アルター=ダークフォルト(強化版)
二回更新です(2/2)
「………………よわ」
ダメでした。
どれだけダメだったかは描写しない。昨日と全く同じ光景だったからだ。
アイナは全て避け。
俺は全て喰らった。
ただそれだけである。
ど……どうなっている!?
俺は確かに何かを感じたはずなのに……!
「うーん……。
気のせいじゃないとすると……飲み方とか?」
「……どういうことだ?」
「わざわざ契約学の授業で渡されたんだし、ただ飲めばいいってわけじゃないのかも。
ほら、おじいちゃんも言ってたでしょ。“相互作用”だって」
正確には“契約が相互作用する鎖なのは一面的に正解”みたいな話だったと思うが……。
「だが、オレもお……アイナも、二人とも呑んだぞ?」
「完璧に同時とか? そうじゃないから、ちょっとしか効果がないとか」
あり得そう……か?
まあ、考えていても仕方がない。
一錠ずつ手に取り、同時に呑み込んでみることにした。
これで合っているのかは分からないが……なんだか緊張してきたな。
アイナも同じなのだろう、硬い表情をしている。
なにが起きるのか分からない……が、いまさら躊躇していても仕方がないか。
お互いに、薬を口に含む。
せーの、と息を合わせた……そのときだった。
「――アルター様、リヴィエット様」
「「!?」」
ごく、という何かを嚥下する音と、コリ、という何かを噛み砕いた音が同時に聞こえた。
言うまでもないが、“何か”とは薬であり……俺は《《飲み込み》》、アイナは《《噛んで》》しまったらしい。
思わず顔を見合わせる。
これは……セーフか? ま、まあ同時に呑んだことに変わりはないが……。
「朝食をお持ち致しましたが……」
やや固い声で我に返る。
アイナとほぼ同時に声のほうを見ると、バスケットを持つルネリアが心なしか冷たい目を向けてきていた。
ち、違うんだルネリア……これは決してうっとり目を合わせていたわけではなく……特訓の一環で……さっきまで真面目にやってたし……。
「……ん?」
心の中で口に出せない言い訳を並べていると、アイナが俺を見て首を傾げた。
俺もアイナを見て…………首を傾げた。
またしてもほとんど同時に。
……つまり、これは。
「まさか……そういうこと?」
アイナも気がついたようだ。
「そういうこと……だろうな」
鏡映しのように頷く俺たちに、ルネリアはますます「やっぱり鼻の下のばしてるじゃないですか」と言わんばかりの冷たい視線を送ってきていた。
俺にできるのはただ、心のなかで弁明を繰り返すことだけだった。




