第二話 成長と魔法
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「我が身に宿し火よ、今この体を通してその姿を顕現せよ。発火!」
すると前に突き出した右手の前に火が出て来た。これが魔法か。
前世には存在しない概念が目の前で、自分の手によって起こせている興奮。
興奮のせいかは知らないがとてもフラフラしてきた。少し視界がボヤけて来たような気がする…
ーえ?それはまずくないか?
バタッ
「〜〜!〜〜!」
俺は倒れてしまったらしい。魔導書の2〜3ページ飛ばした場所の中に実はこの現象について書かれてあったのを俺は早く魔法を使いたくて飛ばしてしまった。
これは魔力中毒と呼ばれ、体に魔力を慣らしていない人が急に魔法を使うと体が負荷に耐えきれず体に激痛が走るらしい。
だが、それだけで無く今回は魔力欠乏という魔力を全て使い切って体の感覚が麻痺してしまう症状も同時に起こしていた。
その結果麻痺と激痛が合わさり倒れてしまうと言う結果に繋がったということだ。
死ぬことはないらしいが、俺としたことが興奮しすぎてしまった。次はもっと自粛せねば。父も激おこである。
「おいレミアル…」
まずい、怒られる。
「お前…魔法の才能あるじゃないか!そうだよな!俺とファリアの子供なのに魔法の才能が無いわけがないよな!いや剣術の才能の路線もあったが…
昔お前の母さんもよく魔力欠乏と疲労で倒れたりしててな。懐かしい気分になったよ。
でも凄いぞ!3歳で魔法を使うなんてな!」
とてつもない親バカである。紹介を忘れてたが、この親バカは俺の父であるディルハ・アルステッド。
魔法が優れている母と違い、父は剣術に優れている。父はステータスが1番低くても500はある。
俺の両親は本当に凄い冒険者だったんだろう。だが流石に謝っておこう。
「勝手に本を持ち出してごめんなさい…」
「ん?ああ、そんなことを気にしてたのか?別に良いぞ、むしろお前が本を読めるように鍵を掛けていなかったんだからな。」
この親バカは…でも優しいな。
ちなみにあの発火一回で魔力のステータスが50まで上がってくれた。魔導書曰く、魔力欠乏を起こすと魔力容量が通常使用よりも伸びやすいらしい。
だが、麻痺や稀に大きな痛みが起こるため、魔力欠乏をわざと起こして魔力容量を増やす人は居ないらしい。まだ発見されてないだけで存在している可能性はあると書かれているが。
俺はこれを機に、魔法を鍛え始めた。
魔力にも質が存在するらしく、粗い魔力と精密な魔力だと見た目に変化は無いが、精密な魔力の方がクオリティが上がるらしい。さらに維持も簡単になるとか。
例えば、水を生成する時粗い魔力だと見た目は普通の水なのに触れても手がほとんど濡れない。
イメージ的には原子と原子の距離が離れすぎているような感覚だ。そうすると電子がまともに働かずにすぐ崩れるし、物はすり抜けていく。そんなイメージだ。
俺は魔力をより精密にするためにどうすれば良いのかが分からなかったが、魔導書にあった通り、要はイメージだ。
俺は自身の中に魔力を立方体としてイメージした。そしてそれをプレス機で押し潰して圧縮する。
成功したか分からないからステータスを確認してみると、魔力のステータスが10まで下がっていた。
更にステータス欄に体質という項目が追加され、努力が実りやすいというのもそこに書かれていたのだが、その横に圧縮魔力と書かれていた。
鑑定スキルを使い圧縮魔力というステータスに鑑定をかけると、【精密魔力と違い、圧縮魔力は魔法一度あたりの使用量も減少する。精密魔力より濃度が高い。デメリットは魔力ステータス増加量の減少と魔力回復速度の低下】と書かれてあった。
これが悪いことなのか良いことなのかは分からないが…
ーもう精密魔力超えれたってことで良いよね!
名前 :レミアル・アーステッド Lv3
種族 :人間
体質 :努力が実りやすい 圧縮魔力
魔力 :10
敏捷 :30
攻撃 :25
知力 :190
持久力:40
器用 :25
スキル:鑑定 (交換可能ポイント40)
固有スキル:なし