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再起動と協力。
「――おかえり、アルター=ダークフォルトくん」
ルネリアを女子寮の入り口まで送り届けて自室に戻ってくるまで、およそ二十分ほどだろうか。
謎の少女はベッドに腰掛けていて、
「……良かった」
と、満足げな表情で俺に頷いた。……一体なにが?
「ほら、最初に“協力する”とは言ったけどさ。
女の子を寒い廊下に一晩中放置して平気な人と手を組むのって、やっぱり“なんだかなあ”って感じするでしょ。アルター=ダークフォルトくんが実はまともな人で良かったな、って意味」
……それは、どうだろうか。
さっきまで壊れかけていた俺が、果たして“まともな人”かどうかはかなり議論の余地があるとは思うが。
「アルターでいい。それと――」
……たとえこれが罠だろうが仕組まれたことだろうが、なんでも良かった。
なにをしてでも、どんな目に遭っても、何度心が折れても、俺はここから抜け出さなくてはいけない。
だから。
「――改めて、頼む。力を貸してくれ」
「じゃあ、握手だね」
小さな手が差し伸べられる。
俺は、迷わずその手を取った。
“明日”を手に入れるために。




