表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/12

枕木夢子の催眠魔法の一端について

 枕木夢子には1つだけ使える魔法がある。


 それは相手を眠らせる催眠魔法だ。


 夢子はこの世界にやってきたときに、いつの間にか()()()()()()()()使()()()()()()()()。という事実を知っていたのだった。


 実際のところ夢子にはそれが魔法なのか、それ以外の能力なのかもわからなかった。


 しかしながら、この世界で知識もお金も力もない夢子にとって、この能力は唯一の武器であった。


 このため、夢子は催眠魔法を使えることを秘密にしており、友人であるペパー・ミントにも隠していたのだった。



 だが同時に、夢子は友人が危機に陥っているときにまで能力を隠そうとは思わなかった。


『(眠れ)』


 枕木夢子は、友人であるペパー・ミントが貴族のロブ・コルダに絡まれていることに怒り、ロブに向けて心の中で魔法を唱えた。


 すぐに魔法が効いたのか、ロブの目はうつろになり、膝がカクンと崩れ落ちる。


「……おん?」


 ロブは自分の体が傾いたことに驚いたような、しかし何が起きているのか分からないといったような声を出す。


 そして、そのまま全身の力が抜けたらしく、ミントを掴んでいた手が離れると、支えを失った人形のように全身が床に崩れ落ちた。


「ど、どうしました!?大丈夫ですか?」


 力なく床に転がったロブを見て、ミントが慌てた様子で声を掛ける。


 自分に対して意気揚々と絡んできた人が、突然地面に倒れたのだ、ミントの反応は当然だろう。


 しかしながらミントは今、何十枚もの皿を片手で持っており、しゃがんでロブの様子を見ることが難しい。


 ミントはどうしたらよいか迷っているのか、皿を持ったままオロオロと立ち止まってしまっていた。


 その様子を見ていた夢子は、こんな男は放っておいてもいいと考えていたが、ミントがかわいそうなので助け船を出すことにする。


 夢子は自分が持っていた皿を床に置くと、ミントの代わりにしゃがんでロブの様子を見た。(実際には様子を見るフリをしただけであるが。)


 ロブは横向きに背を丸めた姿勢になっており、その姿はネットで有名なドラゴン〇ールのヤム〇ャが倒れている姿を彷彿とさせる。


 しかしながら、それ以外はとくにケガがあるわけもなく、ロブは寝息を立てながらよく眠っている。


「ミントちゃん、心配しなくても大丈夫じゃない?なんだか寝てるだけみたいだよ?」


「えぇ!?そうなんですか?」


 ミントが驚いた声をあげる。


 話しかけてきた男が突然倒れたと思ったら、そのまま寝ていたというのだから驚きもするだろう。


 ミントもロブの様子を遠目から伺うが、たしかに寝ているだけのようだということがわかると、ミントはあきれたような顔をした。


「はあ、なんだか変わった人ですね、寝不足だったのでしょうか?」


 不思議そうに言うミントに対して、夢子は「そうなのかもね。」としらじらしく言う。


「とりあえず持ってる皿を片付けない?この人は後で椅子にでも座らせておこうよ。」


 夢子が「へへへ、」と微妙な笑顔を作り提案すると、ミントもそうする方がよいと考えたのか、ロブから目を離して「そうですね、そうしましょう。」と頷いた。



 その後、無事に?食堂の片付けを終えた夢子とミントは訓練を受けるために食堂を出ていき、食堂には椅子に座らされたロブが1人だけポツンと残されていた。


読んでいただきありがとうございます。

感想などもらえたら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