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PLANTMAN#2

 新人作家フィリスの事が気になって仕方のないアールは、担当している男性作家宅で色々と相談する事になった。しかしその帰り、派手な服装の変人に遭遇する。仕事とヒーロー活動を両立できている青年の日常を描く。

登場人物

―プラントマン/リチャード・アール・バーンズ…出版エージェント業に就いているヒーロー。

―ドナルド・ニコル・(ドン)・フレッチャー…アールの担当作家。

―マーク・アロンソ…ドンの恋人。

―ジャンパー/ベンジャミン・ライト…ネイバーフッズの補欠メンバー。

―新人ヴィラン…怪しげなガジェットを携えたヴィラン。



アールがフィリスと出会ってから3日後:ニューヨーク州、マンハッタン、チェルシー


「アール?」

 ぼんやりしていたのか、アールはドン・フレッチャーの呼び掛けに暫く気が付かなかった。数度目で漸く気が付き、はっとした。

「あ、ああ」

「どうしたんだ? 心ここにあらずって感じだぞ」

 アールは何があったのかを言おうとして、口を開けたまま押し黙って硬直した。マーライオンのように口から水が出そうだ。

「コーヒーでも飲むかい?」

 爽やかで、女性であれば魅了されるであろう爽やかな笑顔を見せながら、ドンの恋人であるマークが盆に乗せて三人分のアイスコーヒーを持って来た。

「あ、ありがとう、マーク」

「今日のはどうだ? おお、昨日より美味いじゃないか」

 間抜け面でアイスコーヒーを啜るアールを尻目に、ドンとアールは仲睦まじく握手を交わして肩をぶつけ合わせた。

「それでアール、今日は随分ぼんやりしてるじゃないか。恋でもしたのか?」

 アールは一瞬恥ずかしさを感じて躊躇ったが、結局はすぐに答えた。

「まあそんなところだ」

 ドンとマークは顔を見合わせてにやっとした。

「めでたいな、ドン」

「アールと言えば仕事の話しかしてなかったしな」

 虚を突かれたようにアールは一瞬驚いた。

「俺ってそんなに自分の話してなかったっけ?」

 ドンは無言で頷き、マークが口を開く。「アールのする自分の話と言えば上司の愚痴ぐらいだったよ」

「え、マジで」

 俺そんな事言ってたのか。この2人なら密告する事もないだろうが、ひやひやしたのは確かであった。どこかで言った人の悪口が本人の耳に入るのはあまり心臓によいものではない。

「って事は、これから俺はドンとマークに一生強請られてスターバックスを奢り続けるわけだ」と自嘲気味にアールは笑った。

「楽しそうな話だな」マークは爽やかに微笑んだ。

 それを尻目にドンは安堵したような溜め息をついて、それから口を開いた。「アール、そうそう、君はそれでいいのさ」

 アールは「へっ?」と間抜けな反応を返した。

「6フィートを超える立派な体躯の金髪君が、そうやって押し黙ったり深刻そうにしてちゃ俺達の方が気不味いよ。なあ?」

「確かに」

 言いながら仲良く肩を組んだ2人に少し呆れた視線を送りながらも、アールは自分がここ数日尋常ではなかった事を思い知った。上の空の態度が続き、家に帰ってからもぼんやりと佇む時間が増えていた。フィリス・リーズというあの女性に出会ってから、何故かそんな調子が続いているのだ。彼女は魅力的であり、そしてあの少し見えた山脈のごとく蠢く何者かのイメージは帰るべき我が家のような安心感を与えていた。

 そして彼がふと視線を上げれば、急かす事なく聞く準備を整えた2人がテーブルを挟んだ対面のソファに腰掛けて待っていた。ありがとよ。

「さて、何と言うべきかな?」

 2人はどうぞ始めたいように始めてくれという素振りで促してくれた。

 アールは話し辛そうに口を噤んでからあの日の事を話し始めた。

「数日前の事だ。ニュージャージーの新人に会って来いって言われて会いに行ったんだが。あーあーもう夕方なのに今からニュージャージーかよって思いながらね。帰ってアムネジアやろうと思ってたのに」

 似たような口端を上げた表情で微笑みながらドンとマークは聞いていた。マークはアールが一旦区切ったところでお約束めいた合いの手を入れた。「災難だな。それで?」

「実際に会いに行って、待ち合わせた場所まで行ってみたら、それっぽい人がいたんだよ。それでその子が…ああ、上手く言えないが」

 なかなか話が進まないアールに寛大な態度を取りつつドンはふむ、と呟いた。「どんな子だったんだ?」

「それがもう、最高に可愛かったよ! 誰に似てるって言われても困るけど、波打った黒い髪が肩まで伸びてて、少し日に焼けたような色合いの肌に細い眼鏡、体付きも年齢相応って感じがしてさ。俺より多分5歳以上歳上だし人生経験豊富そうだから引っ張ってくれそうだなって。あー、マジで可愛かったぜ」

