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50 ドラゴン怒りの大爆発

 ドラゴンって何アルか?

 どう見てもこっちを見てるのは超巨大なバカでかいトカゲか龍のできそこないアル。

 ひょっとしてこのバカでかいトカゲがドラゴンって言うアルか??


「ブブカ、ひょっとして……アレがドラゴンアルか?」

「姐さん、ドラゴン見た事ないんすか!? ありゃあどう見ても立派なドラゴンそのものですよ!!」


 どうやらこのバカでかい緑トカゲがドラゴンらしいアル。


「……我の眠りを妨げたのはキサマらか!」

「ひぇええええ!!」


 地の底から響くようなトンデモないデカい声が聞こえてきたアル。

 コレがドラゴン、まるで龍のようなバケモンアル。


「寝てたなら悪かったアル、起こしてすまんかったアル」

「何だそのしゃべり方は、我を愚弄しておるのか?」

「姐さん姐さん、ドラゴンっすよ、最強のモンスターっすよ! もっと下から物言いましょうよ」


 ブブカがめちゃくちゃビビっている、このトカゲそんなに強いアルか。


「ふざけた連中だ、よほど死にたいのか?」

「アンタ声デカすぎてよく聞き取れないアル」

「ふざけるなぁ!!!」


 バカでかいトカゲが鼻息でワタシらを吹き飛ばしたアル。

 コイツ随分と気が短いアル。


「アンタそんなに怒ってたら健康に良くないアル」

「なんだと?」

「せっかくだからアンタもこれ食べれば良いアル」

「姐さん……それはちょっち」

「ブブカ、どうしたアル? 父さん言ってた、怒った相手には美味しいものを食べさせると機嫌がよくなるって」

「でもそれって……アレじゃないっすか」


 ブブカはいったいこの料理の何がそんなにダメだというアルか?

 美味しいものを食べたらこのバカでかいトカゲもきっと機嫌よくなるアル。


「トカゲさん、とりあえず落ち着くアル。まずはまあコレを食べるアル」


 ワタシは特製ソースを縫ってこんがりと焼いた饅頭をお茶と一緒に用意したアル。


「我に供物を寄こす事で命乞いという訳か、まあよかろう」

「でもアンタデカすぎてこれっぽっちじゃ足りないアルか?」

「しばし待て、姿を変える」


 そういうとバカでかいトカゲはいきなりめちゃくちゃデカい叫び声をあげて黄色い気体に包まれたアル。

 その気体が晴れた時そこにはなんかめっさ美人なお姉さんが立っていたアル。


「これでどうだ、我にとって姿を変える事等、造作もないことだ」

「ふぇー、あのバカでかいトカゲがめっさ美人さんになったアル!」

「トカゲトカゲと無礼だな、我はファーフニル、誇り高きドラゴンだ」


 どうやらこのトカゲ、ドラゴンと呼ばないと怒るみたいアル。


「ファ……ファーフニルって……」


 ブブカがその名前を聞いて茄子みたいな色にめっさ顔を青ざめさせていた。


「ブブカ、知ってるアルか?」

「ししししし、知らないんすか!? ファーフニルといえば世界最強最悪のドラゴンの名前ですよ!!」

「ほう、ぬしは我の事を知っておったか、左様、我がファーフニルだ」

「姐さん、絶対、絶対この方を怒らせてはいけないっすよ、怒らせたら命がいくつあっても足りないっす!」


 ファーフニルとかいったバカでかいトカゲの変身した美人さんはワタシの作ったトカゲのキノコソースウー・マイ風と焼きまんじゅうを食べた。


「ほう。これは美味いではないか」

「姐さん、これで許してもらいましょう……」

「何であるか? まだ『めいんでぃっしゅ』を出してないアル」

「だーかーらー、それはヤメるっすよ!!」

「ファーフニルさん、これも召し上がってくださいアル」


 ワタシは半熟卵の特製ソースがけをファーフニルに食わせたアル。


「何だ!!! これは、珠玉の味ではないか! 信じられん、これほどの美味は長年生きてきて初めてだ!!」

「姐さん! 成功っす、これで許してもらいましょう!」

「そうアルか、材料はその辺にあった物アル。おいしそうな玉子があったのでそれを半熟でワタシのすぺしゃる技術で料理したアル」

「……その辺にあった玉子、だと?」


 ファーフニルの様子がいきなり豹変したアル。


「キサマ、我に自らの子を食させたというのか!?」

「ふぇ?」

「許さん……キサマら! 許さんぞ! 死して償え!!!」


 なんかいきなり怒ったファーフニルが巨大なドラゴンの姿に戻って炎を吐いてきたアル!!

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