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21 リオーネの汚部屋訪問

 私はまた医務室送りになっていた。

 以前の私では信じられない事だ、やはりレベル30なんてのはザコみたいなものなのだろうか。

 魔法耐性スキルがあってもレベルが低いとそれ以上の耐性には耐えられないのだ。

 おそらくあの軍竜焼きの軍竜はレベル50前後、その毒なのでトロルやオーガーでも太刀打ちできない。


 ましてや今の私のレベルではそれ以下なのかもしれないのだ……。


「うう……オナカイタイ」

「あら、目を覚ましましたか」

「オクタヴィアさん、心配してくれたんですか」

「いいえ。これ以上公務に穴を開けられても困りますので、起きたらさっさと戻ってください」


 彼女の冷徹さは筋金入りだ、元からこんな性格だったのか。

 いや、下手するとこのバーレンヘイムのあまりのダメダメぶりに嫌気がさして性格が豹変してしまったのかもしれない。

 きっと元々の彼女はとても気づかいのできる優しい女性だったのかもしれない。


「何アタシをジロジロと見ているんですか、気持ち悪い」

「へ?」

「気持ち悪いからこっち見ないでくれますか!」


 ……やはりそんなわけないか、この性格最悪女に元々聖女のような優しさがあるわけない。


「そこまで言わなくても……わかりましたよ!」

「アタシ貴方とは公務以外で話したくありませんから。プライベートで見かけても声かけないでください!」


 ここまで徹底的に嫌われると流石の私も凹む、今なんて病み上がりだから猶更だ。

 しかし、私はここまで彼女に嫌われる程の事をしてしまったのだろうか?

 今後は女性に対する対応をもっと考えなくてはいけないかもしれない。

 今までは頑なな態度の女性でも触手でメロメロにすれば大抵は私の虜になっていたが、今はそのやり方はアブソリュート様の呪いで出来ないので別のやり方が必要なのだ。


「では執務室に戻ります、貴方もさっさと来てください!」

「……わかりました」


 と言っていた所で定時が来たようだ。


「アタシ、勤務時間は徹底して守りますので。これで失礼します!」

「あ……あの、私はこの後どうすれば良いのだ?」

「知りませんよ、もう公務の時間外なので声をかけないでください」



 こんな所でどうすれば良いのだ……?

 私は就任したばかりで新しく住む自分の家がどこかすらわからないというのにこんな場所で知り合いもいない場所に放り出されたのだ。

 仕方なく私は庁舎の入り口で呆然と立っていた。


「お、テンタクルスじゃん! どうした?」

「貴女は……リオーネさん?」


 地獄に仏とは言ったものである、いや、地獄に女将軍か。


「実は……就任したばかりで自分の家がどこかわからないんですよ」

「なんだ、そんな事か! 仕方ないな、今晩はオレの家に泊まれよ」

「本当に? いいのですか」

「ああ、汚い所だけどそれで良きゃ歓迎するぜ」


 彼女が言っていた汚い所というのは住処としてのヒエラルキーの低さだと私は考えていた、しかしそれは【本当の言葉通りの意味】だったのだ!!



「なんじゃこりゃーーー!!!」


 レオーネの部屋を見た私の第一声はこれだった。

 部屋自体はこじんまりしつつも綺麗な作りのそこそこの高級感だったのだが……とにかく物が散乱していて汚かった!

 汚部屋というべきなのだろうか……。

食べかけの肉が腐ってたり、衣服が脱ぎ捨てたままだったり、鎧がその辺に散乱してたり、ゴミが山脈になっていたり、とにかくひどい有様だった。


「アハハハ、オレ……片付けるの苦手なんだわ」

「だとしても程がありますよ! これは誇り高き魔族の住む部屋じゃない、ゴミ溜めですよ!!」

「いやー面目ない……ハハッハ」


 そういえばそうだった、リオーネは魔獣将軍の時からとにかくズボラ、大雑把、ガサツで規律とか全く無視していた。

 それなので几帳面で綺麗好きのアブソリュート様と犬猿の仲だったのだ。


「まったく、泊めてもらうお礼に私が片付けてあげましょうか?」

「いやーそれマジ助かるわ。そうだ、メシまだだっただろ。一緒に食うか?」

「食事……ですか?」


 私はまたまたまた猛烈に嫌ーな予感がした。

バーレンヘイムに来てからまともな食事が出来たためしがないのだ。

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