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４．さつきの前世

　とぼとぼ歩いてる男がいる。

「神よお！！　どうかあ！！」

　道端で男は叫ぶ。

「俺はどうなってもいい！　俺はどうなってもいいから世界中の皆を幸福にしてくれえええ！！　頼むううう！！！」

　男は泣き叫ぶ。

「俺は能力がない！！　力がない！！　権力がない！！　金がない！！　勇気がない！！　努力が出来ない！！　知能がない！！　こんなんじゃ善行すらできない！！」

　次次ないない叫ぶ男。

「だからお前にしか祈ることが出来ない！！　お願いだあ！　頼むう！！」

　見ていて心苦しい。　あ、危ない！！

　……男は車に轢かれて死んだ。

　これが……。私の前世なの？

　――。

「ハッ！？」

　朝。私は目が覚めた。

　何だろう。大事な夢を見ていた気がするんだけど思い出せない。

　まあいいか。

「神様。今日も一日よろしくお願いします！！」