2話 ー選択ー
三年が経った。
今日は、自分の四歳の誕生日だ。
「カーラウトおめでとう〜」
「もう四歳か、早いな〜」
確かにこの三年間は一瞬で過ぎたように感じた。
ただこの三年間で、こっちの世界での常識はある程度身につけることができた。
とても楽しい、元の世界とは違いプレゼントなどはないが、いつも帰りが遅く、あまりご飯を一緒に食べられない父もおり、そんなものどうでも良く思えた。
そして、ある程度食事が終わりかけてきた頃、母が話し始めた。
「カーラウトは将来何になりたいの?」
こっちの世界では四歳になると、将来の職業を親と話し合い、そこから今後どのような学校に行くかなどを決めていくのだ。
少し悩むふりをして答えた。
「僕は魔術師になりたいです」
そういうと両親はどちらも喜んでいた、だが父は心なしか少し寂しそうだった。
それもそうだ、父は剣士だ、ほんとは自分の子供にも剣士になってほしいだろう。
「じゃあ、とにかくあれをしないとね」
この世界の人は全員一人一人にユニークネームというものがあり、それを調べるのだ。
ユニークネームは、その人ごとにしかない特性や能力を表すものだ。
例えば、ここにいる父のユニークネームは〈努力家〉といい、人に比べて全ての能力が努力するほど、普通の人の何倍も成長しやすいというものだ。
どうやら、このユニークネームはその人の性格などが表れやすいとか。
「じゃあ、この水晶に手を置いてね」
母の言うとうりに手を水晶の上に置いた。
すると水晶から謎の光がでてくる。
少しずつ眩しくなっていると、突然パッと光が消えた。
少しずつ目を慣らして水晶を見ると。
「〈独学者〉…?」
水晶には〈独学者〉と表れていた。
全くどんなものなのか見当もつかない。
「よし、これで終わりだな」
「どういうものなのか楽しみですね」
「え、これで終わりなの?」
驚いた、どうやら能力の詳細は、少しずつわかってくるらしい。
どのようにわかるか両親に聞いても、いつの間にかふとわかっているらしい。
(なんだそれ)
そう思いながらも、布団の中に入った。
明日からは魔術を教わりに、元の世界でいうところの、塾みたいなものに行くらしい。
この三年間楽しみにしていた魔術を、とうとう学ぶことができる。
とても楽しみだ。
そう思いつつその日はそのまま眠った。
ーーー
その日、俺は夢を見た。
どんなものだったのかはほとんど覚えていない。
ただ覚えているのは、
どこかの部屋の中で、一人で何かをしていたということだ。




