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9 いざバーレンヘイムへ

今度からお昼過ぎに投稿できればと思います。これからもよろしくお願いします。

 童女のアブソリュート様以外誰一人として私の事を見送る者はいなかった。

 去り行く私を見た元の嫁の中には私の事を馬鹿にしたような態度であざ笑う者もいた。

 だが、何人かの私の子供達の中には心配そうに見送ってくれる子もいたのだが、そういうう態度を見つけられた途端どこかに連れ去れていた。


「恐怖だけで支配できるほど甘いものではないのに……」


 だが今の私は無力だ。

 謎の力でレベルを奪われたことにより今の私のレベルは30まで低下していた。

 このレベルはかつて私が魔王軍の尉官として前線で戦っていた頃のモノだ。

 とてもではないが上位のグレーターデーモンですら今の私では従わないだろう。


「とにかく、バーレンヘイムに向かおう」


 四面楚歌、これが今の私を示す一番正しい言葉だろう。

 今の私には魔界の中で頼りになる味方は誰もいない、アブソリュート様は味方というには無力すぎる。

 今頼れるものは自分自身の力だけだ。

 だがそうだとしてもこのレベルではあまりにも無力すぎる。

 人間界の小国を落とすくらいでも最低レベル40は必要だ。

 このレベルで出来る事といえば、せいぜい万の人間を一瞬で灰燼に帰す程度、全盛期の私なら小さな大陸なら全てを一瞬で滅ぼす事すら可能だった。


「はぁ……無力だ」


 私は翼で空を飛びながら魔界の外れの方を目指した。

 獄炎地獄(インフェルノ)極寒地獄(コキュートス)奈落地獄(タルタロス)無限地獄(ジュデッカ)を超えたさらに先にあるのがバーレンヘイムである。


 インフェルノは炎の魔素、コキュートスは氷の魔素、タルタロスは混沌の魔素、ジュデッカには無限の魔素が存在する。

 つまりは他の生き物には生きられない環境でもその魔素を持った魔族には快適な環境であるといえるのだ。


 しかしバーレンヘイムはそれらの魔素が全て枯渇したような場所。

 文字通り草木一本すら生えない、育たない環境なのである。


「魔界の流刑地とは言ったもんだな」


 私はバーレンヘイムの上空にたどり着いた。

 そこで私は異変に気が付いた!


「な……!? 空を飛べないだと!?」


 バランスを崩した私はそのまま斜めにきりもみ回転をしながら落下していった。

 どうやらこの辺りは魔力すら乏しく空を飛ぶだけの魔素すら確保できないらしい!


「のわーーーーーーー!!」


 ズドォーーーン!


 上空高くから落下したした私は、地面に私の形そのままの穴を開けて墜落したのだ。


「オマエだれだー!!」

「イテテテ……私が再生能力持ちでなきゃ死んでたぞ」

「だからオマエだれだー!?」


 バーレンヘイムについて初めて魔族に会った、どうやら上空から落下した私の事でビックリしているらしい。


「私は、魔王軍四天王の一人、テンタクルス・ネジレジアスだ。あなたはここの住民か?」

「オラーここに住んでるだ、どれくらい昔からいるか忘れた」


 どうやらこんなとこでも住んでいる住民はいるようだ。

 だが、見た目のみすぼらしさから見てもとてもまともに生活できているとはいえまい。


「私はバーレンヘイムの城に向かいたい。ここからどう行けばいいのか?」

「んーだ、オラくわしくしらねぇ、まーでーっかいモノならここずっと行った先にあるだよ」

「教えてくれて感謝する、これは私のお礼だ」


 私は魔王城を出る際にどうにか持ちだせたなけなしの魔力の宝石の一つを彼に渡した。


「オラーにこれくれるだか。これくってもいいかな?」

「はぁ???」


 私が何かを言う前に目の前の魔物は魔力の宝石をバリバリと噛み砕いて食べてしまった。

 アレ一つで城一つに匹敵する功績ともいえるモノだ。


「うーん、あまりうまくなかったけど。くれてありがとうだな」

「あ……あぁ、喜んでくれてなによりだ」


 どうやらこの辺りは魔界の常識は通用しない場所のようだ。


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