第5話 号砲
日曜の朝。
二子玉川緑地運動場。
世田谷ハーフマラソンのスタート地点には、すでにランナーたちが集まっていた。
空気は澄んでいて、少し冷たい。
でも、地面からは熱が立ち上っているようだった。
颯は、ゼッケンをつけて、スタートラインの列に並んだ。
「はい、勝負弁当!」
朝、家を出る前に葵が渡してくれた弁当は、鮭おにぎり2個、卵焼き、鶏むね肉の味噌漬け焼き、ブロッコリー、そしてバナナ。
「…なんか、俺より弁当の方が主役じゃね?」
「うるさい。走ってこい。応援してるから!」
周囲には、同じ高校の生徒たちもちらほら。
颯は、深呼吸をひとつ。
スマホの心拍アプリを確認する。
《心拍数:108。落ち着いてる。》
スタートラインの前。
号砲を待つ静寂。
風が吹く。
葵の声が届く。
「颯、いけるよ!」
その瞬間──
パンッ!
号砲が鳴った。
颯は、前を向いて走り出した。
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トレーニング豆知識
レース当日のポイント
→朝食は消化の良い糖質中心(おにぎり、バナナ)。スタート前は軽くジャンプや腕回しでウォームアップ。給水所は必ず使う!
アスリート弁当豆知識
勝負弁当の組み方
→「糖質2:タンパク質1:野菜1」が黄金比。例:おにぎり2個、卵焼き、鶏むね肉、ブロッコリー、バナナ。見た目も彩りよく!




