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29 触手の実食、ご感想は?

 リオーネの用意した料理は料理とも言えない程恐ろしくおぞましい物だった。

 真っ黒こげの肉、その横に付け合わせのように置かれた切り刻まれた触手。

 私がまたまたまたアブソリュート様の呪いでギガンテス、ティターンの全身マッサージを喰らった痛みで七転八倒している間にリオーネは私の触手をもいで切ったのだろう。

 だが今回は全身の痛みで触手をもがれた痛みを感じなかった。


 まあ意識を与えずただ生やすだけの触手だと私と意識や神経を共有していないのでもいでも痛みは感じない。

だが意識が無い分勝手に動くので使い勝手が悪く私は普段は使わないのだ。


「こ……これを食べるんですか??」

「オレが作ったんだぞ、まあ見た目は悪いけどオレの愛情たっぷり入ってるんだからな」

「え、ええ、それではいただきます」


 愛が重い、重すぎる、これが愛情料理と言っていいのだろうか……。

 私は恐る恐る一口食べてみた。

 口に入れた感触は、炭、石炭、石油、どう考えてもこれは食べ物の感触ではない。

 噛めば噛むほどボロボロと砕け、残った炭は焦げ臭く苦くてえぐい。

 

そして更にダメなのが塩と油の大喧嘩だ。

 昨日は生肉に大量の塩をかけていたのでとにかく口が火事になるくらい辛かった。

 今日はその塩に加えてさらに大量の油である。

 この油がギトギトしていて揚げるでもなければ焼くでもない中途半端さ。

 

 中は生焼け外は真っ黒こげ、これはあの軍竜焼きと同じレベルのヤバさだ。

 幸い毒は入っていないので不味いだけだった。

 だが、お腹を壊すのはほぼ確定だろう、明日はトイレと友達になる日か。


 私は涙目で目を白黒させながらリオーネの愛情(?)料理を食べた。

 しかし、どうしても食べる気になれなかったのが自分の触手だ。

 いくら何でも自分の体の一部を食べるってどこのクラーケンだと言いたくなる。


 まあ私の先祖は海洋系モンスターの血を引いていると聞いた事がある、なので陸に住む魔族のはずの私が触手を使いこなせたわけである。


 そんな私に触手を食べろと焼いたのが目の前のリオーネである。

 コレだけはマジで勘弁してほしい、これを食うくらいなら空腹で倒れた方がマシである。


「テンタクルスーぅ、どーしたの? 一人で食べれないのかにゃー? それじゃあおねーさんが食べさせてあげるね。あーーーんして」


 マズイ、非常にマズイ……。リオーネの馬鹿力で口を開けられた私には逃げ場がない。

下手に逃げようとするとまた大きな胸に触れてしまいアブソリュート様の呪い確定である。

 ここは動かずこれを食べるしかないのか、アブソリュート様の呪いよりはマシとあきらめよう。


「あーん」


 恥ずかしいわ情けないわでもう私はなるようになれのヤケクソ気味だった。


「はーい、おねーさんが口移しで食べさせてあげるねー」

「!!!」


 ヤバい! ヤバい! ヤバい!!

 エッチな事で呪い確定なのに、これでキスなんてされたら今度はどんな目にあうのか。

 しかし私は今のリオーネから逃れる事が出来ない、予測可能回避不可能である!!


「うっ!」

「んちゅぅううーー」


 私はリオーネに思いっきりキスをされてしまった!!

 そしてそのまま口移しで黒焦げの触手も舌を入れて押し込まれてきたのだ!!


 不味い、えぐい、臭い、苦い……ありとあらゆる口の中の不快さを全部凝縮したようなこの世の物とも思えない味が広がる。

 このクソ不味いのが私の触手だったのか。そりゃあリオーネもマズイを連呼するわけだ。

 私は気分が悪くなってしまった。


「ううううぉぉえええェェェェーーゲロゲロゲロ」

「テンタクルスー、なんだよー、アタシの料理そんなに食えないほどひどかったのかよー!!」


 リオーネが涙目になってた。男っぽくても彼女も女の子なのだろう。


「リ……リオーネさん!?」

「テンタクルスなんてきらいだー! バカヤロー!!!」


 リオーネは泣きながら私の家を飛び出してしまった。

 だが、私は彼女を追いかける事が出来なかった、何故なら少し食べただけの触手で物凄く気分が悪くなりその場に倒れ込んでしまったからである。

 そして更に呪いのギガンテス、ティターンマッサージ再びが襲ってきた!


 そして私は意識を失った……。

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