 対するドンとマークは笑いを堪えるような表情で唇を噛んでいた。アールは急速に恥ずかしくなってきた。

「アール、初対面の相手によくそこまで色々考えられるもんだな」ドンは明らかに笑っていた。マークは笑いを堪えるために横を向いて白い壁紙を見つめている。

「ご丁寧にありがとよ! そういうあんたらはどうなんだよ!?」

 アールは取り乱してやけになっていた。

「あれいつだっけ?」とマーク。「3年ぐらい前じゃないか? ほら、ゲイ同士のパーティー――健全なやつさ――でたまたまマークと俺が話合う感じで、他の参加者そっちのけで2人でひたすら世間話や身の上話してたんだ」

 マークが続けた。「そこから気が付くと同棲してたよな」

「ハッ、いいよなーそうやって勝手に進展していくパターンは。どうせ俺は1人で空回りしてんだよ。大体何だってんだ? 高校や大学で同級生の女の子とデートした時もこんな感覚はしなかったぞ」

「そりゃあれだろ」

 ドンは笑うのをやめて真剣な顔をした。

「なんだよ、そんなエージェント・スミスはみたいな顔して」

 アールは怪訝そうな反応を示した。

「今まで本気で誰かを好きになった事がなかったんだろ。俺なんか、マークと初めて劇場へ見に行った時は間違えてソックスを互い違いかつ裏返しで履いていたぞ」

「安心しろよ、相棒。俺なんて初めて君に高い店連れてってもらった時は緊張して3回ぐらいトイレにこもったからな」

「そりゃ初耳だったな」とドンは中年らしく豪快に笑った。

 いちゃつく中年と青年の眼前で、アールはその中年に言われた言葉が耳から離れなかった。今まで本気で誰かを好きになった事がなかったんだろ。確かにその通りかも知れなかった。学生の頃は周りに合わせて、可愛い子と仲良くする事を一種のステータスと考えていた節はあるだろう。そのようなしがらみから開放され、それらを無理に意識せず生きて行けるようになった社会人以降の己は今こうして初めて、ニッケルバックが歌っているような『運命の人』とやらに出会え、己を無駄に取り繕う事なくそれと対面できているのかも知れない。

「マーク、またこのマッチョマンが黙りこくったな」

「なあアール、そういえば君何かスポーツでもやってたのかい?」

「高校の頃はね。フットボールでレギュラーだったよ」

「そいつは凄いじゃないか。もしかしたら今頃テレビの向こうで活躍してたかもな」

 ドンは純粋に賞賛しているような口調で喋り、アールは自嘲気味に笑った。

「ああ、試合中に脳震盪で運ばれるんだ。生憎、俺はこういう仕事が好きだけどね。家じゃ隠れて小説やコミックばっか読んでたよ」

「聞いたか、マーク。この金髪のサム・ワーシントンは隠れて読書してたんだとさ。俺じゃあるまいし」


 こうした経緯もあって、ささやかな恋愛お悩み相談会が開かれた。今日のアールは他に回るべき担当作家もいないので1時間程度帰社がオーバーしても問題はない――と本人は考えていた。外はいつの間にか大雨が降り始め、下手に出歩くと靴の中は派手に濡れるだろう。時折風が吹いて雨粒を窓にぶつけていたが、3人は気にしなかった。外で戦車が東側風のパレードをしていても気にしないかも知れなかった。密かにエクステンデッドとして能力が覚醒したアールではあったが、その拡張された聴力さえ喧しい雨音を無視しているようだった。

「俺の立場的に作家と付き合うのは不味いよな」

「おいおい、付き合える前提なのか? そりゃ君はいい男だ。まあタイプじゃないが」

「俺もタイプじゃないけどアールはモテると思うよ」

 アールは何とも言えない表情を見せた。

「そりゃまた随分だな。でもタイプじゃないって言われても困るんだけどな! とにかく、何か手はないか?」

 仕事中に随分な時間の潰し方であるが、アールにとっては死活問題であるようだ。

「前はどうしてたんだ?」とマーク。

「友達に紹介してもらったな。そこからは成り行きで」

「じゃあ適当でいいんじゃないか?」

「おい待てって! こっちは結構真剣なんだぜ?」

 ドンが割って入った。

「まあまあ、前は成り行き任せでデートまでできたんだろ。それだけ君は魅力があるって事じゃないのか?」

 うーん、とアールは考え込んだ。

「でも学生の頃は同世代だったしな。フィリスから見れば俺なんてガキ臭くてたまらないんじゃないか?」

 6フィート2インチを超える金髪は、また不安そうな表情を見せた。外見とアンバランスなため、笑える光景ではある。ドンは立ち上がってアールの隣まで来て、肩に手を置いた。

