48 ウー・マイの美食探求
久々のウー・マイと子分のブブカの話です。
ワタシの子分が出来たアル。
コイツ、ブブカって名前だっていう、まあブタみたいな見た目でブブカって見た目そのものな感じアル。
「ブブカ、ここっていったいどこアルか?」
「姐さん、ここはバーレンヘイムのはずれ、ナンモナイ山です」
ふぇ?? なんもないさん? そのまんま過ぎアル。
というか、ばーれんへいむっていったいドコアルか?
私、やっぱりここは地獄に来てしまったみたいアル。
「姐さん、バーレンハイムってここですよ」
「ふぇ? ここって地獄じゃないアルか?」
「まあ人間どもは地獄って言ってるとこかなー」
やっぱりここ地獄じゃないアルか、ワタシみたいな善良で可愛い女の子がなんで地獄行きアルか??
やっぱり可愛いのが罪だったのか、ああ美人薄命とは言ったものアル……。
「姐さん? どうかしましたか?」
「ブブカ、この山からどうやったら他のとこ行けるアルか?」
「そうですねー、とりあえずはドラゴンの住処さえ通らなければ」
「ふぇ? ドラゴンって何アルか??」
ブブカがとても怯えたような声になったアル。
「姐さん、ドラゴンって言ったらそりゃあもう、めっちゃおっかない奴ですよっ、オレっちなんて美味しくいただかれちゃいます」
まあブブカはどう見てもブタだからこんがり焼いたら美味しくいただかれそうでアル。
でもそこまで怖いって、そんな奴いるなんてここやっぱり地獄アル。
「とにかくそのドラゴンってののいるとこ通らなきゃいいアルね」
「そうですわ、その為に遠回りしましょう」
ワタシはブブカと一緒にこの山を下りる事にしたアル。
ブブカはワタシの子分になったので伝説の厨具のデカいのはコイツに持たせたアル。
しばらく歩いたワタシ達はお腹がすいてしまったアル。
「ブブカー、この山はどこまで続くアルか?」
「うーん、大体今でようやく5合目ってとこっすかね」
それってまだまだ先があるって事ある、そしてここは道がうねうねしてるので上に登ってるのか下に下ってるのかがまるで分らないアル。
お腹はもうペコペコになったアル、ワタシ達は少し休む事にしたアル。
「ブブカ―、もう動けないアル、何か食べる物ないアルか?」
「姐さん、オレッちちょっとこの辺り探してくるっす」
ブブカはアタシを置いて食材を探しに行ったアル。
ここには何もいないから襲われることはないと思うのでワタシは少し寝てしまったアル。
「ZZZ…………」
「姐さーん、見つけてきたっす! これ食いましょう」
ブブカは空気を読まずにワタシがウトウトしかけたところで戻ってきたアル。
全く空気の読めない奴アル。
そんで、ブブカの持ってきたのはよく分からん虫とよく分からん草、それによく分からん腐りかけの木の実、よくもまあこれだけハズレの物ばかり拾ってきたものアル。
それでもこの超絶美少女天才料理人、元皇帝お付きの特級厨師のワタシの手にかかれば最高の料理になるアル!
ワタシは虫をお湯で茹でてから殻をむいたアル。
お湯は永久霊蔵庫の中にあった氷を溶かしたものアル。
茹でてむいた虫はエビみたいな見た目になったアル。
これを特製の油でカラッと揚げてから、さっと湯通し、そして特製のタレをかけて、よく分からん腐りかけの木の実をカビを取って裏ごしして丁寧にソースを作ってよく分からん草は細かく刻んでからパラパラと散らしたアル。
完成! よく分からん虫の腐りかけの木の実ソースのよく分からん草スパイス和えアル。
よく分からん虫に毒があると困るのでブブカの奴に先に食わせるアル。
「ブブカ、完成したアル」
「姐さん! 流石っす、めっちゃ美味そうっす!!」
「ブブカが先に食っていいアル」
「マジっすか!? ごっちゃんです!!」
これでブブカがすぐにお腹痛いとか言わなきゃ問題ないアル。
どうやら問題無かったみたいアル。
ワタシは胸にしまってた饅頭の元を出して平たく伸ばして軽くあぶったアル。
どうにか食事は無事に済んだアル、さてどうにか山を下りるアル。