SSマシンガン
1.嵐のホテルで
「一向にやみそうもありませんなあ」老人が、隣に座っていた中年の紳士に話しかける。
「ええ。なにしろ、大きな低気圧が四個も連続で押し寄せたといいますからね」
「そりゃ、結構なことで」
しばらくの沈黙。二匹の蟻だと、やはり会話はこんなところで途切れてしまうのか。
2.クリスマス・イブ前日
少女が大きな箱を抱えて、駅前の広場を横切ってゆく。その前に、一人の大柄な男。
「ここを通るのかい、お譲ちゃん。お兄さんに、お金を払いなさい」
少女は言う。
「あら、何でなの。あたしがここを通っちゃいけないのは、なんでなの」
「世の中はね、君が思っているようではないのだよ」
男が近付くと、少女はその横を通り抜けた。少女は歩いてゆく。
しかし、よく見るとそれは男の勘違いだった。少女の死体は大きな箱に引きずられていた。
3.なんだろな
「お父さん、これ、何」
「なんだろな」
「ね、お父さん。これ、何なの」
「なんだろな」
「ねえ、お父さん」
二人の間には、彼らの母親が倒れていた。二人は、もう三日もこの状態でいる。
4.制服
ある店で、あたらしい制服が公表された。スーツとの違いがわからないくらい、シンプルな見た目。
「これは、どこがスーツと違うのです」一人の記者が問いかける。
「どう考えたって、違うでしょう」
みなが首をひねる中、社長だけがほほ笑んでいた。
「これは、名前がわが社の制服、でしょう」
駄作失礼。