「俺達から言えるのは、君が堂々としてればそれでいいって事だな。結果? 心配するなって、そんなに悪くならないだろう」

 マークは小首を傾げて笑った。「彼の恋人としてはどこか嫉妬する光景だな。アール、こうなったらちゃんと結果を出してくれよ?」

「2人してプレッシャーかけてないか?」しかしそう言いながらも、アールは自然に笑う事ができていた。あの三本足の神が言っていたように自分を信頼しよう、そうすればそれなりにまともな結果を得られるかも知れない。後は成り行きに任せようではないか。



数分後:ニューヨーク州、マンハッタン、チェルシー


「何の騒ぎだ?」

 大雨の中で頼りない傘をさしていたアールは雨音の向こうから聴こえる喧騒に不安を感じた。この前もドンの家から出た後に面倒事が起きていたから、またそのパターンなのではないかと思い始めた。いやまさか、違うはずだ、そう願う心と多分面倒事だろうと期待じみた憶測を立てている心が入り混じった状態で、歩道沿いの店舗のガラスに寄りかかって様子を伺った。

 人々の声が徐々に聴こえ始め、そこから必要な情報を抽出。どうやら妙な男が走っているらしい。それだけか? そう思った瞬間、角を曲がってそれらしき男が現れた。

「ホーリー・クラップ…何やってんだあいつ」

 ただしその男は建物の2階部分を、テレビゲームのキャラクターじみた片手を壁に添えた姿勢で壁走りしながら、こちらへと向かって来ていたのである。


 その男は自己顕示欲の強そうな黄色い服を纏い、顔を変なマスクで隠していた。ただ、左手は壁に添えているが、右手には安いSFに出てきそうな銀色のフレームの銃らしきものが握られていて、人々はそれを見て困惑したり悲鳴を上げて逃げたりしていた。背中に何か背負っているようだが、既に強盗でもしたのだろうか。その内誰かが通報するだろうが、アールはこの変人を見過ごしてはおけない。

「またドンの家出た途端に社会奉仕かぁ?」

 アールのか細い呟きは雨音に掻き消され、その頭上を例の男が通り過ぎて行った。それを見送ってから、アールは超人的感覚を発揮して周囲を伺った。スローの世界を観察し、誰も自分の方を見ていない一瞬を探る――そしてその瞬間が来たところで、すっとその場から消えた。


 アールは建物の屋上に一瞬で移動し、そこでDr.エクセレントが作ったデバイスを起動して即座に着替え終えた――発電機に植物が絡みついたエンブレムを胸にあしらい、発電所のコンクリートを思わせる灰色のコスチュームと、雪のように白いマントを身に纏い、アールは己が隠し持つもう一つの顔へと切り替えた。

「さてと、正義のヒーロー様のご登場ってわけだ」と戯けた調子で呟きながら、アールは屋上から身を乗り出すと、離れて行く男をじっと睨んだ。男は建物の終端に差し掛かると今度は角を曲がらずに通りをジャンプで飛び越して渡り、再び建物に張り付いた。

「行くか」

 発電機エンブレムの青年は真剣そうな声色に切り替えて呟くと、水泳の飛び込みを思わす仕草で宙へと飛び込み、スポーツカーさながらの高速で先行する謎の男を追い掛けた。

「おい、見ろ! あの…なんとかマンだ!」

「Mr.グレイじゃないか?」

「違うだろ、プラントマンだ!」

 アールことプラントマンは眼下の会話をできるだけ無視したが結局全部聞こえていた。NY市民はまだ自分をしっかり覚えていないらしい。あるいはたまたまか?

「はいはい市民の皆さんありがとさん」と気だるげに手を振りながら、プラントマンは壁を走る男に追い縋った。無論の事、プラントマンのスピードの方が速かったのですぐに追いついた。

「よう、雨の日にプリンス・オブ・ペルシャごっこか? 俺も混ざるぜ」

 プラントマンは派手な男の右隣に並走しながら声をかけた。建物の窓や看板を器用にいなして進む怪しい男はプラントマンの方へと顔を向け、それからいかにもな台詞を吐いた。

「出たなスーパーマン野郎め! 目立ちたがり屋の偽善者の癖に!」

「おいおい、お前その服装でそれ言っちゃうの? それとも『目立ちたがり屋』っていう言葉の定義から――」

 空気が放出されたような轟音が響き、プラントマンは弾かれるように軌道が逸れて空中で藻掻いた。ネイバーフッズの宿敵ソヴリンが使用するコンカッション・ブラストとどことなく似ているものであったが、当のプラントマンはよろよろと建物にぶつかってからどさりと歩道へ落下し、逃げたり留まったりしていた群衆は一目散にその場を離れた。プラントマンは立ち上がりながら口を拭ったが、隕石が顔面に衝突したような衝撃で頭ががんがんと痛んだ。それ故にあの野郎、とアールは頭に血が上り激昂しかけたがそこは腐ってもヒーロー、先輩ヒーロー達の教訓に従い冷静さを保ってから大声で叫んだ。

