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46 食事はみんなでとる物

 とにかく掃除をしなくては。

 パラケルススは自分の新しい研究部屋が欲しいので張り切って掃除をしていた。

 エリザベータは隅っこの方を掃いているのだが何もない所をずっと同じように掃きながらブツブツ言っている。

 トモエはとにかくやる事が大雑把だ、掃除しているのか壊しているのか。

誰が彼女を清掃班に回した? 明らかに人事ミスとしかいえない。


「皆さーん、そろそろお昼ですよー。食堂に行きましょう」

「ワシはお腹ペコペコなのだ」

「妾は新鮮なジュースがあればいいんだけどォ」

「うむ、もうそのような時間なのか」


 私達はぞろぞろと食堂の方に向かった。



 食堂に着いた私達は一番安い定食を人数分選んだ。

 厨房にいるリオーネは食堂に来た私に気付いたようだったが、無視された。

 人数分用意された食事を私達は同じテーブルで食べる事にした。


「うへぇ、この肉何だか実験失敗した生き物の出来損ないみたいな臭いがするのだ」


 いったいどんな臭いだというのだ? まあかなり酷い臭いなのは理解できる。


「トマトジュース無いのォ? これ美味しくない。美味しくないもの食べさせられるくらいなら死んだ方がマシ……やっぱ死にたい」


 このダメ吸血鬼は変なスイッチ入ったままだ、食べながら死にたいを連呼しないでくれ。


「テンタクルス様、拙者……妻として其方に食べさせる練習をしたいのだが、口を開けてはもらえないだろうか? あーん」


 ベキィ!


 何やら厨房の奥の方で何かが壊れるような音が聞こえたが、何があったのか私は怖くて見る気になれない。

 多分リオーネが何かをしたのだろう……彼女とはしばらく顔を合わせない方が良さそうだ。

 私も他のみんなと同じように食事をしたのだが、もう財布の中身が殆ど無い。

 次の給料日までかなり時間があるんだが、これでは身が持たない。

 前借りも出来ないのでこの大食漢の居候をどうすれば良いのか考えると私は胃が痛くなってきた。


「皆さん、食べ終わったらまた掃除の続きをやりますよ」

「わかったのだ」

「ハイ……やりますよォ」

「心得た」


 私達はイマイチな食事を済ませ、再び午後も大掃除の続きを始めた。

 しかしここには物が多すぎるだろう、奥から触手を使ってどんどんいらない物を処分しているがまだ床がほとんど見えない。

 しかし書類系は下手に捨てると後でロクな事にならないので全部後で確認しなくてはいけないが、それが天井近くまで積まれているのが後どれくらいあるやら。


 結局夕方近くまで掃除しても床の一部が見えただけで今日の就業時間が終わった。

 そして私達は宿舎に全員で一緒に帰る事になった。

 トモエとエリザベータが私のそばにいる、頼むから触れないでくれ。

 触れられるとまたアブソリュート様の呪いで酷い目にあってしまう。


 部屋に戻ってきた私の後ろに何故かエリザベータとトモエも一緒にいる。


「あの……貴女達は自分の部屋あるんじゃないんですか?」

「妾は……寂しいと死んでしまうのョ」


 アンタ不死身のバンパイアロードだろうがッ!!


「拙者……テンタクルス様の妻になる為に花嫁修業をしたいと思い……それなら一つ屋根の下に住んだ方が良いかと思った次第にございます」


 愛が重い……しかしずっと一緒って……貴女は私をアブソリュート様の呪いで殺すつもりですか!?


「ワシはテンタタタンスの居候なのだ、なので一緒の部屋にいるのも当然なのだ!」


 頼むからみんな私を一人で静かに寝させてくれ……。

 そう思っていた所に更なる人物が現れた。


「あら、テンタクルスさん。早速バーレンヘイムでもハーレムを作ってるんですね。手が早い事で」


 冷たい蔑んだ目で私を見ていたのはオクタヴィアさんだった。


「え……貴女は一体、何か御用でしょうか?」

「先日、買い込みすぎて食べきれない物があったから、折角だからアナタも給料も出る前で困ってるでしょうからさしあげようと思ったんですが……必要なかったようですね」


 私は一体どうすれば良いんだ?

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