165 鉄道敷設工事本格スタート
少しスランプです。先の展開がなかなか進まなくなってました。
どうにか毎日投稿できるようなペースに戻したいと思っていますのでよろしくお願いします。
低反発マットの中から出てきたのは小さな粒粒の山だった。
なるほど、この小さな粒粒が身体の重みを反発して跳ね返してくるのか。
「ダーリン、ちょっとやりすぎたんちゃうん? チンチクリン泣いとるで」
パラケルススが大泣きしたままだった。
仕方ないので私は粒粒をマットの中に少しずつ戻したが、地面の土が混ざり、イマイチ低反発がどうもザラザラしたようになっている。
その上形がどうもいびつだ、最初に会ったようなきれいな形に直らなかった。
その上縫い合わせた部分からポロポロと低反発の粒粒が漏れ出してくる。
どれだけ小さい粒粒を使ったのだろうか。
それでもどうにか直った低反発マットをパラケルススに見せたところ、彼女は私が頑張って修理したものを全部ドザーとこぼしてしまった。
「こんなに雑で混ざりものが多いと低反発として使えないのだ、やり直しなのだ」
コイツは、こちらが下手に出ると調子に乗る性格だった。
流石にトサカに来た私は触手で絡め取ったパラケルススをぶらーんぶらーんと逆さ吊りにしてオシオキした。
その横には低反発マットの外側が洗濯されたままで干されている。
傍から見るとシュールな光景だ。
「アホなことはその辺にして、そろそろ工事再開せーへんか?」
アリアが工事のことを提案してきた。
まあこの数日で鉄道敷設はかなり進んだので、物資調達は楽になるだろう。
機関車の鉄道敷設は順調に進んでいる。
このペースでバーレンヘイム全土に鉄道を敷くことができれば、食料や人員の輸送は楽になるだろう。
それでもどうしても遠くて移動できないような場所なら、騎竜戦艦を使うのもありだろう。
とりあえず今の所鉄道敷設が必要な場所は、バッカスの住処と食肉野菜の畑、それとファーフニルの巣のあった鉱山と大森林地帯だ。
「そうですね、工事を進めればもっとスタッフとか資材の運搬が楽になるかもしれませんね」
私は住民課に指示して騎竜戦艦から上空高くで撮ったバーレンヘイムの全体図と一部拡大図を用意させ、土木班に渡した。
「さて、大がかりの工事になるのでスタッフは増やす予定です。今のところはそのスタッフで頑張ってもらえますか」
私はアイガイオンのところの兵士を借り、他にも食堂に来ていた中でやる気のある魔族に声をかけて鉄道工事のスタッフを確保した。
このスタッフ達にはその場で食事をさせるのが難しそうなので、食堂からは一通りウー・マイの料理を教えてもらったブブカとオイオリュカが臨時食事班として動員された。
「姐さんほどじゃないっすけど、オレっちもかなり料理は作れるようになったっすー。みんなの食事はオレっちに任せればいいっすー!」
「オイオリュカちゃんもねー、がんばるよー。もう色々と作れるようになったからねー」
まあ実際あのウー・マイの元で料理を作るのを見ていた二人だ。
今のこの二人なら土木作業班の食事を任せても問題はないだろう。
「アンタら食堂と同じもん作れるんやな、ほな串カツ作ってくれるか?」
「任せるっすー」
「多分必要だって聞いてたからー、オイオリュカちゃんソースの壺持ってきたよー」
流石だ、彼らがウー・マイの所で料理を作っていたのは無駄な時間ではなかった。
工事を進める土木班は体力を使い鉄道敷設工事を進める。
そして料理担当のブブカとオイオリュカはそんな彼等の胃袋を満たすだけの食事を作っているのだ。
これぞまさに適材適所と言うべきだろう。
私は執政官としてそれらの全ての予算や人員を配分しなくてはいけない。
まあ現場を見ないとそれも把握できないというのは私が本国にいた時に大元帥だった時からやっていたことだ。
その上、私の頭を悩ませる頭痛の種が何人も姿を現した。
「ご主人様、我も力を貸す為に来ましたー」
「妾の力も必要じゃろ?」
貴女方が来ると平穏が縁遠いものになるので、マジ勘弁してください。