「あー皆さん、危ないんで離れて下さい! でないとあいつの攻撃で怪我人が出るかも知れない。ほら、無茶苦茶頑丈な俺が吐血するぐらいだし」

 血の混じった唾を吐きながら周りを見たが、市民もさすがに度重なる凶悪犯罪に慣れているのか聞き分けもよく、難を逃れるために逃げて行った。そうそう、あんたらは逃げるのが仕事なのさ、逃げてこの惨事を誰かに伝えて、そんで大切な誰かと生きて再会する事がな。無事でいてくれよ。

「それで、こいつみたいな勘違い野郎にお仕置きするのが俺の仕事ってわけだ」

 口端から垂れる血を腕で拭い、壁に張り付いている新人ヴィランを見上げるように強い意志に満ちた瞳で睨め付けた。敵は20ヤード先で器用に振り向いていた――今度は右手で壁に手を添え、左手で銃を構えている。

「お仕置きだと? いかにも暴力的な考えだな」

「ほう? じゃあお前がさっき撃ったショボい銃は合法的な暴力だってか?」

「何を言う! 大体お前らヒーローは胡散臭い! 何故こんな違法紛いな自警団が許される?」

「そいつはお上に聞いてくれよ。さて、お前の背負ってる鞄だが見た感じじゃ明らかに何か重い物体が入ってるな。どうせどっかで強盗でもしたんだろ?」

「黙れ、退かないと痛い目を見るぞ! お前ときたら、やっぱりスーパーマンみたいな見た目通りいかにも愚鈍そうな奴だな!」

 ごりっと尋常ならざる歯軋りが雨音遮って響き、逃げている市民さえ一瞬びくっとして振り返った。そしてその音の主は非常に腹立たしそうな笑みを浮かべながら、肩や首を動かして関節音を鳴らした。

「俺の悪口はいいがスーパーマンへの悪口は見過ごせん。まあ今から弁護士費用の工面でもしとくんだな」

 派手な服装のヴィランは豹変したプラントマン目掛けて再び空気銃めいたものを発射したが、それはプラントマンがいた場所のコンクリートを粉砕するに留まった。一瞬視界から消えたプラントマンを必死に探すヴィランは、上方から雨と共に灰色の人間発電所が降ってきているのが見えた。黄色いコスチュームのヴィランは即座に狙いを定めて発射し、勝利を確信した。しかし慄然たる轟音が響き渡り、プラントマンの周囲では雨が外向けて吹き飛ばされた。

 誰かがマトリックスだ! と叫んだ時点で既にプラントマンは驚いて硬直するヴィランの眼前まで迫っており――プラントマンは発射された不可視のブラストめいたものを豪腕で貫き、そのまま通り抜けたのだ――すれ違いながらぽんとヴィランの肩に手を置いた。その途端、間抜けな声と共にヴィランは落下し、情けなく腰を地面にぶつけて悶絶した。

「俺からの奢りだよ」とプラントマンは呼びかけつつ空中でターンし、後は適当にそこらに縛り付けるつもりだった――Dr.エクセレントの開発した拘束用の硬い紐はこういう時に使えるものだ。

 しかし空中で腰のポーチに手を伸ばした矢先、進路上で炸裂音と強烈な光が発生し、さすがに怯まされた。お約束のパターンじゃないだろうなとプラントマンは違っている事を内心願っていたが、実際にはやはりヴィランの姿は閃光を残して消えていた。これから帰社するってのに、あのアホタレを警察に突き出せないのはムカつくな。プラントマンは納得のいかない様子で周囲の安全確認を始めた。たまたま近くを通ったとかで駆け付けた歳の近い友人ヒーローのジャンパー――私生活優先でネイバーフッズの補欠扱いだがよく頑張っている――と一緒に5分近く危険物を探したが、やがて何も無い事を確認した。パトカーのサイレンを聴きながら、2人は降り頻る雨の中で先程の戦闘について話した。

「頑強なお前が怪我するって事はかなりキツい一発だったみたいだな」

 ジャンパーは普段自分が相手をしているチンピラやギャング以上の脅威を想像した。

「へっ、見た事も聞いた事もねぇしょっぱい新人ヴィランさ。だけど、俺の大好きなスーパーマンを馬鹿にしやがった。マジでムカつくぜ!」

「あーまあ、そいつは結構なアスホール・ビッチみたいだな」

 かようにして、〈救世主〉であると告げられたエクステンデッドの青年はそこそこの活躍とそこそこの生活を両立しながら、彼なりに充足感を得ていたのである。

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