73 スーパーオシオキタイム
オシオキの時間だ。
とりあえずファーフニル、トモエ、エリザベータはオシオキ完了。
残っているのはリオーネとパラケルススだ。
「テテンタクルス……ワシ、悪かったのだ。反省するからオシオキは勘弁してほしいのだ」
「言いたい事はそれだけですか……?」
「ひええええー、オシオキは勘弁してほしいのだー!」
パラケルススが涙目になっている。
さて、パラケルススにはどんなお仕置きをしてあげようか。
今まで好き放題に、人をおちょくってくれたお礼はしっかり返さないと。
「ふええええーゴメンナサイなのだー!!」
「今更謝ってももう遅いですよ!」
私は触手を伸ばし、パラケルススの身体をがんじがらめにした。
「ふええええー、ワシ、エッチな事はダメなのだー」
「何を勘違いしているのですか? そんなことしませんよ」
私は伸ばした触手を上下した。
「痛い痛い痛いのだー!」
「それは大変ですねェ、それは体の調子が良くないって証拠ですよ」
「ひえええええー」
私がパラケルススにしたオシオキは、ストレッチ地獄だった。
つまり、体のあちこちを触手で縛り、上下左右に体を伸ばすのだ。
あの変態ドラゴンのファーフニルなら喜びそうな事だろうが、一応は性癖はまともなパラケルスス相手なら一番効果がありそうなオシオキだ。
「わーギブギブギブギブアップなのだー!!」
パラケルススは涙目になりながら体のあちこちをストレッチされてギャン泣きしていた。
しかしまだアブソリュート様の呪いが来ないという事は、今やっている事はエッチな事と認識されていないという意味だろう。
しかしこれがファーフニル相手だったら性感扱いでアウトだったかもしれない。
「テンタクルスー、助けてほしいのだー」
「ダメです、もうしばらくそうして反省していなさい!」
さて、残るは獣人パワーモードのリオーネだ。
「ガルウウルウウウウウウウ!!!」
今のリオーネには言葉は通用しそうにない。
それなら方法は一つだ。
「触手よ、伸びろー!」
私は触手を伸ばした。
そしてその触手を更に変化させ、先端が丸くてふさふさな形にした。
「ガルル? フニャーン」
「さあ、触っていいんですよ。こちらへどうぞ」
私は触手を猫じゃらしのような形に変化させた。
そして狙い通り、リオーネはそれに飛びついてきた。
「今ですっ!!」
私はリオーネの尻尾を掴んだ。
これは一か八かの賭けだ。
「触手よ、リオーネの全身を縛り付けろ」
私の触手はリオーネの身体を、見事に縛り付ける事に成功した。
そしてその触手は、壁の向こう側の柱に括り付ける事が出来た。
「ではいきますよ」
私はリオーネの尻尾を調べた、するとそこにあったのは小さなトゲだった。
「このトゲを触って、こうすると!」
「フミャアアアーン」
リオーネの動きが止まり、力がへなへなと抜けたようだ。
「では縛りますよ!」
動けなくなったリオーネを縛り、ようやく全員のオシオキが完了した。
「フー疲れました」
私が一息つこうとしたその時、全身から力が抜けてしまった!
「しまったぁ! 時間切れかぁああ!!」
私の力がみるみる失われていく、そして私はその場に力尽きてしまった。
「一体何の騒ぎですか! 近所迷惑です」
タイミングの悪い事にオクタヴィアが部屋にやって来た。
私は動けないまま寝転がっている、壁には穴、他のポンコツ連中は全員触手でオシオキタイムの縛り済み。
こんな状況を見たらオクタヴィアはどう思うのか……。
「最低ですね……生きている価値無いんじゃないですか?」
普段以上に冷たい目でオクタヴィアが私を見下していた。
「ぐ、グガヤヤギャアアアアアーーー!!」
今回、私はエッチな事をしたわけではないのでアブソリュート様の呪いは受けなかった。
しかし、レベルオーバーの全盛期のオシオキに費やした力は、それ以上の代償を支払く事になった。
私は全身をバラバラにされるような痛みを三日間味わう事になった。
その上、触手がほどけた連中に、その間くすぐり地獄を延々と喰らう事になった。