4話 ー創造ー
とうとう今日、俺は初めて魔術を使った。
「では、早速始める」
「はい、お願いします!」
「ま固有魔塾の特長についてだが、まず、他の属性魔術との大きな違いは、術の詠唱が必要ないということだ」
なるほど、それだけを聞けば、とてもすばらしい魔術のように思える。
「だが、大事なことがある、創造性だ。
この魔法は、術者の創造性によって大きく効果が変わってくるんだ」
「つまり、他の魔術とは違って、これといった術式がないということですね」
フィニー師匠は、少し驚いた顔をして頷いた。
「そうなんだ」
なるほど、だが逆を返せば無限の可能性があるということだ。
(これは、当たりを引いたぞ!)
「さて、どうやって教えようか、」
フィニー師匠は、少し悩んだあと、杖を出して構えた。
「まず一度、俺の炎魔術を使う、魔力の流れを見といてくれ」
「主なる源の炎よ、その力で我が狙いを焼き尽くせ…【ファイア・バーン】」
術を詠唱すると同時に、フィニー師匠の魔力が、胸から腕を通り杖へ移動した。
そして、フィニー師匠が放った火球は、一瞬のうちにして、100mは距離がある的に命中させた。
「どうだ、魔力の流れは理解できたか?」
「少しだけなら」
「一度、魔力の塊を飛ばすイメージで的を狙ってみるんだ」
「わかりました」
貸し出し用の杖を借りて、立ち位置に立った。
距離は10mほどにとても遠く感じた。
(魔力を胸から杖に流れさすイメージで…)
すると杖から、テニスボールサイズの、魔力の塊がでてきた。
「【マジック・ボール】」
杖から放たれた、魔力の塊は、まるで波打つように上下に揺れ、的の隣にあった木に当たった。
(なんであんなに上下に揺れたんだ?)
「なるほど、フォレスティエン、今どんなイメージで術を使った?」
「え、魔力を胸から杖に流れさすイメージで…」
(あ、そういうことか)
「わかったようだな、もう一度やってみろ」
杖を構えた。
(胸から杖に、一直線に放つイメージで)
「【マジック・ボール】!」
杖から放たれた魔力は、一直線に的を破壊した。
「そうだ、フォレスティエン」
「ありがとうございます!」
(次はなにをするんだ?)
「今日は、これで終わりだ」
驚いた、まだ始まって30分ほどだ。
まだまだ、体力は有り余っている。
「もっとやりたいです!」
「いや、だめだ。
気づいてないだろうが、フォレスティエンの魔力はもうほとんど残っていない」
そう言われると、確かにそうだった。
一度、体の中の魔力を確かめるも、少ししか残っていなかった。
「わかりました…」
「まあ、魔力はやっていけばすぐ増えていく。
少しずつ、厳しくしていくからな」
俺が悲しそうにしているのを見て、気を遣ってくれた。
「わかりました!ありがとうございます!」
そうして、俺の初魔術は、終わりを告げた。
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この帰り道だった、動物の死体がいくつか道にあった。
犬、猫、鳥、鼠、様々だった。
この時、俺は最低なことをする奴もいるんだ、と思うだけだった。
しかし、これは始まりだった。




