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5 高次元の者の『えこひいき』

 私の攻撃が……何故出せない!? こんな事があるのか!


「アレー? センパイ……何かするんじゃなかったんスか~?」


 ポリコールがニタニタした目で私を見ている、奴は何をしたというのだ?


「くやしいですねぇ~。目の前のオレに手も足も出せないんだから!」


 これが奴の作った結界『ダブル・スタンダード』だというのか!? 

 私には精神系も肉体系も完全耐性がありデバフ系は全て無効化できるはずなのだ!

 だが、これはそれらのデバフとは根本が違う、動く事すら概念として受け付けないのだ!


「この『ダブル・スタンダード』はオレだけが許される世界。オレ以外のモノが勝手に動く事を高次元の方々が一切許さないんですよ~」


 何だと!? そんな都合のいいものは世界の摂理すらを完全に超越したものではないか!!


「そして、センパイの強さは……今やオレ以下のゴミクズなんですよ~」

「ふざけるな! 魔王軍最強の私が何故貴様以下だと!?」


 しかし……何故かこの結界に閉じ込められてから私の身体が思うように動かないのだ!

 こんな事は今まで一度かつて存在しなかった!

 過去、勇者や女神、最強の破壊神に邪竜王。どれも私の前には敵ですらなかった。

 中には私に屈服する為に自ら女体化すらしたものもいたくらいだ!


「さーて。ここからはカッコいいオレの出番を見たいと高次元の方々がおっしゃっておられますからね、一気にやりますよ!」


 さっきのヘナチョコ攻撃しかできなかったポリコールが偉そうな態度を見せた。

 その直後!


「ヒャハハハ! ブザマに転がれよォ!!」


 ズガァアアン!!


「!?」


 何故だ!? 私がポリコールに吹っ飛ばされた!? しかも、耐性全て無視だと?

 バカな! こんな攻撃、この世界にあり得るわけがない!


「あー言い忘れましたけど~ 今のオレ、レベル120なんでー」


 レベル120だと!? 世界の上限は99のはず! コイツは世界の常識すら捻じ曲げるのか?


「でもダメっすよー、レベル120は高次元の方々が創造神に圧力をかけた物なので~、反対にセンパイはレベル30に格下げですよ」

「何だと!?」

「高次元の方々が女性を食い物にする奴を消せって言ってたんですよ、でも消すのは別世界から反論がありそうなのでそれならレベルを落としてフルボッコにしろと言ってるんですわ」


 何だと? 世界のルールすら無視した無茶苦茶な不条理でさすがの私にも何が起こっているのか理解が追い付かない!!


「そして……カッコいいオレがハーレムを作るのは良いが、モブ顔のセンパイがハーレムを作るのも高次元の方々は許せないんですよ~」


 私にはようやくポリコールの結界の正体が理解できた。

『ダブル・スタンダード』それはただの高次元の者と呼ばれる連中の『えこひいき』である。


「哀れなものだな……自ら努力できないとは」

「はあっ?」

「与えられたものにだけかまけて自ら何も生み出せない、何も育てられない。だから他者の努力を踏みにじって自身の小さな自尊心を満足させているのだろう……」

「テメェ……もう一度言ってみろやァーーー!!!」

「何度でも言ってやる! 貴様は自ら努力できない弱虫だ!」


 ポリコールは図星を突かれて激昂していた。


「!??」


 私にえも言えぬ謎の圧力が襲い掛かってきた! 動く事すら出来ない! これが高次元の者とやらの力か……よほどポリコールを馬鹿にされたのを許せなかったようだ。


「フン。私を消せるなら消してみろ! 他者に任せるだけで自ら手も出せない俗物が!!」


 更なる圧力が私を襲う! 奴らは私のレベルを更に低くしようとしているようだ。卑怯な連中だ。


 だが、ポリコールの力の正体は分かった。確かに今はこいつに歯向かうのはやめた方が良いだろう。

 消滅さえしなければ魔族の寿命は長い、機会はいくらでもあるのだ。


「センパイ……オレを舐めて余裕ぶっこいてるならこっちにも考えがありますよ!」

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