第七話
朝起きて、ご飯を食べて、俺は風の魔導書を手に入れたから早速試そうと思った。そして表紙をめくるとそこには大きく書かれていた。
"風よ、導け"
次のページからは風魔法についていろいろ書かれていた。
1つずつ着実に習得しようと思い、1つ目の魔法を見てみた。
まずは風を起こす魔法か。試してみよう。
「森の息吹よ、我が手に宿れ。発風」
手の平にめちゃくちゃ小さな竜巻のようなものができた。風魔法の適正があったようでよかった。
これで適性がなかったら結構ショックでおそらく3日は寝込んでいただろう。
自分に風の適性があることも確認できたし、一応すべてのページに一通り目を通しておこう。何か注意みたいなのが一番後ろにあったらいけないからね。
見ていると、何故か最後のページにもくじがあり、少し腹が立ったがその感情は無視してもくじを見て、自分が気になる魔法にマークを付けていった。今後はその魔法を中心に習得していこうという目標を立てるのも大事だからね。マークを付けたのは
ーーーーー
・風刃
・纏風
・空歩
・突風
・暴風
・風神
・空切風刃
ーーーーー
この7つにした。
説明文によると
・風刃はその名前の通り風の刃を飛ばす魔法
・纏風は自分の任意の体の部位に風をまとわせる魔
・空歩は風で一時的な足場みたいなものを作りそれで空中を歩いたりできる魔法
・突風は小さい範囲で大きい風を起こす一点集中型の魔法
・暴風は広い範囲で大きい風を起こす範囲攻撃的な魔法
・風神は風神像みたいなのを体にまとって操作するロボットに乗るような魔法
・空切風刃は長距離に渡ってとても鋭い1つの斬撃を放つ魔法
と書かれていた。他にもいろいろあったが、あまり心がひかれなかったり、自分には合わなそうだったり、あまりにも難易度が高そうだったり、実用性がなさそうだったりした魔法は要らないから俺はこれらを選んだ。
ただ、難易度が高そうなのは省いたといっても自分の興味がそそられたものは入れている。
それは、突風、暴風、風神、空切風刃の4つだ。これらはかなりの技量や魔力を要すると書かれているため習得にはかなりの時間が必要かもしれないが、頑張って少しずつ覚えていこう。
ーーーーーーーー
そうして半年ほどたった。俺は挫折しかけていた。難しい4つはそれなりの覚悟をしていたが、風刃はなんとか習得したものの、纏風の体の一部に風をまとわせるというのがかなり難しく風刃と纏風だけで4か月使い、空歩に至ってはもうほぼ不可能に近いレベルで苦戦している。
というのも風の威力の調節が難しく、強すぎると足場を踏もうとしたときはじき返され、弱すぎると今度は足が通り抜けて足場にならない。しかも、風に流れがあるため踏むたびに体が振り回される。俺は2ヶ月ずっとこの魔法だけを練習しているが、1つもコツをつかめていない。
空を歩くことにはロマンをめちゃくちゃ感じていたけど諦めるしか無いのか。いや、もう少し頑張ってみよう。そもそも、足場を作ろうとするからいけないのではないのか?この魔法は風の板を空中に浮かして、そこに乗る魔法だ。板をちゃんと作れるようにしないといけない。
何か見落としているんじゃないのか?流れのないようにする方法がこの魔導書に乗っているのではないのか?
そう思い魔導書をよく読むと、
ーーーーー
魔力の流れ方次第で、風の流れが変化する。
ーーーーー
と発風のページに書かれていた。つまり、流れている魔力の動きを止めたり、2つの流れを発生させたりすれば弾かれたり振り回されることがなくなるってことだろう。
そうしてやってみるとめちゃくちゃ簡単に出来てしまった。俺は今まで何をしていたんだろう。
名前 :レミアル・アーステッド Lv4
種族 :人間
体質 :努力が実りやすい 圧縮魔力
魔力 :17
敏捷 :37
攻撃 :38
知力 :198
持久力:62
器用 :38
スキル:鑑定 剣遊び(交換可能ポイント57)
固有スキル:なし