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86 第一章完結 明日から本気出す

とりあえず区切りの良いここまでで第一章完結です。

次からは内政立て直し編になります。

 鍋を食べていた全員に凄まじい魔力がみなぎってきた。

 これが私の触手の効果だというのか?


「ご主人様、我、何だか無性に空を飛びたくなったので出かけてきます」

「ファーフニル、どこに行くんですか?」


 彼女は私の制止も気にせずドラゴンの姿になってそのままどこかに飛んで行ってしまった。


「一体どうしたというのです?」


 だが異変は他にも起こっていた。


「てんたくるす様。拙者、無性に打ち込みがしたくなったので森に行ってきます」


「トモエさん? 貴女は何を??」


 全員みなぎる力を抑えきれないといった様子だ。

 パラケルススはさっきからブツブツ言っている。


「ワシは天才、ワシは天才、ワシは天才美少女なのだー」


 もうこれはほっておこう。


 そして、オクタヴィアはとても良い表情をしていた。


「テンタクルス様、今日はとても美味しい物をご馳走していただきありがとうございました」


 彼女のにこやかな表情は……かつて聖女と言われたくらい清々しいものだった。

 これが触手ドーピングの力だというのか?

 リオーネは猫化したまま床でゴロゴロしている。

 その表情はとても満足そうで、そのまま寝てしまいそうな勢いだ。


 前回のカオス鍋も酷かったが、今回のこれは一体なんだというのだ?


「アイヤー、鍋を食べた全員がおかしな挙動をしているアル」


 いや、貴女これ想定していなかったんですか。

 ウー・マイがきょとんとした表情でおかしな挙動をしている連中を観察していた。


「コレは改良の余地があるアルな」

「姐さん、オレっちも手伝うっす」

「ブブカ、それじゃそこの食べ終わったやつ片付けてくれアル」

「了解っすー」


 まあ前の時の食えたものじゃない鍋と比べれば雲泥の差。

 今回の鍋は極上ともいえるレベルだった。

 やはりウー・マイはこのバーレンヘイムに必須な料理人だ。


 明日以降の計画を考える必要があるだろう。


 しかし……私の触手には一体どんな効果があるというのだ?

 明日でもパラケルススに分析させてみる事にしよう。

 そして、普通に食べる物として使えるなら触手は生やし放題だ。

 肉芽があれば培養も可能。


 コレを使えばこの困窮したバーレンヘイムの食糧事情を解消する事も出来る。

 食糧事情さえ解決できればこの国を立て直す事もできるやもしれない。


 そうすればあの私を追放したポリコールに対抗する為の、最強軍団を作る事も可能だ。

 今まで諦めていたこの左遷先だったが、これは起死回生のチャンスだ。


 明日からは内政の立て直しに取り組む事にしよう。

 まずは必要のない物の大掃除、一層処分からだ。

 その後はインフラの立て直し。


 そして食糧事情の解消ときて、軍備の増強。

 やる事は山ほどある。


 だが食糧問題が解決すれば、当面はみんなのやる気も出るだろう。

 今日のこの惨状を反省点とし、明日以降の作戦を考える必要がある。


「オクタヴィアさん」

「はい、なんでしょうか?」

「明日から忙しくなりますよ。覚悟してくださいね」

「ええ、わかりました。頑張りましょうね」


 オクタヴィアがとてもいい笑顔でニッコリしていた。

 私は思わず可愛いと感じてしまった。


「テンタンタクルー、ワシも頑張るから褒めてほしいのだー」

「はいはい、明日から頑張りましょうね」

「わーい、明日から本気出すのだー」


 オイオイ、今まで本気出してなかったんかい。

 まあこの鍋パーティーで、みんなの気持ちが一つになったのは素晴らしい事だ。


「ウー・マイさん」

「ふぇっ? 何アルか??」

「明日からも、料理長として是非お願いしますね」

「わかったアル。泥船に乗ったつもりで任せるアル」


 あのー。泥船に乗ったら沈むんですが。


「ええ、是非お願いします」


 そしてしばらくして空を飛んでいたファーフニルが帰ってきて、トモエも戻ってきた。


 それぞれが全員部屋に戻った後でようやく私は寝る事が出来た。


 さて、明日から本気を出しましょうか。

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