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38 開かずの扉を開けろ

 最強ホムンクルスと化したパラケルススのパワーはとても凄かった。

 私もレベル89だった時は何をするにも余裕のパワーがあったが、今はレベルを奪われてしまいたかだかレベル30のザコなのである。


 その強さから考えるとパラケルススのレベルは60台後半くらいはあるかもしれない。

 実際リオーネと同じくらいの強さだろう。


「テンテンクルスー、ワシ何すればいいのだー?」

「まあそこでお菓子でも食べててください」

「あの、それ備品じゃなくて私の私物なんですが」


 オクタヴィアが言う前にパラケルススは袋の中身のお菓子を全部口に入れてボリボリ噛み砕いていた。

 オクタヴィアがこちらを冷たい目で見ている。


「テンタクルスさん、とりあえずこれ……わざわざ中央から取り寄せた最高級品だったんですけど」

「すみません」

「まあいいです、15000ゴールド、来月の貴方の月収から引いておきますので」

「!!??」


 何だってぇー!? このお菓子そんな高級品だったのか?

 それをこのポンコツホムンクルスは一瞬で全部食べてしまったのか!


「ふー、美味しかったのだ。おねーちゃんありがとうなのだ」

「どういたしまして」


 オクタヴィアが私には絶対に見せないようなにこやかで聖女のような微笑みをパラケルススに見せていた。


「貴女、そんな顔も出来るんですね」

「貴方……人をのぞき見するなんて最低ね、この変態最低お下劣覗き見ロリコン触手魔族」


 私の蔑称がさらにレベルアップしている、私はロリコンではないのに……パラケルススのせいでロリコン属性まで蔑称に追加されてしまったようだ。

 この蔑称はどこまで悪化するのだろうか、私は胃が痛くなってきた。


「おねーさま、テンタンタンをそんなに悪く言っちゃダメなのだ。ワシの大好きな人なんだから」


 オクタヴィアが不思議そうな顔をしている、何故パラケルススが私を好きになってしまったかの理由は流石に伝えていないのだ。

 これで惚れ薬の失敗なんてわかった日には私はオクタヴィアにさらに罵られて針の筵で胃薬が欠かせなくなってしまう。


「テンタクルスさん、どうやら彼女は貴方に懐いているようなので仕事のレクチャーはお願いします」

「わかりました、オクタヴィアさん」



 私とパラケルススの二人は庁舎の中の開かずの扉の前に立っていた。


「テンタンタンス、ここは何なのだ?」

「どうやら開かずの扉のようです。前任者がカギを失くしてしまった為に誰も入れなくなってしまってるんです」

「そこでワシの出番ってわけなのだな!」

「ええ、ここの鍵を開けてくれると助かります」

「お安い御用なのだ! えいっ」


 パラケルススはいとも簡単に鍵をぶち壊して開かずの扉を開いてしまった。

 中には……干からびたミイラがいた!


「ギャアアアアアア――――!!!」


 パラケルススの叫び声は辺り一面に超音波として響いていた。

 その影響でいくつかの窓ガラスが粉々に砕けた。


「パラちゃん落ち着いて、落ち着いて」

「ううううーーーお化け怖いのだー! 怖いのだ―――!!」


 どうやらパラケルススはホムンクルスの脳までは自分の物にしていない様だ。

 魂はパラケルススでも彼女の脳はお子様相当になっているらしい。

 なのでお化けやゴキブリみたいなものが怖いというのも仕方ないようだ。


「ううううーテンタタクルスー。ワシ怖いの嫌なのだー」

「ハイハイ落ち着いてね、パラちゃん」


 どうやらパラちゃんと言ってなだめてあげた事でパラケルススは落ち着きを取り戻したようだった。


「しかし、なぜ開かずの扉にミイラが??」


 私はオクタヴィアに開かずの扉の事を伝える事にした。

 話を聞いたオクタヴィアは開かずの扉の中のミイラを見てため息をついていた。


「はあ、これは探さないでくださいと言って姿を消した先々々任者のバンパイアロードさんです」


 どうやらこのバンパイアロードは探さないでと引き籠ったものの、外の鍵が無くなってしまい出るに出れなくなりミイラになってしまったらしい。

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