31 ウー・マイの魔界放浪記 後編
ワタシ大ピンチアルね!
可憐で哀れな美少女はブタみたいなオッサンに襲われる寸前、でも助けてくれるイケメンがいないアル。
仕方ないのでどうにか助かる方法考えるアルね。
ワタシは今食べ始めたよく分からない鍋を仕方ないからブタみたいなオッサンに分けてあげる事にしたね。
「アンタも食べたいアルか?」
「くれ、オレっちに全部くれ」
コイツ厚かましいアル。
確かにあげるとは言ったが全部食べていいとは一言も言ってないアル。
でもここで下手に断るとアタシがアイツのごはんにされてしまうアル。
もっとひどい場合だとごはんよりオカズにされてお嫁に行けなくされてしまうアル!
「全部はダメだけど半分あげるアル」
まあよく分からない虫とよく分からないキノコやよく分からない草で出来た物なのでこのブタみたいなオッサンに毒見してもらうのも悪くないアル。
食べ始めたとはいえワタシの健康の保証の為にブタみたいなオッサンに犠牲になってもらった方がアタシも安心して食べれるアル。
「半分じゃなくて全部よこせ」
「アンタ酷いアルー!!」
ブタみたいなオッサン、私に剣を突き付けてきたアル、コイツ性格最低アルね。
でも下手に逆らったらマジでこのチャーシューみたいなオッサンに殺されてしまうアルね、仕方ないから全部食べさせてあげるアル。
「……わかったアル。これ全部あげるアルね。」
「ブヒー、ブヒー、わかればいいんだよ! じゃあそれ全部よこせ」
ブタみたいなオッサン、私の作った鍋全部食べ始めた、それでダシに使ったよく分からない骨まで全部残さず食べたアルね。
まあ料理人として作ったもの残されずに食べてもらえるのは嬉しいが、どうせならこんなブタみたいなオッサンでなくかっこいいイケメンに食べてほしかったアル。
「ふー、食った食った。オマエ、良い物食わせてくれたな」
「どういたしましてアル」
「オマエ、可愛いな。オレっちのヨメにならねえか?」
「フェッ? いきなり何を言うアルか?」
「オレっち、この辺りに住んでるオークのブブカいう。オマエ、オレっちのヨメにする」
「アイヤー! 嫌アル! こんなブサイク絶対嫌アルっ!!」
ワタシは思わず空っぽになった灼熱火鍋でこのブタみたいなオッサンをぶん殴ってしまったアル。
ゴギャン!
凄い音立てて鍋でヒットされたブタみたいなオッサン吹っ飛んだ。
ワタシ、ブタみたいなオッサンひっくり返ったうちに荷物まとめて一目散に逃げだしたアル。
「ブゴーブゴー! オマエ、可愛いだけじゃなく強いな、ますます気に入った!」
「アイヤー!!! ブタみたいなオッサン全然効いてないアル!」
乙女の大大大ピンチアル! このままではワタシあのチャーシューみたいなオッサンに捕まってブタみたいな子供たくさん産まされる事になるアル、そんなの絶対嫌アル!!
ワタシはどうにか逃げ出す事にしたアル、やはりここは地獄アル!!
「待てー、オレっちのヨメっこー!」
「イヤー! チャーシューの奥さんなんて絶対嫌アルー!!」
ワタシは逃げまくったアル、しかしこの岩山、本当に何も無いとこアル。
逃げるにしてもゴツゴツとした岩山ばかりで中々思ったように動けないアル。
チャーシューが後ろから追いかけてきた、このままじゃ捕まってワタシあいつに美味しくいただかれてしまうアル!
「こうなったら、これでも喰らえアル!!」
グワワーン!
私は灼熱火鍋を岩山の崖に叩きつけたアル。
凄い音して崖が揺れた後、上の方の小石がたくさん落ちてきたアル。
「オレっちのヨメっこ―! もう逃がさないぞー」
私がチャーシューに捕まりそうになってた時、丁度チャーシューの上から大きな岩が落ちてきたアル。
チャーシューは岩の直撃を喰らってのびてしまった、流石にやりすぎたアルか?
「おーい、チャーシュー。生きてるかーアル」
チャーシューはその後起き上がってワタシに土下座したアル。
「アナタ様の強さ、参りました、これからは姐さんと呼ばせてください! オレっちはブブカと言います」
「フェッ? いきなり何アルか?」
「姐さん、オレッちをアンタの子分にしてください」
「……わかたアル」
何やら知らないうちにワタシは地獄で子分を手に入れてしまったアル。




