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89 ファーフニルの超突貫工事

 とりあえず、バーレンヘイムの金食い虫だった騎竜戦艦の問題は片付きそうだ。

 後はこれをどう運用していくかといったところだろう。

 まあ考えれる事としては、パラケルススをこの責任者、つまりは司令官にしておけばいいかと。


「パラケルススさん。後々きちんとした辞令は出しますが、貴女にこの騎竜戦艦をお預けしますよ」

「わかったのだ! ドーンと泥船に乗った気分で任せるといいのだ!!」


 だから、泥船に乗ったら沈むって……。


 まあ気分を良くしているパラケルススには、今後この騎竜戦艦を空飛ぶ研究室にすればいいという事が嬉しいらしい。


 それに対してご機嫌斜めなのがファーフニルだ。


「ファーフニルさん、いったい先ほどからどうしましたか?」

「ご主人様-! 我もほめてくださいー! 我、ここまで頑張ってこのデッカイ船持ってきたんですよー」


 そういえばそうだ。

 ファーフニルが持ち上げてくれたのでここに今騎竜戦艦がある。

 彼女はその事を褒めてもらいたいらしい。


「ええ、ファーフニルさん、助かりましたよ。ありがとうございます」

「……なんだかついでに褒められているみたいでイマイチ嬉しくありませんわ」


 厄介な性格である。


 だからと言って先ほどから森を破壊しているのを止めるのも多分いう事を聞かないだろうし、さてどうしたものか。


 このままでが森が焼け野原になってしまう。


「ファーフニルさん。もっと力を発揮したいですか?」

「ご主人様-! 我に大暴れさせてくださいー、万の大軍でも屠って見せますからー」


 いや、今そこまで物騒で血なまぐさいことは望んでいません。

 しかしこのままでは欲求不満のファーフニルが大暴れを続けて、どんどん被害が大きくなりそうである。


 私はこの事態の解消法を考えてみる事にした。


 つまりはファーフニルは大暴れしたいわけだ。

 だからと言って今は敵がいるわけではない。

 そして環境破壊をされても困る。


 環境破壊?


 そうだ、それならこうしてみるのはどうだろうか。


「ファーフニルさん、大暴れしたいですか?」

「あーもー欲求不満で大暴れしたいのですわー!!」


 この欲求不満ドラゴンはどうやら大暴れをしたいので間違いがなさそうだ。

 それならこの騎竜戦艦のための水路と滑走路を作ってみては、どうだろうか。


「ファーフニルさんの熱線ブレスってここからならどこまで届きますか?」

「我のブレスなら、あの向こうの山までまっすぐ届きますわ」


 ファーフニルの言った距離を考えると、ここからなら二日は歩いた先までまっすぐに熱線が撃てるらしい。


「いや、そこまで大きい距離は必要ないんですが……」

「ご主人様ー、我、役立たずですか? 無駄飯ぐらいのドラゴンですか??」


 ファーフニルがドラゴンの姿のまま涙目になっていた。

 この姿でも少しかわいいと思ってしまった私は少し異常なのだろうか。


「い、いえ。ファーフニルさんにはこの騎竜戦艦のための水路と滑走路を作ってもらいたいと思ったんです」


 ファーフニルが目を輝かせて喜んでいた。


「ご主人様! 我、必ずや、必ずやお役に立って見せますー」


 そういうとファーフニルは空高く舞い上がった。


「わー。ちょっと、ちょっと待ってください!!」

「えー、我すぐにでもブレスを吐けるのにー」


 あの、そのまま貴女がブレスを吐いたら大惨事確定です。

 なので私はファーフニルをなだめつつ、ここの一体にいる魔族やモンスターといった生き物を避難させるようにした。


 全部の生き物たちを退避させるのに数時間がかかり、辺りはすっかり夕方になっていた。


「ご主人様ー、もうやっても大丈夫ですかー?」

「ええ、もう大丈夫ですよ」


 ドラゴンの姿のファーフニルが大きく息を吸い込んだ。

 そして彼女の背びれがキラキラピカピカと光り、辺りの空気は雷を含んだ高熱量になっていた。


「我の最大必殺技、フォトンブレスゥゥゥーーー!!!」


 ファーフニルの最大級のブレスはあたりのモノをすべて吹き飛ばし、騎竜戦艦からまっすぐ数キロは真っ平らな道になった。

 そしてその中でも地面の低い場所は湖から水が流れ込んで数十メートル幅の水路になり、一瞬で運河が完成した。


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