78 美食求めて道沿いに
骨せんべいと人面魚の骨スープ煮はブブカが美味いと言っていたので、毒は無さそうアル。
「ワタシも食べてみるアル」
ワタシはまず魚を食べてみたアル。
火はしっかり通っていて、箸で持つと崩れそうなくらい柔らかい。
スープがしっかりとしみ込んだ魚の肉はとても柔らかく美味だったアル
「コレは美味しいアル」
「姐さん、今日のやつも美味かったっす、オレっち姐さんの子分になってよかったっす」
ブブカがとても喜んでいたアル。
まあ美味い物を食って喜んでもらえる相手がいると、料理人としてやる気は出るアル。
でもそろそろワンパターンになる前に、他にも食事を食べてくれる相手を探したいとこアル。
あのテンタクルスとかいう男、ワタシの食事を美味しいと言ってくれていたアル。
少しいい男だったし、また会えたらご飯作ってあげるアル。
「姐さん、飯食ったら今度はどこ行くっすか?」
「そうアルね。とりあえず人の多いとこ行ってみるアルか」
「それだとでーっかい建物があるっす」
「ふぇ? それはどこアルね?」
「オレっちが案内するっす」
ブブカが自信ありげに言っていたアル。
とりあえずご飯終わったら移動するアル。
ワタシは骨せんべいと人面魚のスープ煮を食べたアル。
まあ及第点ってとこアル。
あのキモい魚の姿を見ていなければそのまま食べれたかもしれないアル。
「ブブカ、食べ終わったら出発するアル」
「姐さん、了解っす」
食事の終わったワタシとブブカは荷物をまとめて道を歩き始めたアル。
ここら辺までは道が無く、どう歩けばいいかわからなかったアルが、今は足元に道があり、道なりに進めたアル。
「ブブカー、この道歩いたらどこに行けるアルか?」
「多分でっかい城が見えるっすー」
それはさっきも聞いたアル。
まあ人が多ければそれだけ食べ物もあるはず、食べ物があれば料理人の仕事もあるはずアル。
ワタシとブブカは数日道沿いに歩いて……ついに誰かいそうな場所に辿り着いたアル。
「姐さん。ここ何があるっすか?」
「わからないけど、何だか色々と転がっているアル」
ワタシとブブカが到着したのは何やら建物がぶっ壊れたような廃墟だったアル。
そこにはたくさんのガラスとよくわからない生き物とかが存在したアル。
「姐さん、これ錬金術の研究所っすよ」
「れんきんじゅつ? 何アルかそれ?」
「よくわからないけど凄い事をやるのが錬金術っす」
「そうアルか」
れんきんじゅつってのが何かよくわからないけど、とにかく今晩のご飯になりそうな食材があるのは助かったアル。
「ブブカ、今日のご飯はここにある物を使うアル」
「姐さん、了解っす!」
そしてワタシはその辺のガラスの中にあった何だかの生き物を取り出し、血抜きをしたアル。
この生き物は鳥と牛と何かが混ざっているような感じで、牛と鳥の美味しいとこどりの料理が作れたアル。
「姐さん! これマジで美味いっす!! もうないっすか?」
「アイヤー、あったのこれだけアル。後は腐ってて使えなかったアル」
「それは残念っす……」
ここの食べれそうなものはもう残っていないみたいアル。
仕方ないのでワタシとブブカは大きな道に沿ってずっと歩いて行ったアル。
すると、とても大きな城みたいな建物が見えたアル。
「姐さん、ここがこのバーレンヘイムの中央省庁っす」
「ほえー、デカい建物アルなー」
ワタシとブブカが建物に到着した時、時間的には丁度朝くらいだったアル。
そこに後ろから魔獣が引いた大きな荷車が通りかかったアル。
「姐さん、どうやらアレはここの食料みたいっす」
「ブブカ、アタシちょっと調べてくるアル」
ワタシは食材の荷車に入り込んで、そのままこの荷車の行先に入り込んだアル。
「さて、どんなとこに到着するアルかね」
そして、荷車は食堂らしきところに到着したアル。