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51 激おこドラゴン大火炎

「このファーフニルを愚弄した罪、死して償え!!」

「ふぇええええ! 一体何アルか!?」

「姐さん当然っすよ! アレで怒らない方がおかしいっす」


 ブブカがめっちゃ焦ってたアル。

 でもなんでこの大トカゲここまで大激怒しているアルか?


「ブブカ、当然ってどういう事アル?」

「姐さん、本気で分からないっすか!? 姐さんはファーフニル様の玉子を本人に食わせたんすよ!!」

「それってどういう事アル?」

「だーかーらー、自分の子供を料理にされて食わされて怒らない母親がいるわけないでしょ!!」


 …………それめちゃくちゃやばいアル!!


「ふぇええええ、どうしようアルどうしようアル、謝っても許してもらえないアル?」

「おしまいだー! オレっち死ぬまでに嫁さん欲しかったっすー!!」

「どうにか逃げるアル!」


 ワタシとブブカはめちゃくちゃ怒ったドラゴントカゲのファーフニルから逃げる事にしたアル。


「逃がさんぞ! 愚か者ども!!」


 ファーフニルがまた火炎を吐いてきたアル、このままじゃ二人ともこんがり焼けてしまうアル。


「伝説の厨具、灼熱火鍋アル!」


 伝説の厨具『灼熱火鍋』これはどれほどの高温でも絶対に溶けないという伝説の厨具アル。

 ワタシ達はその灼熱火鍋の陰に隠れたアル。


 ワタシの上をめっさ熱そうな炎が吹き荒れてるアル、でも灼熱火鍋のおかげでワタシらはこんがり焼けずに済んだある。


「ふー、間一髪アルね」

「姐さん、姐さん、そんな事言ってる場合じゃないっすよ!! ファーフニル様今ならオレっち達が焼けたと思って油断してるっす、その間に逃げるっすよ!!」

「アイヤー、分かったアルね」


 ワタシらどうにかこうにかでファーフニルから逃げる方法考えたアル。

 この岩場のゴツゴツしたとこの崖、とりあえず下に飛び降りて後無事だったらどうにか逃げるアル。

 その為に使える伝説の厨具は……『恒河沙の壺』、これアル!


 『恒河沙の壺』これは絶対に割れず、中に入れた食材は完全な状態で保存出来、そしてじっくりと熟成させる伝説の厨具アル。

 この壺の中に入ってゴロゴロ転がって落ちた先で壺から出れれば熟成もされずにそのまま無事でここを逃げ出せるというわけアル


「ブブカ、逃げる方法が見つかったアル」

「姐さん! それマジっすか!!」

「バカ、声がでかいアル!!」

「姐さんこそ声がでかいっすよ!!」


 あーあ、ドラゴントカゲのファーフニルがワタシらが生きてることに気がついてしまったアル。


「キサマラ……生きていたのか、まあいい。死ぬ時間が少し遅くなっただけだ、キサマラに死をくれてやろう!!」

「そんなものいらないアルー!!」

「オレっちだって欲しくないっすー!!」


 ドラゴントカゲのファーフニルがワタシを睨んできた、なんか見てるとフワフワしてきそうな感じアル。


「姐さん、危ないっす!」


 ゴワーン!!


「……ぐぇ! 痛いー! ッブブカ、いったい何するアルか!?」


 ブブカは『愛叡智の鉄板』でワタシを殴ってきたアル。


「姐さんはファーフニル様に睨まれて魅了されかけたんっすよ!!」

「ふぇええ、ワタシ正常アル、女に惚れるとかおかしいアル」

「それがドラゴンの魔力なんすよ、オレっち達がどう考えても勝てるわけの無い相手っす!!」


 それってマジでやばいアル、どうにか逃げださないとマジで死ぬアル。


「ブブカ、それ持って走るアル!」

「わかったっす、姐さん!」


 ワタシらはどうにかドラゴントカゲの巣から逃げて、断崖絶壁の前についたアル。


「ブブカ、その壺に入るアル!」

「わかったっす、って狭い、狭いー!!」


 この壺、中身はいくらでも入る魔法の壺アル。


 でもやっぱコイツ豚アル、壺に引っかかって中に入らないアル。

 ワタシはさっきのお返しとばかりに愛叡智の鉄板でブブカの頭を叩いて押し込んだアル。

 そしてブブカが入った後にワタシも壺の中に入ったアル。


 しまった、このままでは二人とも動けないアル!!


「無駄な事だ、我の灼熱の炎で死ぬがよい!」


 ドラゴントカゲのファーフニルが火炎の息をめっちゃ強く吐いてきたアル。

 その炎の波で断崖絶壁の上の壺が揺れて転がったアル。


 そしてワタシらは崖の下に落ちていったアル。

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