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87 舞い上がる騎竜戦艦

第二章スタートです!

第二章はバーレンヘイム立て直しの内政がメインになります。

 次の日、私は本格的にバーレンヘイムの徹底立て直しをスタートする事にした。


 問題は山積みだ。

 魔神バッカス、騎竜戦艦、食糧問題、住宅問題、国庫と国費。

 とにかく一つずつ片付けていこう。


 まずは騎竜戦艦だ。

 この騎竜戦艦、魔界の溶岩湖に浮かべているものだが、まずはそもそもの経緯が見えない。

 なぜこんなとこに置かれたままになっているのか。


 そして、とにかくこれを動かす方法を考えよう。


 私はパラケルススとファーフニルとエリザベータを連れて現地に向かう事にした。



「これが騎竜戦艦……」


 『騎竜戦艦』


 それは、竜が引っ張る形で戦う巨大な船型の要塞である。

 空を飛ぶドラゴンに引っ張らせれば空挺戦艦になり、地上を走る地竜に引かせれば最強の重戦車になる。


 本来なら最強戦力として魔界のどの執政官も欲しがるような代物だ。

 しかし何が悲しいのやら、この騎竜戦艦は溶岩湖に浮かべられたまま壊れないように日々修理され続けている。


「失礼ですが、責任者の方はおられますか?」

「あ!? キサマラ誰じゃい?」

「申し遅れました、私は『テンタクルス・ネジレジアス』このバーレンヘイムの執政官です」

「あーそうかい、そんなお偉いさんがこんな場所に何の用じゃい。ワシら忙しいんじゃ」


 責任者は名前すら名乗ろうとしないトラ男だった。


「それは失礼しました。ですが、私も遊びに来たわけではありません。戦艦の中を見させてもらいますよ」


 私はパラケルススとファーフニルとエリザベータを連れて、騎竜戦艦の中に入った。



「熱いですね」

「ワシ暑さ対策してこなかったのだー、服を脱いでいいかー」


 オイオイ、そこの幼女。今アンタどんな姿しているかわかってて言っているのか?


(わらわ)なら氷の魔法が使えますから、氷の魔法で冷やしますかァ」

「ええ、頼みます」


 エリザベータが氷の魔法を使った……が、辺り一面が全て凍り付いてしまった。


「エリザベータさん、強すぎ、強すぎますよ!!」

「えッ。どうやらやりすぎてしまったみだいだねェ」


 このポンコツ吸血鬼、程ってものがあるでしょうに。


「ううううーワシ、寒いのだー」


 服を脱いだばかりだったもう一人のポンコツが凍えていた。


「……」


 普段エラそうな態度をしているはずのポンコツトカゲは寒さで動けなくなり、その場に凍り付いていた。

 なんで私の周りには、こういうどうしようもないのしかいないのだ!?


 私はどうにか凍り付いたファーフニルを抱え、パラケルススとエリザベータと戦艦の外に出た。

 戦艦の外は今度は灼熱地獄だ。


 凍り付いたファーフニルがあっという間に溶けて元に戻った。


「ご主人様ー。我、寒いの大嫌いなんです」

「ああそうですか」


 もう相手するのもアホらしくなってくる。


 しかし、このポンコツ連中をまともに使えば、この騎竜戦艦をどうにかできるかもしれない。


「ファーフニル、今から私の言う通りに動いてくれますか?」

「ご主人様のご命令でしたら」

「エリザベータ、貴女にもお願いしますよ」

「わかりましたわッ」


 私は戦艦の中で修理作業をしていたスタッフを全員避難させた。

 そして、エリザベータに氷魔法を使わせて、溶岩湖を凍らせた。


「コキュートスブリザード!」


 絶対の凍気が溶岩湖の一部を氷漬けにしてしまった。


「触手よ、伸びろー」


 私の触手は氷漬けになった騎竜戦艦の全体をがんじがらめにした。


「ファーフニル、私を一気に持ち上げてください」

「ご主人様、承知致しましたわ」


 ファーフニルが私を上空高くに持ち上げた。

 すると、私の触手でがんじがらめにされた騎竜戦艦が氷漬けの湖からバリバリと音を立てて持ち上がった。


「テンタタクルスー、ワシはこの貼りついたのをはがせばいいのだな、エイッ」


 パラケルススのバカぢからで貼りついた触手は引きはがされ、騎竜戦艦は数百年ぶりに上空に舞い上がった。


「どうやら成功のようですね」


 私が成功を伝えると、ファーフニルは嬉しそうに大きな咆哮を挙げた。

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