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初めて妹より私を信じてくれた人

作者: 下菊みこと
掲載日:2023/06/28

「君ってなんでそんなに自分を傷つけるの?」


そう言ってゴーチエ様は、私の手に持つ毒を奪い取った。


「ゴーチエ様…」


「エロイーズ。俺のこと信じられない?」


「そんなことは」


「なら、あんなふしだらな妹は放っておいて俺のところにおいで」


「でも」


両親は、妹ばかりを愛する。友達も、妹の言葉を信じた。元婚約者は、妹に心を奪われた。


妹は私のモノを奪うのが好きだ。なにもかも奪われた。祖母が私にくれた形見のペンダントだって。祖父が買ってくれたぬいぐるみだってそう。


唯一私の身の上話を信じてくれたのは、ゴーチエ様だけ。私はそんなゴーチエ様に心を惹かれてしまった。だからこそ、迷惑をかけたくない。


「迷惑なんかじゃないよ」


「え」


「むしろ、俺の目の届かない場所で消えそうになる方が迷惑」


そう言いながらゴーチエ様は私から奪った毒を丁寧に捨てた。


「俺が守ってあげる。だから、あの世に救いを求めるのはやめな。俺に救いを求めるといいよ」


「ゴーチエ様、私…」


「俺のモノになりな、エロイーズ。俺が全力で守ってあげる」


弱い私は、結局ゴーチエ様の手を取った。ゴーチエ様は一日で私の両親と話をつけて、私を自分の屋敷に招いてくれた。必要なモノも全部揃えてくれた。















「なんでお姉様なんかがゴーチエ様に選ばれるのよ!ゴーチエ様みたいな上位貴族のイケメンに相応しいのは私の方だわ!」


ゴーチエ様の屋敷に引き取られてしばらくして、やはりあの妹は押しかけてきた。そして暴れ出した。しかしゴーチエ様は相手にもしない。


「エロイーズ。あの害獣とは話などしなくていいから。お前たち、さっさと追い出せ」


「はい!…申し訳ありませんが、お引き取りを」


「ちょっと!離しなさいよ!ゴーチエ様、騙されてます!お姉様は酷い人なんです!ゴーチエ様に相応しくありません!」


「うるさいなぁ」


ゴーチエ様は、妹に近づいた。妹は期待した顔でゴーチエ様を見つめたけど、ゴーチエ様が耳元で何かを囁くと一転して青ざめた。逃げ帰る妹。私は訳がわからない。


「ゴーチエ様、妹になにを…?」


「なに。あの子は君の元婚約者と婚約したのはいいけど、前の男との間の子供がお腹にいるらしいからさ?バラしていいのか聞いただけだよ」


「え」


色々衝撃。


「これからはあちらも積極的には絡んでこないだろうし、安心おし。それと、そろそろ俺たちの結婚も進めないとね。楽しみだね」


ゴーチエ様は時々強引。だけど、そういうところも大好きだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] あぁ、こうなるに至る詳細はなくとも、 クズ妹の酷さを読む者に察せさせた後に来る爽快感さえ感じるざまぁ。 もう、ご馳走様でした、としか。 (-人-)☆
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