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詩集その1

白い文字盤の時計

作者: 浅黄 悠


時計の長針が都会の昼を指すとき

地下水の匂いに溺れている道路

エレベータで上がれば

硝子の月を墜としたようにきらきらと

ここに一千万人以上の人が住んでいる

どこまでも続いている



時計の短針が震える海の夕暮れを創るとき

行き場の無い水たちがさびしそうにたゆたう

魚やさんごはそんな水とお喋りしている

海が綺麗だともいわず

海にポリ袋の始末を押しつけもせず

いつか海への告白を諦めた南の空が墨を流して

北の空が星を零した



時計の秒針が囁くとき

そこが僕達の時間

秒針で恋は刻まれ

秒針で世界のチャンネルは切りかわる

秒針は人の心も命も攫う

それは窮屈か濃厚か

追いかけていくだけの金の細い秒針

長針も短針も僕らにはもう構っている暇がなくなった

ぱきり折ってタクトにでもしたいなぁ、そんなことを思う今日この頃。



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