつらしいわよ?」
そういうとローランはさらに恨めしそうにユリウスを見て「師匠……」と呟いた。
しかし等のユリウスは素知らぬ顔で「修行のためだ」と言って肩をすくめた。
と言うか思ったよりもローランがしょげ返っている。悪ふざけが過ぎたかも……。
「悪かったわ、ローラン。そんな泣きそうな顔をしないの。ほら、一緒にお茶でも飲みましょう?」
「頂きます……」
「そうだ、ローラン。今日はローランの好きな料理をメイデに頼んであげる。なにが食べたい?」
私が元気のないローランを元気づけるためにローランにそう尋ねると、
「エルル、こいつにはそんなに優しくしなくてもいい。つけあがる」
とユリウスが不機嫌そうな声を出してきた。
「ローランはつけあがったっていいのよ。それぐらいすごい魔術師なんだから。エルル村の四天王なのよ」
「エルル様……!」
私が庇うとローランは嬉しそうに名を呼んで笑顔を向ける。
大丈夫大丈夫。
私は分かってるもの。ローランはすごい。
なにせ、漫画ではこのエルル様を倒すほどの実力者なんだから。逆にすごくないと漫画のエルルが報われないことになるからね。
ローランはすごいってことでお願いします。
「君はこいつの図太さを知らないからそんな優しいことが言えるんだ。こいつは虎視眈々と私の後釜を狙っているんだぞ」
「え? 後釜って、エルル村四天王の最強の座ってこと? いいじゃない。向上心はないよりある方がいいわ」
私がそういうと、すっかり機嫌を直したローランが笑顔を浮かべた。
「エルル様、ありがとうございます。でも、俺は別に後釜なんてねらってませんよ。もちろん、エルル様の一番になれたら嬉しいですが、俺は二番目でもいいので」
「……二番目の存在など、私が許さん」
あっけらかんとしたローランの言葉に、ユリウスが忌々しそうに小さくそうこぼす。
「なに言ってるのよ。エルル村四天王には二番も三番も四番もいるわ。四天王なのだから」
「そういう話ではない」
ユリウスはそう言って疲れたようにため息を吐いた。逆にローランはご機嫌である。
なんだかこの二人って、たまによくわからないところで気分が浮き沈みするんだよね。
二人にしかわからない会話をするときあるし、なんか二人でこそこそ魔法の研究してるっぽいし。
なんてことを思いながらお茶を飲んでいると、ユリウスがピクリと眉を動かした。
「気づいたか?」
ユリウスに深刻そうにそう問われ、ローランは頷いた。
「はい、誰かが村に近付いてますね。この気配は……」
そう言って、ローランが眉根を寄せた。
どうやら私のエルル村に良からぬお客が来たらしい。
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何度も宣伝で、あれなのですが、大事なことなのでお伝えします!
魔王軍四天王の最弱令嬢は自由に生きたい!が、Renta!にて配信開始ーーー!(大声)
可愛いエルルちゃまに漫画で再び会えます会おう会いたくて震えるぷるぷる。
どうぞよろしくお願いいたします!








