第六話 家族
ご飯を食べ終え、今度は誕生日プレゼントを買いに行くことになった。
「レミアルは何が欲しいんだ?」
と父に聞かれたが俺は欲しいものを決めていなかった。
剣や杖?魔導書?防具?と色々考えはしたが、剣は持てるほど筋肉がないし、防具も筋肉がないから動けなくなるだろう。
よし、決めた。魔導書にしよう。だけど魔導書には属性がそれぞれありどの属性を学ぶか...しかも自分に合わない属性も存在してどれだけ練習してもうまくならない属性もあるとか...ならば運だ。
「父さん、僕この風属性の魔導書が欲しい!」
俺は結局風の魔導書にした。魔法がたくさん使えれば便利だし、それを除いても俺は前世に魔法なんてものは無かった訳だからとても魔法使いに憧れている。
「あ、おい待て!」
店の奥から男の人の声がしたと思ったらフードを被った子供が走ってきた。
顔はあまり見えなかったが、赤い瞳と目が合った。しかし走ってどこかに行ってしまった。
「逃げられた…!くそっ…!」
店から店主が出てきた。話を聞くとどうやら物を盗まれたらしい。
「別にそこまで高いものではないけど許してたら全部取られちまうからよ、許しちゃあいけねぇんだ。」
何を盗まれたんだろう。聞いてみるか。
「ちなみに何を盗まれたのか聞いても良いですか?」
「ん?あぁ、たいしたものじゃ無いんだが、魔鹿の角を一本な。」
魔鹿の角なんて何に使うんだろう、と思いはしたが逃げられてしまっては追いようが無いし、別に高価なものでは無いから気にするな、と店長に言われたから魔導書を買って店を後にした。
それからは街をいろいろ見てまわった。特に店とかに入ったわけでは無いがかなり面白かった。
「よし、そろそろ帰るか。帰る馬車の時間があるし。」
と言うわけで帰ることにした。
帰りの馬車に乗り、揺られていると街の防壁が遠のいて行き、森が近づいて来た。
そして家に着いた。今日は俺が誕生日のこともあってか母さんが豪華な料理を作ってくれるらしいから、手伝いをした。すると母が、
「レミアル、誕生日おめでとう。そして、産まれてきてくれて、ありがとう。」
と、急に言い出した。何を今更、という感じではあったけどなんだか照れ臭い感じがする。
「急にどうしたの?」
俺がそう聞くと、
「実はね、あなたが魔法を使った時とても不安だったの。」
どうしてだろう。
「私が小さい頃魔法を使った時、私は魔力が体に合ってなくて体が段々壊れていっていたの。
私が魔力に適応する必要があって、でもそれには魔力草っていう薬が必要で、そこで助けてくれたのがお父さんなの。」
なるほど、そういうことだったのか。この2人の出会い結構気になってたんだよね。
「だから、あなたが魔法を使い始めた時凄く怖かったの。私みたいにならないかって。だけど、あなたは今健康に過ごしてる。それがとても嬉しいの。」
その後、あまり話もせずにご飯を作ってご飯を食べて、その日は寝た。
夢で、俺は元の世界の夢を見た。
俺は仲良く家族とご飯を食べて、俺は就職してて、俺の稼いだ金で家族旅行にも行った。
けど急に視界が白くなり目が覚めた。
起きると俺は泣いていた。前世では突き放してしまった家族と仲良く過ごしていた。
家族は、今世も前世も、常に寄り添ってくれていた。けど、前世の俺はそれなのに突き放した。今世は、今度こそは、もっと、家族を大事にしよう。
名前 :レミアル・アーステッド Lv4
種族 :人間
体質 :努力が実りやすい 圧縮魔力
魔力 :12
敏捷 :35
攻撃 :35
知力 :190
持久力:54
器用 :33
スキル:鑑定 剣遊び(交換可能ポイント50)
固有スキル:なし