30 ウー・マイの魔界放浪記
「フェ? ここどこアルか?」
ワタシは『ウー・マイ』可憐て賢い美少女特級厨師の天才料理人アル。
ワタシは地獄に続くという山の所で大臣のトウアクに襲われて火山の河口に落ちそうになったアル。
でも賢いワタシは火山の河口で大やけどする前に伝説の七厨具『永久霊蔵庫』の力でその中に入って火傷しないで済んだアルね。
まあ伝説の七厨具も一緒に『永久霊蔵庫』の中入ったので全部無くさずに済んだアル。
これさえあればどこでも料理出来るアルね。
けど流石に食材が無いと料理できないアル。
そしてここがどこだか全くわからないアルね、多分地獄ってとこきたアルね。
「フェエエ、ワタシ迷子アルね。ここどこかわからないアルね」
ワタシは思わず泣きそうになってしまった。
でも泣いても誰もごはん用意してくれないアルね、ごはんは自分で手に入れる物と父さん言ってたアル。
見渡す限りなーんも無いところ、土しかないアルね
仕方ないので一度土食べてみるある、これきちんと根拠アルこと。
つまり、土が豊かだとどんな場所でもいい食べ物取れるアル、肉、魚、野菜、どれも土が大事ね。
魚に何故土が? それは魚の餌になる小さいもの川から流れてきた栄養取るからね。
土が汚いと川が汚くなる、そうなると川の魚の餌も悪くなる、これ食物連鎖で美味しい物食べる為に知っておく豆知識アルね。
さっそくワタシは土を拾って少し食べてみたアル、少しジャリジャリするあるが……その味は?
「ウゲェー! ペッペッペッ。 こんな不味い土食べたの初めてアル!!」
ここの土最悪ね、何が悪いと言えば全部が悪い
苦い、臭い、エグイ、コクが無い、しょっぱい、ボロボロしてる。
最悪の馬糞を更に数か月放りっぱなしにして腐ったものよりヒドイ臭いアル。
こんな土食べたら気分悪くなってきたアルね。
「グーゲロゲロゲロゲロ…………」
ワタシは胃の中にあったもの全部土に吐き出したアルね、これ程不味い物はワタシが小さい頃失敗した料理以来アルね。
あの料理は『豚肉と野菜のごった煮甘酢あんかけちゃんこ鍋しちゅー』なるヤバい物だったアルね。
美味しそうなものを全部合わせたらもっと美味しくなると思って美味しそうなものを全部一緒に放り込んで鍋で煮込んだら……この世のものと思えないようなヒドイ料理出来たアルね。
その時母さんが川の向こうで手招きしてたので相当のヤバい物だったアルね。
ここの土の不味さはそれに勝らずとも劣らぬヒドさアルね。
こんなとこに生きる生き物食べてお腹壊さないか心配アルね。
「グゥウウウウウ」
そういえばさっき胃の中にあったもの全部ゲロで出してしまったのでお腹すいたアル。
何か食べれる物探さないとワタシが乾燥食材なってしまうアル。
ここがどこかわからないけど、何か食べる物探さないとワタシ倒れてしまうアルね。
お腹まだ少し痛いけどこの辺り探してみるアルね。
◆
色々探したけど見つかったのは虫、変なキノコ、変な骨、それに変な草だったアル。
ワタシ父さんから小さい頃崑や鉄華大陸の妙な食べ物、食材の事は色々教えてもらったけど、こんな変な物見た事ないアルね。
やはりワタシ地獄来てしまったみたいアルね。
まあ貴重な体験なので地獄の虫と変なキノコ、それに変な骨、変な草を使って料理作るアル。
まあ流石は伝説の厨具灼熱火鍋アル、あれだけ変な具材でも水入れてそこそこに煮込んだらなんか食べれそうなものになったアル。
まあ臭いも悪くないしこれなら食べれるっしょ。
「それではいただきまーす」
でもワタシがご飯食べようとした時、何かが臭いに釣られてやってきたアル。
「ブゴオオオオ、それ、うまそうだな。オレっちによこせ」
「アイヤァァァー!! バケモノォォォー!!」
私の前に出てきたのは巨大なバケモノだったアル。
巨大な刀を持ったそのブタみたいな顔のオッサンはワタシに剣を突き付けてきた。
「誰かぁー助けてほしいアル―!!」
可憐な美少女の大ピンチアル、誰かカッコいい人助けてー!!