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枕木夢子は眠らせて殺す。貴族とメイドの戦闘体制について

 眠らせて殺す。


 それが枕木夢子の戦い方である。


 夢子は催眠魔法を使うことができるので、相手を眠らせて身動きを封じることができる。そして、眠った相手にナイフでとどめを刺すのだ。


 これは、夢子が強いからそうしているのではない。むしろ弱いので魔法に頼らざるをえないのである。


 夢子が魔法を使わずに勝てるのは魔物の中でも最弱のスライムくらいなのだ。


 それ以外の、犬やクマを狂暴にしたような魔物や、出会ったことはないがゴブリンなどの魔物と正面から戦えるような力は夢子にはない。


 そうした中で夢子が編み出したのが、唯一使える催眠魔法を利用することだった。


 夢子が初めて、魔犬といわれる犬のような魔物と戦うはめになったとき、催眠魔法が魔物に効くのかダメ元で使ってみたところ、みごとに魔犬が眠ったのだ。


 眠っている状態なら魔物も脅威ではない。夢子は眠っている魔犬におそるおそる近づき、思い切って首にナイフを突き立てて魔犬にとどめを刺した。


 こうして、本来なら倒せないはずの魔物を倒した夢子はこの戦い方に自信を持った。そして、それから魔物と戦うときには、まず催眠魔法を使うことが夢子の戦い方になっていったのである。


 一方で、この戦い方をはじめてから夢子は魔物と戦うときに人目に付くことを避けるようになった。


 これは、夢子が催眠魔法を使えることは秘密にしておいた方がよいと考えていたからだ。


 夢子が見る限り、まわりのメイドたちは魔物と戦うときに剣などを振り回して戦っていた。そして、メイドたちが魔物と戦うときに魔法を使っているところは一度も見たことがない。


 よくわからない制度だが、なんでもこの世界ではメイドは前衛で、貴族は後衛にいるものなのだという。


 もう少し付け加えると、魔物と戦うときに筋力や運動神経が優れているメイドは前に出て敵を抑え、その間に貴族は後ろから魔法を使うのだという。


 一般的なゲームでいうなら、戦士役がメイドで、魔法使いが貴族といったところだろうか。


 ツッコミ所がたくさんある気がするし、非力な夢子に戦士役をまかされても困るというか不可能なわけだが、とにかくそれがこの世界の常識なのだ。


 そこから考えると、おそらく魔法は貴族が使うものであり、メイドは魔法が使えないか、もしくは使()()()()使()()()()()()()()()()()と考えられる。


 実際、夢子は貴族の生徒が魔法を使っているところを見たことはあるが、メイドが魔法を使っているところは見たことがない。


 そしてここで重要なのは、メイドは魔物と戦うときに魔法を使わない。ということは、メイドの一員である夢子が魔物と戦うときにおいても、魔法を使うのは避けた方がよいということだ。


 だが、そうはいっても魔法を使わなければ夢子に魔物を倒すことはできない。


 このため、夢子は魔物と戦うときに人目を避けるようになったのであった。




「さて、人のいないところはどこかな。」


 メイドたちが森で魔物を倒している中で、森に着いた枕木夢子は人気のなさそうな場所を探してのそのそと歩いていた。


 メイドたちはそれぞれ1人で行動しているものや、何人かで組んで行動しているものがいたが、森に来るのが遅れた夢子は1人で行動せざるを得ない。(そもそもメイド冒険者の中でダントツで成績の悪い夢子と組んでくれる相手は、友人のミントくらいしかいなかったのだが。)


(もとから1人で行動する予定だったけど、それはそれで悲しいのよね。)


 夢子は当初の考えのとおり1人で行動することができていたが、それはそれとして誰も自分を誘ってくれないことに悲しみを感じていたのだった。

読んでいただいた方へ、ありがとうございます

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