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俺、ちょっと走ってみる  作者: 双鶴


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第1話 駒八通りの衝撃 (颯)

日曜の昼。

駒八通りの沿道は、風と足音と応援の声で満ちていた。

俺は、葵と並んで歩道の柵のすぐそばに立ち、目の前を駆け抜けていくランナーたちを見つめていた。


ゼッケンをつけた人たちが、一定のリズムで通り過ぎていく。

足音は軽く、地面を滑るように響いていた。

腕の振りは鋭く、足の運びはしなやか。

誰もが、自分のペースで、でも確かに前へ進んでいた。


風が、彼らの背中を押しているように見えた。

汗が光り、呼吸が音になり、空気が震える。

そのすべてが、なんか…かっこよかった。


「…すげぇな」

思わず口にした。自分でも驚くくらい、自然に声が出た。


「え?何が?」

葵がこっちを見た。


「走ってる人たち。あんなにしんどそうなのに、顔が前向いてる。…かっこいいじゃん」


「うん、わかる。青春って感じするよね」


俺は少し黙ってから、ぽつりとつぶやいた。


「来年、俺も出てみようかな。世田谷ハーフ」


「えっ!?ほんと!?じゃあ私、弁当作る!応援する!てか、サポート全部やる!」


「いや、まだ走るって言っただけだって」


「でも、言ったよね?今、言ったよね?録音してないけど、覚えたからね?」


俺は肩をすくめて笑った。

でも、心の中ではもう決まってた。

走ってみたい。

あの風の中に、自分も立ってみたい。


---


月曜の昼休み。

教室の空気は、いつも通りほんわかしてる。

窓際の席で、俺は葵の弁当を開けた。


「今日のメニューは、鶏むね肉の照り焼きと、玄米おにぎり。あとブロッコリーとみかん」


「…なんか、俺より弁当の方が仕上がってない?」


「うるさい。食べて。午後の授業、眠くならないように糖質控えめにしてるから」


周囲の席から、いろんな声が飛んでくる。


「颯、また葵の弁当?」「あれ、付き合ってんの?」「幼馴染って言っても、あれはもう…」

「葵って、もっと“ちゃんとした人”選べそうなのに」

「いや、颯のあの飄々とした感じ、逆にズルいよな」

「てか、あの空気感、なんか憧れるわ。自然でさ」


陽太が俺の背中を軽く叩いてきた。


「お前、ほんとに走るの?マラソンって、ガチだぞ?」


「まあ、ちょっと走ってみるくらいなら、いいかなって」


「“ちょっと”で21キロかよ。お前、やっぱ変わってんな」


結衣が葵に話しかける。


「葵ってさ、料理部の中でも本気でやってるよね。颯のため?」


「うん。…まあ、幼馴染だからね」


「ふーん。なんか、いいな。そういうの」


俺たちは気にしない。

幼稚園の頃から、弁当は“2人でセット”が当たり前だった。


---


トレーニング豆知識


ハーフマラソンってどれくらい?

→ 距離は21.0975km。初心者は「キロ7〜8分ペース」で完走を目指すのが基本。無理せず、まずは“走りたい”気持ちがスタートライン。


アスリート弁当豆知識


運動する人の基本弁当って?

→「糖質+タンパク質+野菜」が鉄板。例:おにぎり(糖質)、卵焼き・鶏むね肉(タンパク質)、ブロッコリー・みかん(ビタミン)。材料費は1食300円以内でOK!


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