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55 触手を食べるの?

 ファーフニルは縛られて喜ぶ変態だったのか。

 しかし私にはそういう趣味は無いのだが……。


「あああーん、ご主人様ー、もっと強く縛ってくださああい」


 巨大なドラゴンを触手で縛る光景、こんなモンどこに需要があるというのだ!?

 だが縛られたファーフニルは嬉しそうだ。


「あーん、もっと、もっと縛ってー。もっといじめてー」


 なんだか唖然として馬鹿馬鹿しくなった私はファーフニルを縛ってた触手を解いた。


「あーん、してほしい事の反対をするのって意地悪ーぅ」


 ファーフニルの目の中がハートになっている、私は非常に嫌な予感がしていた。


「あ、ご主人様はドラゴンの姿よりもこちらの姿の方が好きですかぁ?」


 ファーフニルは光を放つとだんだんサイズが小さくなり、私より少し小さいくらいの女性の姿になった。


「ご主人様ぁ、この姿なら可愛がってくれますか?」


 またこのパターンか、もう私はうんざりしていた。

 ポンコツ女達から逃げてきたはずなのに、目の前にいるのはまた別の変態ポンコツドラゴン。


「ハァ」


 私はため息をついていた。


「ご主人様、我、ご主人様の為なら何でもいたしますぞ。もしお望みなら子を宿す事も」


 ファーフニルはその豊満な胸を私に見せつけてきた。

 この大きさはリオーネに匹敵する程だ、かなりデカい。


「い、いえ。私は今とてもそういう気にはなれませんので」

「遠慮しないで良いですよ。我、ご主人様の望み通りにしますから」


 この強引さ、話の通じなさ、このドラゴンも間違いなくポンコツだ!


「あのー、ワタシらどうすれば良いアルか?」

「はい?? 貴女達は?」


 先程ファーフニルに追いかけられて壺に隠れていた二人組が壺の中から出てきた。


「ワタシ、ウー・マイ言うね、助けてくれてありがとうアル」

「オレっちはブブカ、姐さんの子分っす」

「はあ、そうでしたか」


 ファーフニルが二人を凄い形相で睨みつけている。


「キサマラ、まだ生きておったか。今すぐ殺してやる!」

「ファーフニル! やめろっ」

「え……しかしご主人様」

「やめろと言っているのだ……聞こえなかったのか」


 ファーフニルは不本意ながらも私の命令に従った。


「とりあえず落ち着いて話を聞かせてくれ」


 私はファーフニルから自身の玉子をウー・マイに食べさせられた話を聞いた。


「はあ、それはどう考えてもウー・マイさんが悪いですね。でも、彼女はその玉子がファーフニルの物だとは知らなかったのですよ」

「そうアルそうアル、ワタシそこのドラゴントカゲの機嫌取るために美味しい料理を作っただけアル!」

「キサマ、謝るという事を知らんのか!!」

「二人共黙れっ!」


 私はとにかくこの二人のいがみ合いだけは止めさせた。


「つまりです、ウー・マイさんは迷子でこの山にいた、ファーフニルは寝ていたら勝手に入ってきたウー・マイさんに玉子を料理されて食べさせられた、こういう事ですね」

「それで合ってるアル」

「そうです、ご主人様」


 あまりのしょーもないオチに私は馬鹿馬鹿しくなってきた。


「グウウウウ」


 気を抜いた途端、私は空腹感を感じた。

 そういえば私は夕食を食べていなかった。


「おや、お兄さん。お腹すいたアルか?」

「いやー、お恥ずかしい話ですが何も食べてなかったんです」

「私に任せるアル! ブブカ、何か食材探してくるアル」

「……姐さん、これで良くないっすか? 適度な太さに肉感、これなら使えないっすか?」

「ブブカ、でかしたアル! そこのドラゴントカゲも悪かったアル、今からご飯作るから一緒に食べるアル」

「……ご主人様の手前、キサマラの命は見逃してやろう。だがあまりに不味い物を食わせたら命が無い物と思え!」


 あのー、見逃すと言いながら命が無いって……言ってる事矛盾してませんか?

 しかし、あの食材は……私の触手ではないか!


 いくら料理しても、こんな物が食えるのか?

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